【読書メモ】ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち(阿部 朋美、伊藤 和行 著)

【読書メモ】
ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち
阿部 朋美、伊藤 和行 著(2023/5/19発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/402251907X/

専門家ではなく新聞記者のインタビューに基づいた書籍。
私の常識が少しずつ更新され、物理学者の言葉も知れ、同感な総括だった。

⚫当事者インタビュー 5人
立花奈央子さん
「才能を伸ばさないともったいない」は大きなお世話。
p.49

⚫専門家インタビュー:角谷詩織教授
「小学校に入る前に外国語が話せるようになる、相対性理論を完全に理解する、など超人的な才能を見せる子どもがギフテッドだと誤解されているように感じます。」
ギフテッドのち9割がIQ 120〜130。
超人的(IQ 160超)な人は、ごくわずか。
p.107-109

揚げ足取り、ミス探し、優越感ではなく、
情報を知ったり、共有したりするのが楽しくて
純粋な興味関心からの言動。
p.113

⚫第3章:異才の受け皿
(受け皿、という言葉に抵抗あるが・・)
孫正義財団 Infinity
ROJE ギフテッドプロジェクト
翔和学園

⚫日本での英才教育
<太平洋戦争末期「特別科学教育」を受けた人の証言>
・藤井裕久さん
仁科芳雄博士に「君たちは新型兵器をつくる先兵だ」と言われたが、
その年、原爆が落とされ、米国との差を知り「腹が立ち、情けなくなった」。
p.153−154

・片岡宏さん
「湯川教授が毛髪をポマードで極めて丁寧に整髪しておられたことが記憶に残っている」
p.157

中邑賢龍教授「異才発掘プロジェクト ROCKET」
→LEARN

★まとめ
中邑教授の取り組みは、ROCKETという英才教育から形を変えて、現在進行中である。子どもの埋もれた才能を引き出したいという思いが、子どもや保護者らに、優劣の感覚や行き過ぎた能力主義の意識を与えてしまったことは、翔和学園の「挫折」とも共通している。
(中略)
こうした弊害が生じることをきちんと理解しなければならない。まして公教育で行うことは、当事者だけでなく社会全体の理解が得られなければ、相当難しい。そんな意を強くしたインタビューだった。
p.170

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