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少年院卒が考える教育マガジン

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少年院を出て感じる、子育てや教育環境についてまとめてあります。
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記事一覧

旭川女子中学生凍死は“いじめ“か“殺人“か

幼児虐待と理不尽ないじめのニュースは読んでいて吐き気がする。 昨年から報道され始め、時間の経過とともに生徒も学校も悪魔だと分かった。 ようやく重い腰を上げて実態調査に乗り出したようだが、今すぐ刑事事件扱いにしないのが些か不思議である。 今日はそんな話をつらつらと。 いじめは犯罪行為で加害者は犯罪者です 先に言っておくけれど、今日の私はかなり感情的だ。それだけ連日いじめを見聞きして腹が立っている。 まずなぜ、旭川女子中学生のいじめを立件しないのか。 どうせ加害者が

【改正少年法】成人年齢の引き下げについて

2022年4月1日より成人年齢が18歳に引き下げられた。 そもそも少子高齢化により選挙投票数が減ることを懸念した政府が、成人年齢の引き下げを検討したのが始まりだ。 政治家にとって、少年法や成人年齢の引き下げに伴う自己責任など興味もないだろうが、これからを生きる子供にとっては重要な法改正になったと思う。 法改正後、甲府殺人事件の19歳犯人が実名報道された。 私も逮捕当時19歳で、法改正後なら実名報道されていただろう。 今日はそんな話をつらつらと。 18歳の子供に責任

少年法に守られた人間が日本の社会に訴えたいこと

“ゲームやネットの影響を受けて凶悪犯罪を簡単に犯す未成年が増えた“ と言う人がいるけれど、私は今に始まったことではないと思っている。 日本人のクソみたいな“美徳“である、臭いものに蓋の精神は今も昔も変わらないだけではないだろうか。 最近起こった事件の中で私が興味を持ったのは以下の2件。 ・茨城一家殺傷事件 ・立川ホテル殺人事件 茨城一家殺傷事件の犯人は、私と同じ関東医療少年院を出院している。 要は未成年の時に逮捕されて少年院送致になっておきながら、更生せずに再犯

少年院卒がいじめについて考えてみた

私はいじめる側もいじめられる側も経験した。 どちらも小中学生の頃だったけど、高校の入学式でギャル4人組に目を付けられて入学早々もめたこともある。 昔から良くも悪くも目立つ子ども(人)で、少年院にいる子たちに似た感覚を感じた。 今日はそんな話をつらつらと。 結論からいうと学校であれ会社であれ、いじめられたら被害届を出して法的に解決するのが正しいと私は思う。 まずいじめは学校だけの話ではなく、会社にも存在する。大人になっても何も成長しない可哀想な人間は一定数いるからだ。

少年院卒が子育てする上で決めているルール

鼻からスイカを出して早数ヶ月が経った。 出産は聞いているより大変ではなかったけれど、時々息子を見て「こんな大きいものを押し出したのか」と自分に引くことがある。 押し出した自分ですら引くのだから、旦那やパートナーが立ち合いで妻を女として見られなくなる気持ちも分かる。 毎日彼にとっての正解を手探りしているが、正解など一生見つからないのだろうと思っている。 これから彼と過ごす20年の中で、私は私なりのルールを設けている。 今日はそんな話をつらつらと。 自信を持って「あな

【少年院卒持論】努力は報われない勘違いするな

そういえば私、親になった。 大した人生を生きてきたわけじゃない私が、人様に教える立場になる日が来るとは夢にも思っていなかった。 こんな私だから母に妊娠を報告したとき、こう言われたのだ。 「あんたが思ってるよりずっと大変で、楽しいことなんて多くない。いつか勝手に産んだくせにって言われる日が来るかもしれない。それでも胸張って子どもを愛せるって言えるの?」 母の心配をよそに、私は笑ってしまった。 自分がこんな人間だ。 これから先、子どもに教えられるのは成功談より失敗談の

いじめる側もいじめられる側も経験して思うこと

私は今では想像が付かないほど、内気で無口な子どもだった。 特に両親が離婚してからは、学校へ行っても友人と一言も口をきかない日もあった。 いじめを受け始めたのは両親が離婚してすぐの、小学校4年生から。 中学2年生で非行に走るようになってからは、いじめる側に回った。 昨今のいじめのほとんどが、死に直結するほど陰湿で残酷なものになっている。 悲しいが、いじめがこの世から無くなることはないだろう。 人は人に対し、優劣を付けたがる生き物だ。 特に若い頃は視野も経験も少なく

