人生“ポイント制"である論
①スパーズの「岩とハンマー」
こんな話を知っていますか。
NBAのサンアントニオ・スパーズの練習場には、「岩」と「ハンマー」が展示されているということを。
「岩とハンマー?🪨と🔨??なんのチョイス??」
そう思うと思います。
だがその「岩」と「ハンマー」のセットを展示しているのには理由があり、ある人の信念が表れている。
展示したのはヘッドコーチのグレッグ・ポポビッチ氏。
彼はこう語る。
スパーズのチームフィロソフィーを表す言葉として「Pounding the rock」という言葉を掲げているそう。意訳は「岩を叩き続ける」。
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人にはそれぞれの世界観がある。
「人生は努力だ」と考える人。
「人生は運が全て」と考える人。
「計画を立てないとより良い結果は得られない」と考える人。
「成り行きに任せた方が人生うまくいく」と考える人。
指導の域で考えると、
「叱った方が伸びる」と考える人。
「褒めた方が伸びる」と考える人。
「ドリブルが大切」と考える人。
「カッティングが大切」と考える人。
これまでの経験に基づいて、無意識のうちに人は自分の世界観を作り出す。
②人生は"ポイント制"だと思う
私は、人生は“ポイント制“だなと常々考える。
100ポイント貯めるとレベルが1上がるとして、
そのポイントを積み重ね続けた人がいわゆる“優秀“に辿り着くのだと思う。
バスケットボールに例える。
誰にでも、シューティングしても10%、20%しか入らないという時期があったはずだ。おそらく、カリーだって、河村選手にだってその時期はあったはずである。何度打っても全く入らない時期が。自分自身の能力に失望して辞めたくなる時期が。
けど、彼らはちゃんと“ポイント“を溜め続けた。1日100本スリーを打つ、1日50本フリースローを決める、といった具合に。「今目に見える成果」に頼らず、自分のルーティンをこなし続ける。“ポイント“を自分に加算していく。そのポイントを貯め続けた結果、ある日を境にシューティングが50%、60%と上昇していったはずである。
ご多分に漏れず、私もその1人だ。特に左手のドリブル。何回やったって上手くならないもの。けどやるしかなかった。
大事なのは、「ポイントを貯め続けられるか」という部分である。
ポイントを貯めないとレベルアップはできない。レベルアップをしたら目に見えて成長が分かるはずであるが、淡々とポイントを貯める時期は成長を感じることができにくい。
ポケモンでいうとポイントは「経験値」である。経験値を貯めるとレベルアップできる。レベルアップすると新たに技を覚えたり、攻撃力や防御力が上がる。けど、淡々と経験値を貯め続けるのは、成長が感じられず、ちょっとしんどい。レベル100を目指していたのに経験値集めに挫折して育成を辞めてしまうのはよくあること。
シューティングでも同じで、いかに「入らない時期」に淡々とポイントを貯め続けられるかが大切であり、ある種“才能“にあたる部分でもあると思う。さらに言えば、そのポイント貯めの時期すらも笑顔で楽しそうにできる人間は本当に強いと思う。
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今年、箱根駅伝で優勝した青山学院大学の原晋監督はこう語る。
“積み重ね“なのだ。急に化ける選手も、しっっかりポイントを貯め続け、ある日を境にそれが基準値に達し、レベルアップするのである。“積み重ね“がカリーも、河村選手も、強くした。
③お宝まであと◯回
きっとこれはすべてに応用できる。
朝早起きするとか、ちょっと勉強してみるとか、疲労回復のためにストレッチ・セルフマッサージするとか。すべて“ポイント“である。自分の人生というボードの上にそのポイントは確実に加算されていく。
バスケでいえば、練習後の15分間、ちょっと体が重くてもシューティングするとか。いつもよりちょっと早めに体育館に来てドリブルドリルするとか。自分というバスケットプレイヤーのボードに確実にポイントが加算される。
今、成果が得られなかったとしても、それを続けた1年後、10年後は確実にポイントは貯まっていて、レベルアップしているかもしれない。
自分という人生ゲームは、一発勝負でも、運でも、突発的なものでもない。“ポイント制“でレベルアップしていくものであると信じている。
あともう少し頑張ればお宝が見つかる“かもしれない“。
「今、成果を得られない」という事実は、その過程のすべてを否定するわけじゃない。努力の否定するわけじゃない。
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こんなこと言ってますが、かくいう私自身は弱い人間でして。気を抜いたら“悪いポイント“を貯める傾向にあります。暴食とか。
今年はちゃんと節制して、積み上げたい。
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