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働きたくないので、臨床工学技士の専門学校に入学します【専攻科|教育訓練給付制度】

先日、教育訓練給付制度についての記事を書きました。

僕はこの制度を利用して、今年の4月から臨床工学技士の専門学校に入学することにしました。

もう合格通知はもらっていて、後は手続きを済ませるだけです。

この記事では、僕がなぜ臨床工学技士を目指そうと思ったのか、入学の為に準備したことなどを書いていきます。

臨床工学技士って、どんな仕事?

臨床工学技士と言われても、知らない方も多いかと思います。かくいう僕も、最近までこの職業の存在を知りませんでした。ウィキペディアでは、このように説明されています。

「臨床工学技士」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作(生命維持管理装置の先端部の身体への接続又は身体からの除去であって政令で定めるものを含む。)及び保守点検を行うことを業とする者。「生命維持管理装置」とは、人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置をいう(臨床工学技士法第2条)。(Wikipedia)

簡単にいうと、病院にある医療機器の保守点検や操作をする職業です。

1987年に臨床工学技士法が成立し、国家資格として認められました。医療職においては、比較的新しい職業です。

最近だと、新型コロナウイルスの重症患者への"最後の切り札"として利用される、人工心肺装置(ECMO)を操作する職業として注目されています。

臨床工学技士の主な就職先は病院やクリニック、医療機器メーカーになります。そのなかでも人工透析装置を操作する人材として、透析クリニックでの需要が高いようです。

臨床工学技士を目指すことにした理由

僕が臨床工学技士を目指すことにした理由ですが、不純な理由が1つあります。先にそちらを述べさせてください。

その理由は、ずばり、”働きたくない”からです。

もう少し正確に言うと、働くのに疲れたから、ちょっと休みたいという理由です。

教育訓練給付制度を利用すれば、勉強するだけで生活費が貰えるので、このほうが働くよりもいいなと思いました。

実際には、専門学校の学費の負担は生じるので、手出しのお金もあるのですが、学生としての身分を得つつ、働くことを休めて、国家資格が取得できるのなら、僕としては”アリ”だと感じました。

ただ、教育訓練給付制度に様々な訓練の選択肢があるなかで、臨床工学技士を選択したのにはちゃんとした理由があります。

・工学部卒なので、1年で資格を取得することができる

臨床工学技士には、専攻科といわれる課程が設けられている学校があり、入学資格を満たせば1年で資格を取得することが可能です。僕は大学の工学部を卒業しているので、運良くこの入学資格を満たせそうでした。他の医療系の資格が2、3年はかかることを考えるとこの点が魅力的に感じました。

参考:
看護師(3年), 准看護師(2年), 臨床検査技師(3年), 
歯科衛生士(3年), 歯科技工士(2年),
はり師(3年), きゅう師(3年), 柔道整復師(3年),
理学療法士(3年), 作業療法士(3年), 言語聴覚士(2,3年)

・機械を触るのは好きなので、適性がありそう

僕は大学の工学部を卒業していたり、前職がWeb系エンジニアだったりと、それなりに機械が身近にある環境に身を置いてきました。PCを触るのは大好きだし、機械に対して苦手意識もないので、性格にあってそうだと思いました。

・親族に医療関係者が多いので、その影響を受けた

妻が薬剤師として働いていたり、親族にも看護師など医療関係者が多いため、病院や薬局の話をよく聞いていました。その影響も多少はあるのかなと思います。また、自分自身が年齢を重ね身体的に衰えを感じはじめたので、医療に興味関心が湧いたということもあります。若い時は全く医療に興味なんてありませんでしたから。

・地方でも就職先の選択肢が多く、収入的に安定している

僕は結婚しており、地方で生活しています。前職のWeb系エンジニアで転職を考えた際、いま住んでいる地方で魅力的だと思う求人はありませんでした。魅力的な企業は、やはり東京に集中しています。その点、病院やクリニックというのは地方にも多く存在しており、業務内容や求人の条件も、東京と比較して大差ないように感じました。これは医療職種の利点だと思います。


専攻科の入学資格

先程、少し述べましたが、臨床工学専攻科には入学資格があります。この入学資格を満たしている人のみが1年で臨床工学技士の資格を取得することが可能となります。

1.  4年制大学、短期大学、看護師、診療放射線技師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・視能訓練士・義肢装具士の養成所において2年、または高等専門学校において5年以上修業していること。

2.  厚生労働大臣の指定する下記の科目を履修していること。
 (1)人文科学のうち2科目
(2)社会科学のうち2科目
(3)自然科学のうち2科目
(4)外国語
(5)保健体育
(6)公衆衛生学、解剖学、生理学、病理学、生化学、免疫学、看護学概論、保健技術学、応用数学、医用工学概論、システム工学、情報処理工学、電気工学、電子工学、物性工学、材料工学、計測工学、機械工学、放射線工学概論、臨床医学概論及び内科診断学のうち8科目
引用元

