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老兵は消えていっている話

最近は産婦人科の分娩取りやめがニュースになることが目立つ。かつては産科が閉院しても他の産科が受け入れられたが、もう東京ですらその余力は無くなってきているということであろう。

もう70歳近い医師が夜間に起こることの多いお産をとり続けるのはそりゃ体力的には無理しすぎだろうと思うけれど、地域の妊婦さんのことを考えてお産をとり続けてきたということなのだろうと思う。

もう20年近く前になるいくつかの産科事故に対するマスコミによる総叩きで医学生による産科志望は低調になったし、事故を予防するということでは小病院に産科医師が分散するよりも大きな病院に多人数の医師が集約して高度な対応が取れるシステムが有効であるのは明らかである。

街々の妊婦さんには自分の住む街、近くの病院や産院でお産がしたいという希望はあるかもしれないが、もうそれは贅沢な希望になりつつあるのである。たとえ自宅から100キロ離れていてもたくさんの産科の先生や助産師さんのいる大病院でお産をするのが安全なお産への道です。

日本の医療は商売ではない。医者の方も商売人の気持ちを捨てるべきだという以上、患者の方もも「お客様は神様です」なんて安易なスローガンは捨てて真摯に日本の医療制度を維持するために協力すべきなのでしょう。

都合よく安全と便利さを求めようとしてもうまくゆかないのです。そんな余力があるなら老人医療に使うべきと朝日新聞も書かざるを得ないでしょう。朝日新聞もメインの顧客が高齢者である以上、高齢者に逆らうような意見はかけないだろうしね。これが若者や右翼どもを叩く話であれば喜んで筆が進んだのだろうけれど。

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