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ふわふわ言葉とチクチク言葉

先生方いつもありがとうございます

息子を保育園に預けに行くと、入り口で先生方が迎えてくれます。コロナ前は息子の部屋に行き、着替えやおむつなどを準備して、みんながいる部屋まで行って預けていました。それが今では、荷物も子どもも入り口で先生にお願いする形です。本当に頭が下がります。感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、そんな先生の中に会うといつも子どものできることを伝えてくださる先生がいらっしゃいます。2歳の息子はもうすぐ3歳になるのですが、成長が遅いです。やっと3語しゃべるかなーってくらいです。順番待ちが一番苦手で、我慢ができません。保育園でも同じでたまに見かけると、いつも先生の膝の上にいます。

発達が遅く、私たち夫婦がそれを心配していることも先生方には伝えています。だからだとは思いますが、毎回「こんなことができましたよ。」と教えてくださいます。先生からそう言ってくださることはとても嬉しく、子どもに優しくしようと思うし、こちらもできることをもっとやってみようという前向きな気持ちになります。先生の言葉ってすごいなと思います。

保護者の皆様ありがとうございます

一方で、私は小学校教員でもあります。つまり、担任している子の先生でもあります。小学校は送り迎えがないので保護者とそんなに頻繁にお会いしませんが、個人懇談などでお話をする機会があります。

そんなとき、私は子どものクラスでの様子や学習の状況について話しますが、保護者からありがたいことに「先生の授業は面白いって言っています」とか「先生のことが好きで、よく家でも話してきます」「来年も先生がいいと言っています」などと言ってくださるときがあります。

保護者の方からすると、何気ない一言だったのかもしれません。お世辞を言ってくださったのかもしれません。しかし、その一言で私はその日が楽しくなったのは事実です。言葉の力は本当に大きいものです。

子どもだって同じです。子どもにとって関わる大人は、先生か親御さんです。自分を教育してくれる先生や親御さんの言葉の力はやはり子どもにとっては大きいです。

ふわふわ言葉とチクチク言葉

褒められたり認められるとうれしくなるものです。言われてうれしくなる言葉を学校では「ふわふわ言葉」と表現されます。言われるともっとがんばろうと思いますし、相手にもお返ししようと思います。心のこもっている言葉なら、もうその一日は最高の気分で過ごせます。

心のこもっていない誉め言葉もあります。社交辞令やお世辞と言われますが、仮に心が伴っていなくても、これらの言葉はコミュニケーションの潤滑油となります。少なくともマイナスにはなりません。

一方、言われて嫌な言葉もあります。「死ね」「消えろ」「バカ」などです。学校では、「チクチク言葉」と表現されます。これらの言葉は心がこもっていてもこもっていなくてもやはり傷つきます。「ちょっと勢いで言っただけ」「軽くいじっただけ」と言った場合でも同じです。

さらにやっかいなのが、言った側にはそんなに悪い気持ちがないことです。本気で嫌な場合、きっと直接相手には言いません。関わるのも嫌なので、本人がいないところで言うはずです。つまり、相手に言う場合というのは、言った側にはそんなに悪い気をもっていない場合が多いのです。悪いと思っていないから、何回も言ったり周りの人を巻き込みながら言ったりします。

事実はふわふわ?チクチク?

誉め言葉はふわふわ言葉です。悪口はチクチク言葉です。それはわかりやすいです。では、事実はどちらでしょう。

100点だった子に対して、「100点だったね」というのは事実です。
0点だった子に対して、「0点だったね」というのも事実です。

事実は、ふわふわでもなければ、チクチクでもないように思えます。そこに主観はないのですから。しかし、きっと「100点だったね」という言葉はふわふわ言葉になりやすいし、「0点だったね」はチクチク言葉になりやすいです。

つまり、ふわふわかチクチクかは言葉自体ではなく相手がどう感じるかという要素もあります。相手のことを考えて言葉というのは使わなくてはいけません。特に言葉の影響が強い相手に対してはなおのことです。政治家や芸能人の失言があそこまで、取り上げられるのは多くの人に影響があるからです。

先生から保護者への言葉。保護者から先生への言葉。先生や保護者から子どもへの言葉。毎日たくさん使う「言葉」ですが、相手がどう感じるのかを配慮しながら発言をしていくことが大切だと思います。お互いに相手を思いやる優しい世界になることを心から願っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。素敵な一日をお過ごしください。


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