上記の1と2両方の条件をすべて満たしていることが必要となります。

ただ、こちらの条件では”履修していること”となっていますが、入学までに必要な科目を履修する見込みであれば問題ありません。

僕も履修見込みで受験して、合格をいただきました。

もちろん、見込みで受験して、必要な科目を取得できなかった場合は、入学取消となりますので気をつけてください。

専攻科の入学資格はどの学校も同様ですが、必要な単位の判定については、入学を希望している学校に直接問い合わせましょう。

出身大学等によって科目名などが異なるので、自身での判断は難しく、判断ミスの危険があります。

学校に問い合わせたら、丁寧に教えていただけるので、入学希望者の方は必ず問い合わせるようにしてください。

※この記事の有料部分に、僕の卒業した大学での取得単位と専攻科に入学するために通信制の大学で新しく取得した単位を公開しています。

入学試験の内容

僕は専門学校を受験するのは、はじめてだったため、どのような試験が行われるのか、難易度はどの程度なのか全くわかりませんでした。当初は、面接だけの社会人入試を受験しようと考えていたのですが、必要単位が”履修見込み”だと、社会人枠では受験できないと言われてしまい、一般入試を受験することになりました。

僕が受験した学校の一般入試では、数学と解剖生理学の学力試験が課されていました。

必要な単位の判定などで、連絡させていただいていた学校側の担当者によれば、簡単な問題なので大卒者であれば問題なく解けると思いますよとのことでしたが、学力試験なんて久しぶりで、解剖生理学(当初は、解剖生理学がどういう内容なのかも分かっていなかった...)に至っては、入学資格を満たすために、通信制の大学で直前に履修していただけだったので、物凄く不安でした。

ネットで情報を集めても、臨床工学専攻科の受験情報は、ほとんど出てこず、また専門学校のなかでも、医療系の専門学校は入試で落ちるといった情報を目にして不安になっていました。

とりあえず、過去問を受験する学校から郵送してもらい対策をすることにしました。過去問が1年間分しかなかったのと、対策できる期間が1週間程度しかなかったので、十分な対策はできなかったのですが、なんとか合格できて、ほっとしました。

僕が受験した学校のものになりますが、これから専攻科の受験を考えている方の参考になるように入学試験の出題範囲を記載します。

数学
1. 高校数学Ⅰ
・【数と式】因数分解、一次方程式、不等式、平方根 など
・【二次関数】二次関数とグラフ など
・【三角比】三角比の利用、正弦定理、余弦定理 など
・【確率】場合の数と確率、条件付き確率 など
2. 高校数学Ⅱ
・【方程式・式と証明】虚数単位、複素数、高次式の因数分解、2次方程式の解の公式 など
・【いろいろな関数】
 ・(三角関数) 加法定理、一般角と弧度法 など
 ・(指数関数) 累乗根とその性質、指数法則、分数の指数 など
 ・(対数関数) 指数と対数の関係、常用対数の計算 など
解剖生理学
1. 循環器系
・心臓の解剖生理
・ 心臓の機能 心拍出量、刺激伝達系 など
・ 脈管系 血管の分布 など
2. 呼吸器系
・肺、気管支の解剖生理
・肺の機能 換気、酸素分圧、ガス交換、酸・塩基平衡 など
3. 代謝分野
・肝臓の解剖生理
・ 肝臓の機能 尿の生成と排出、酸・塩基平衡 など
4. 血液と体液
・血液の組成、体液の分布、組成 など
5. 内分泌
・内分秘腺、ホルモンによる調整、産出臓器、器官 など
6. 神経系
・自立神経系、神経細胞における活動電位 など

出題問題数としては数学が4〜6問で、解剖生理学が10〜20問程度となっており、解剖生理学にウェイトが置かれているように感じました。

試験時間は30分間です。

当初は解剖生理学が解けるか不安を感じていましたが、実際の入試本番では、解剖生理学の問題の方が解けました。

理由としては数学の出題数は少ないわりに、網羅すべき範囲が広かったので、対策期間が7日間しかなった僕は、解剖生理学を重点的に対策したからです。

また、解剖生理学の問題が、語群から選択する穴埋め式の問題だったこともあります。

※この記事の有料部分に、僕が受験した専攻科の実際の過去問と覚えている範囲の入試本番の問題を公開しています。


おわりに

なんとか希望通りに、臨床工学専攻科へ入学できることが決まって、ほっとしています。

これで4月以降も安心して生きていけそうです。

雇用保険のお金をいただいて得た機会ですので、無駄にしないように全力で学業を満喫しようと思います。

また、臨床工学専攻科での情報も今後、発信していく予定ですので興味がある方はフォローよろしくお願いします。


有料部分のコンテンツについて

できれば知識の共有のため、全公開したいのですが、内容的に個人を特定できてしまう情報になるため一部有料公開とさせていただきます。

有料部分の内容は下記になります。

1. 僕の卒業した大学での成績証明書
2. 通信制大学で取得した単位の履修科目証明書(注1)
3. 受験した専門学校の過去問(数学、解剖生理学)
   →解剖生理学については、僕の解答も記載(注2)
4. 入試本番で、出題された問題を覚えている範囲で(注3)
5. 本番の面接で聞かれた質問内容

(注1)専攻科入学資格を得るために、新しく通信制大学で取得した単位一覧になります。
(注2)あくまで僕の解答であり、正答については保証できません。
(注3)入試本番の問題等は、試験終了後に回収されたので、記憶している問題のみになります。問題の言葉の表現も曖昧かつ数問のみになりますので、あまり期待はしないでください。

臨床工学専攻科の受験に興味があり、内容に納得できる方のみ購入をお願いいたします。

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