「息子のボーイフレンド」を読んだ
「息子のボーイフレンド」 秋吉理香子 U-NEXT を読んだ。
専業主婦の杉山莉緒(40)は、高校2年生の一人息子・聖将からのカミングアウトをファミレスで聞き、衝撃を受けた。交際相手を自宅のランチに招いたところ、20歳で一流大学2年生の藤本雄哉は非の打ち所がない好青年。母親を早くに亡くし、家事は勿論、祖母の介護までしている苦学生で、何より聖将に勝るとも劣らないイケメンだった。ひとまず二人の交際を認めた莉緒だったが、夫・稲男(45)にはなかなか切り出せない...。聖将&雄哉、盛夏の熱い恋の行方やいかに?家族の絆があったかくしみる群像劇！
―ああ、そうか。
俺たちは日陰にいるんじゃない。
木陰にいるんだ。
息子にゲイであることを告白される母の視点から物語は始まる。
母は高校生の頃は、自らBL漫画を描く腐女子であったにも関わらず、息子がゲイであることは受け入れられない。同じく腐女子であった優美に相談してみると…
息子視点、優美視点、父親視点、息子のボーイフレンド視点と物語はすすんでいく。
父親は会社でLGBT フレンドリーな会社にしていく活動の責任者。でもそれは仕事として。
他人で関係ないからこそ、僕は「まあ別にええやんけ」とうそぶき、この社内活動に励んでいられるだけだ。
父親は息子のボーイフレンド雄哉に別れてくれと直談判。雄哉は好きな人や周りを不幸にしていると自分を責める。
誰にも言えない。誰にも紹介できない。誰からも祝福されない。好きだ、そばにいたいという気持ちだけではどうにもならないハードルがいくつもある。
そんな関係を聖将に背負わせる？
世界で一番、大切な人に？
別れを決断するが、聖将は…
そして周りの人は…
まだまだ偏見は多く、綺麗事が言えるのは当事者でないからかもしれない。
それでも、木陰になれたらいいと思う。
恐縮です