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鬼ごっこで仲間がいる方に逃げれば良かった

子どもと鬼ごっこをするときに、仲間がたくさんいる方にわざと逃げていることに気付いた。自分が走るのしんどいというのも百理くらいあるが、「鬼ごっこをしたい子どもたちに楽しんでほしい」という気持ちも一理くらいある。

子どもたちは「なんでこっち来るん!」と文句を言いながらも、キャーと叫びながら楽しそうに走る。

私が子どもたちのたくさんいる方に向かって逃げると、その子たちも一緒に逃げることになり、「鬼ごっこに参加したい人たちが出来ている状態」を作ることが出来た。

私の体力が尽きて鬼になったとき、鬼ごっこに参加していなかった子に突然タッチする。もう追いかける力は残っていないからね。
この行為を「部外者にタッチ」としておく。

鬼ごっこは続く。

ある子が鬼になったとき、一人を追いかけまわして校舎の中に入っていってしまった。鬼も続き、教室の机をくぐりながらの攻防戦となる。

先生が来て、「教室で走るな!」と怒られてしまった。そして私は「大人がいながらどうしてこうなったんだ」と怒られるのだ。

ちなみに私は子どもたちと鬼ごっこはしていない。
ここまでは、私が子どもたちと鬼ごっこをしたら…という妄想の話である。
舞台が気付かぬうちに学校になっていたのは予想外だ。


話を「部外者にタッチ」に戻そう。

もしその人が、鬼ごっこの様子を少し離れて見ながら「入りたいなぁ」と思っていたら、これは良い行いになるが、そうじゃなければ迷惑になる。

世の中には、「部外者にタッチ」を良かれと思ってする人が一定数存在するのだ。だが、「入りたいなぁ」と思っているかどうかを見極めるのは結構難しい。

もっと言えば、同じグラウンドでサッカーをしている少年にタッチをする可能性もある。その少年は、お兄ちゃんの友達に誘われて無理矢理サッカーをすることになって、ボールも回ってこずに、でもその場から立ち去ることもできない状況だった。

その子にとって「突然のタッチ」は「救いのタッチ」になるのだろうか。
後からお兄ちゃんに怒られるのかもしれないが、少なくともぼーっとサッカーコートにいるより体を動かすことは出来る。

では、教室にいる人たちにも鬼ごっこに参加してほしかったら、どうすれば良いだろう。鬼ごっこのフィールドを校舎にまで広げるのは、正解だろうか。

走って良い・悪いという議論は置いておいて、自分の周りで鬼ごっこをしているからと言って「私も入りたい」とは思わないだろう。むしろ、「こいつらうるせぇ」「絶対一緒に遊びたくない」とまで思われてしまうかもしれない。

私が思う最善策は、教室の窓から見えやすい場所でめちゃくちゃ楽しそうに鬼ごっこをして、教室に戻ってきたときに「もっと人いたら楽しいのになー」とか独り言を言うことだ。

なんか楽しそうだな、入りたいな、あっ人足りてないんだ、だったら私入っても良いかな、という気持ちになれば、とりあえず外に出てみるかもしれない。

そしたら、教室の様子を見ながらも知らぬ間に鬼になっていた私が「部外者にタッチ」をして、その子も仲間に入ることができた。

鬼ごっこはここまで


ここまで長らく鬼ごっこを繰り広げてきたわけだが、何が言いたいかと言うと、「人を巻き込む」ことについて悩んでいるのだ。

そう、悩んでいるから妄想で学校に入り込んで子どもたちと鬼ごっこをしてしまった。

私はいろんな企画をするのが好きではあるが、誰かを巻き込むことを恐れすぎている。「嫌じゃないかな」とか考えているうちに、何も行動に起こせなくなってしまう。

ある人が、巻き込むという言葉に違和感があると言っていた。
それも、分からなくもない。
本当に楽しそうに見えていれば、こちらから巻き込まなくても教室から人は降りてくるのだから。

ということは、誰かを教室から出すくらいの強い何かがなければいけない。

お母さんの足の間で

私は、自分から人を巻き込むのが苦手なのにくわえて、昔からめちゃくちゃ人見知りだ。

鬼ごっこで言えば、巻き込まれるためにどうすれば良いかを考えて、わざと外で本を読むくらいには不器用だ。

昔から、この人には心を許せると思ったら、その人を介していろんな場所に入れるようにしてもらっていた。
それはもう、お母さんの足にしがみつく子のように。
膝の間からじっと様子をうかがい、この子恥ずかしがり屋なんです、と言ってもらう。

こんなこと自分で書いていてめちゃくちゃ恥ずかしいけど、私の滋賀での人脈の広げ方は完全にこれだ。自立しろや、自分。

フラッシュモブには混ざらない

誰かが私の家の前でフラッシュモブをするとしていたら、電気をすべて消して居留守すると思う。巻き込まれたくないから、家の前までその波が来ていても自分は近寄らない。

もしフラッシュモブの後ろの家に住む人が、知らない人と踊るのが好きだったら、おそらく良い機会だと言って巻き込まれにくるんだろう。

そして、あとから「いやー、家の前でやってたら一緒に踊るしかないよ。巻き込まれちゃった。」と被害者ヅラしつつも嬉しそうに言うんだろう。

同じことが、人付き合いや企画・イベントにも言える。

この人の誘いはちょっと…と思うことも正直あるが、そんなときはちゃんと断る。断れない性格だとよく言われるが、その顔は「巻き込まれても良いと思っている相手」にしか見せていない。

巻き込まれても良いな、と思うものに関しては、自分から巻き込まれにいって、後から「いやー、なんかすごい知らないうちに巻き込まれてたよ」と被害者ヅラしながらも嬉しそうに言うのだ。

そう思うと、鬼ごっこの「部外者にタッチ」は断ることもできないから、事前に「タッチしていい?」と一言かけるのが親切かもしれない。

でも、そしたら「鬼ごっこに参加した上で逃げる」と「鬼ごっこに参加したくないから逃げる」の2つの意味合いにとれてしまう「逃げ」が発生して、結局私は走り続けることになるな。

とにかく私は、いろんな人たちと楽しく鬼ごっこがしたい。
そういう話。


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