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お金を働かせる為の考え方⑨『法人化』それは億万長者の通り道

今回は法人化についてお話をしたいと思う。
法人化というと果てしなく遠い話に思われる人も多いかもしれない。

或いは法人化は、やりたいことをするためや新しい事業を起こすために行うものだと思っている人も多いように思う。

実際には節税対策や法人化するメリットのために個人事業主から法人化、いわゆる法人成りをする人が多い。

この記事や私の記事に興味を持ってくれている人たちは、お金持ちになりたい、億万長者になりたい。お金に働いてもらいたいと考えていると思う。

お金持ちになるということ、億万長者になるということは、お金を沢山儲ける、収入が沢山あるということだ。収入が増えると当然税金が高くなる、法人化するとは、大きな節税対策になるし、その他のメリットも多い。

 もちろん収入が増えても法人化しない人もいる。デメリットももちろんある。ただ投資や副業で収入がある一定のラインを超えると、法人化するメリットがデメリットよりも勝ってくるので、ある程度成功してきたら法人化することをお勧めしている。

ではその理由を詳細に説明していきたいと思う。

 まず法人化する一番のメリットは税金を抑えられるからだ。

 メリットはそれだけではない。あらゆるものが経費で計上できるうえ、法人化すれば有限責任となり、多額の損失を出した場合でも個人の財産である預金や家や車などが守られる。

 法人化のメリットを詳しく説明していこう。

①    税金を抑えられる
個人事業主から法人に切り替える目安は収益が700万円を超えたあたりが目安と言われている。もちろん納税額は経費の内訳や置かれた環境によって異なるのであくまで参考までにしてほしい。

 個人事業主として活動する場合、年間所得に応じて所得税がかかる。例えば、年間所得が700~800万円の場合、所得税率は23%とになる。
 法人税率は通常15%(資本金1億円以下の中小企業を想定)なので、その差は8%となり、年間所得が増加するにつれてその差が大きくなる。
具体的には、800万円の所得で64万円の節税が期待できるということになる。
簡単な計算式を載せておくので参考にしてもらいたい。

節税額=(個人事業主の税率−法人の税率)×年間所得
例、年間所得が800万円の場合
節税額=(0.23−0.15)×800万=0.08×800万=64万円

②    経費で計上できる範囲が広い
 法人化すれば一部の生命保険(法人が契約者となっていて役員や従業員を被保険者とする生命保険が対象)や自分の給与(役員報酬)を経費で計上できる。また家族を従業員にすることでその給与も経費で計上できる。
そもそも個人投資家と投資会社では、経費として認められる範囲が異なる。法人は利益を求めることを目的としているため、利益を生み出すために必要なお金はすべて経費として計上できる。

 もちろん曖昧なものやグレーゾーンのものもあるので何でもかんでも全て経費に回すと税務調査で指摘される可能性があるので、税理士に相談できるのがベストだ。
 法人化して大きなお金を動かすようになれば、優秀な税理士は必須になってくるので、こちらも人生のステップアップの際は必須と思って検討してほしい。

③    法人化すれば有限責任になる。
 有限責任や無限責任という言葉を知っているだろうか。法人化に興味がなければあまり触れることのない言葉だが、法人化のメリットを説明する際には非常に重要な要素になってくる。

 個人投資家として活動する場合、投資に関するリスクは自身の財産に直接影響を及ぼす可能性がある。だが法人としての投資活動では、そのリスクは「有限責任」の範囲内に収まる。これが、個人投資家が法人化を検討する大きな理由の一つだ。

例:
個人投資家の田中さんは、新しい技術を持つスタートアップ企業に1,000万円を投資した。しかし、数年後、その企業は技術的な問題に直面し、事業が失敗。さらに、その技術が他社の特許を侵害していたことが発覚し、大手企業から損害賠償請求が来てしまった。

個人投資家としての田中さんは「無限責任」を負っているため、投資した1,000万円以上の損失、さらに特許侵害による損害賠償も自身の資産で賄わなければならなくなってしまった。これは、彼の家や車、預金などの私的な資産にまで影響を及ぼす可能性がある。

しかし法人化し投資会社を設立していた田中さんは、その法人を通じて投資を行っていた場合、損失は投資した1,000万円まで、特許侵害による損害賠償も、法人の資産の範囲内でのみ対応することができる。田中さんの私的な資産は、このトラブルから保護された。

この例のように、個人投資家としての活動は高いリスクを伴う。法人としての投資活動は「有限責任」の範囲内でリスクを管理することができるので、責任の大きさが全く違うのだ。
 大きなお金を動かせるようになればなるほど、リスクをとった運用ができるようになる。しかし実際に大きなリスクが現実のものになったときに個人投資家でベンチャー企業などに投資をした場合は、前述したような個人の資産にまで及ぶ大きな被害を背負う可能性がある。

 法人化していればそのリスクを有限責任の範囲にとどめることができるため、個人の財産は守られる。ある程度の成功を収めてFIREが見えてきたのであれば法人化は必須と言っていい。