子どもを少年院に入れたくないなら抑圧して育てるな

どうやったら少年院に入るような子どもができるか、不思議ではないだろうか。私の生まれ育った家庭環境は、特段変わっていたわけでもない。 シングルマザーに育てられたが、幼少期は父と母と妹と普通の家族を営んでいた。虐待されていたわけでもなく、育児放棄されたわけでもない。 だが、私は結果的に、少年院に入るような子どもへと成長していった。 逮捕され、留置場、鑑別所、少年院と、様々な少年に出会い、彼らの境遇に興味を持つようになった。 物珍しさから惹かれただけだが、私を含む多くの子ど

少年院に入ることは、不幸なことなのか

どう思うだろうか。 一般的に考えたら、不幸なことなのかもしれない。 少年院に入りたくて入る人はいないし、そう望む親もいないだろう。 少年院や鑑別所が必要ない世界なら、どの子どもも幸せに暮らしていけるのかもしれない。 だが、私は少年院出院者として、少年院に入ったことを不幸だとは思わなかった。 「今の私に必要な時間だからここへ来たんだ」 毎晩、無機質な独房の天井を見上げてそんな風に思っていた。 しかし、私のようにポジティブに受け止められる子どもばかりではない。 今

大人にとってどんな子どもがいい子なのか

私の母は、「いい子」という言葉をよく使っていた。 「いい子にしてなさい」 「いい子になりなさい」 「いい子はこんなことしないよ」 「いい子だね」 私は承認欲求を満たすために、母の言ういい子になろうと努力してきた。 だが、残ったものは、母の満たされた心と私の満たされない心だけだ。 いい子という言葉は、子どもを殺す。 しかし、いつの時代も親は「いい子」という言葉を使うものだ。 大人の言う「いい子」とは、どんな子どもだろうか。 親の言ういい子は、(自分にとって都

少年院卒の問題児が大人に求めていたこと

今になって振り返ると、非行に走っていた頃も母や先生に求めていたことがたくさんあった。 構ってほしいという気持ちに始まり、愛してほしい、けれど放っておいてほしいという、様々な気持ちがぐちゃぐちゃになっていたように思う。 特に中学生、高校生の頃は、「自分が今なにを思っていて、どうしたい」と説明するのが難しかった。 しかし、今なら当時の思いを言葉にできる。 問題児の言葉にならなかった声を、今日言葉に変えてみよう。 言葉も支援も誘導も要らないから、そばにいてほしかった 目

教師に金銭的、精神的余裕が必要だと思う理由

少子化に伴い、介護職に勤めている方の給与や福利厚生についてよく議論されるようになった。 私は教師についても、同様に考えてほしいと思っている。 これには理由があって、お金と精神的な余裕が関係している。 金銭的余裕と精神的余裕はいつだってイコール やはり、金銭的余裕のない人間が精神的余裕を保つことは難しい。 余裕のない大人がどうなるかは、挫折を経験した方なら分かるのではないだろうか。 金銭的に余裕があり、社会的に肩書きもしっかりしてる人の家の子どもを想像してほしい。

医療少年院卒を公にしようと思った理由

自分が少年院卒であることを公にするのは、デメリットばかりだ。 私が少年院卒であることを知る人は、現実世界にほとんどいない。 人生を通して様々な経験をし少年院という場所で暮らして、生意気にも子育てや教育について口を挟みたい気持ちに駆られた。 机の上でペンを握っているだけでは分からない、実際のドロドロした部分に気付いてほしいと思ったのだ。 何事もまずは知らなければ、始まらない。 無知は罪だ。知ろうとしないことは、もっと罪だろう。 今日はそんな話をしよう。 日本の少年

少年院卒が断言する、環境と人生は絶対に関係がある

私は少年院に入ったことを、一片も後悔していない。 起こしてしまった事件に対して反省はしているが、後悔することはない。むしろ、少年院に入ったことを有難く思っている。 幼児教育において、親や周囲の環境が与える影響は大きいといわれている。 稀に「そんなの関係ない!」と言う人もいるが、言語道断だ。そういった人は、自分が恵まれていることに気付いていないだけであろう。 今日は、少年院卒として言いたいことがある。 実体験を踏まえた上で、子育てに悩む親御さんたちへ。または、人生に悩