作品「千年のダンス」


千年のダンス            
 
 
平城京の時代
つまり八世紀から
春日山は原始の姿をとどめている
そのおかげで多くの巨樹に
今も会うことが出来る
杉や楠の老木は
並外れて大きい
そして異形である
雷にうたれ
斜めに傾き
中は空洞となり
幹は苔に覆われ
空へと近づく体を
揺らしている
風を永遠の音楽に
千年のダンスを踊り続けている
 
 
 






『歩きながらはじまること』(七月堂)
『朝のはじまり』(BOOLORE)

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