投資は未来の不確実性を伴うものなので、そのリスクを適切にコントロールするためにも、法人化することは必須と思ってもらいたい。

さらに法人化する際の投資に関するメリットとして大きいのは赤字を10年間繰り越せることだ

法人の赤字の繰り越しイメージ

④    赤字を10年繰り越せる
 
法人では、発生した損失を10年間繰り越すことができる。これは、将来の利益に対してその損失を差し引くことができるということを意味している。

例を使って分かりやすく説明しよう。

投資会社A社が初年度に250万円の損失を出したとする。しかし、2年目には50万円の利益を上げた。この場合、2年目の利益から初年度の損失を差し引くことができ、実質的な課税所得はマイナス200万円になる。このマイナス200万円をさらに繰り越すことができ、将来の利益に対してもこの損失を差し引くことができる。

個人事業主の場合はこの期間が3年間なのでリーマンショックなどの世界的な株価の下落で損失を出した際に、3年以上その損失が続いてしまうと損失を繰り越すことができなくなってしまう。

3年以降に大きな利益を上げたとしても、リーマンショックで受けた損失を差し引くことができずに、その利益に課税されてしまう。
法人としての投資活動であれば、長期的な戦略を持ってリスクを取ることができるという大きなメリットがある。一方、個人事業主としての短期間の繰越は、損失を迅速に回収する必要があり、投資戦略に制約が生じる可能性がある。

個人投資家と投資会社では、損失が出た時の処理も異なってくる。リスクをとって長期的な戦略で投資をするのであれば法人化したほうが長期的な視点で運用することができるというわけだ。

 法人化するメリットはまだまだある。例えば信用面での向上だ。

⑤    信用面での向上
法人化するとビジネスの拡大や取引先との信頼関係の構築において非常に有利になる。というよりも法人化していない個人に優良な投資案件の話は来ないと思ってもらったほうがいい。

自分から見込みのあるベンチャー企業を見つけたとしても個人ではアポイントをとることも難しいと思う。
 それだけ会社を持っている経営しているというのは社会的なステータスになる。どんな小さな会社であれ、合同会社であれ、株式会社であれ個人事業主と会社代表、社長であるという肩書きは社会的な信用に大きな開きがある。銀行からの融資も受けやすい。

 人を紹介された際も、会社を経営しているのとそうでない場合は相手の態度や見方は第一印象から変わってくる。
 会社を経営している者同士の連帯感や親近感のようなものは確実にあるし、経営者同士であれば、ある程度の知識や経験があることの確認が必要ない。

 法人化することで最低限必要な経理の知識や決算、税金、経費など会社を運営するのに必要な知識が嫌でも身に着くからだ。大企業から中小企業まで会社は基本的に同じ国のルールで運用されているので、その共通認識がある状態で話が始まる。会社を経営する大変さや苦労なども話さなくても共通認識としてスタートすることができる。

 それに雇われる側から雇う側になってはじめてわかる視点も多い。そういった経営者になってみないとわからないあらゆる事が、名刺を渡した瞬間に理解できる。

 少なくとも会社を経営している人なのだ、という認識から話が始まる。個人事業主の人はこういった第一印象でビジネスチャンスを逃している可能性も多いにあると思う。

法人化のデメリット

 もちろんケースバイケースだ。法人化にはデメリットもある。絶対に法人化しないと損をすると否定しているわけではない。

そもそも収益が400万円くらいのころに法人化してしまうと法人税や法人住民税などを合わせると所得税よりも高くなってしまう。さらに社会保険にも強制加入になり、法人負担分の金額も払うことになるので保険料は倍増する。法人化するにあたって初期費用も必要だ。

 法人化することで年末調整や決算報告書の作成など素人では難しい作業が出てくるので、税理士や社労士に依頼する費用が発生する(もちろん自分で勉強して一人でおこなうことも可能だ。それはそれでスキルになる)。法人住民税に関しては赤字(または収益が0)でも最低限の支払いが発生する。

 それに個人投資家として投資をしている人の多くが普通に企業で働いていると思う。法人化のタイミングは実際に投資や副業のビジネスなどの利益が800万円を超えてきた当たりの話なので、その時点でかなり成功しているのが前提になる。

 そのくらいの収益がでていれば独立を検討してもよいのではないか、仕事を辞めるのであれば個人事業主として活動するよりも、絶対に法人化したほうがいいよ、という勧めである。

 今までの記事で紹介してきた簡単なインカムゲインを狙った投資などで個人の無限責任を負うようなことはまずないので安心してほしい。

 あくまで法人化を進めるのは、投資や副業などの自分のビジネスである程度の成功を収めた段階の話であり、よりリスクを負ったハイリターンの投資をする際に法人化はリスクを最低限に抑えるために絶対に必要であるということだ。

 会社を建てるというととてつもなく難しいようなイメージを持っている人も多いと思うが、会社を建てるだけならほんの10万円もあれば建てられる。

 前述したように社会保険への強制加入や年末調整、決算などの作業がでるので、一概に簡単に誰でも企業したほうがいいとはもちろん言わないが、起業する作業だけでいうと以外と少額であっさりと個人でも会社を建ててしまえる。

 マネーフォワードなどのサービスで会社設立を全てテンプレート化し、言われた通りに書類を出すだけで会社設立が完了するサービスもある。

 法人化するメリットは大きいので、投資の収益や副業での収入がある一定のラインを越えてきたら起業を検討してみてほしい。

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