見出し画像

不毛すぎる戦い 芸人VSユーチューバー

「テレビで芸人が(ユーチューバーとなった)宮迫をディスっとけば、どっちに転んでも面白くなる」と思っているらしいのは、芸人の勘違いだね。
(なんかそういう光景が、最近あったらしい)

っていうか、いまだにユーチューバーをバカにするような発言をテレビでする芸人がいるでしょう。イジリとかじゃなくて、完全にバカにしてる。
この傾向、4、5年前ならともかく、新型コロナ禍で芸人がユーチューブに大量流入した後も、あまり変わってない。
ユーチューブをまったくやっていないならともかく、やっている芸人もいまだに「ユーチューバーから出てきた人たち」をバカにしてる。

芸人がユーチューバーつまんないとか、ユーチューバーのヒカルが芸人にバカにされたと発言するという小競り合いが、テレビと「ネット動画」というメディアの代理戦争だっていうことは、テレビではだれも言わないんだもんな。
それで、楽屋弁当の話ばかりしてる(笑)。

もうやめろよ楽屋弁当の話は!!
視聴者だって、わざわざ食べようと思うヤツはいないよ。どこで売ってるかもはっきりしないし。

あと「事務所を辞めたから先輩じゃない」、「芸が認められないから先輩じゃない」という言い方をする芸人もいるが、理屈がよくわからない。

「どんなにつまらなかろうが、人格的に尊敬できなかろうが、先輩は先輩で、最低限、立てないといけない」からこそ、縦社会は意味がある。

「あいつは尊敬できないから先輩じゃない、あいつは尊敬できるから先輩」とか言うなら、もう縦社会はやめればいい。

明日から、先輩だろうと大御所だろうと、売れっ子若手芸人なら、呼び捨てで肩でも組めばいいんじゃないですか?

(もちろん職場でも学校でも「ろくでもない先輩」が存在することはじゅうぶんすぎるほど知っているが、「あの先輩は嫌い」と言うのと「あの先輩は先輩じゃない、先輩と認めてない」というのは表現上、まったく意味が違う。)

要するに「許せない、嫌いな、ロクでもない先輩」は存在するが、

「ロクでもないから先輩じゃない」という理屈は通らない。

後はもうテレビ界で、コンプラの関係なのか何なのか、すでにテレビに出ていない宮迫くらいしか、噛みついていい存在がいなくなってしまったのだろう(あと、よくTKOがオモチャにされてたね)。

根本的なことを言えば、もはやテレビの芸人が宮迫をディスってもユーチューバーをディスってもひとつも面白くないし、芸人もユーチューバーも好きで楽しんでいる一般人が大勢いる中で、芸人VSユーチューバーという対立構造自体がお寒いというか……。

よく「Z世代にハマろう」みたいな企画がテレビ番組にあるが、芸人もユーチューバーも大好き、というZ世代は多いはずだろう。
それが口を極めて芸人がユーチューバーをけなしていたら、Z世代がついてくるわけないだろ。

80年代にどんなに歌がうまくて人気の演歌歌手がいても「ロックなんて音楽じゃない」って断言したら、当時の若者が付いてくると思いますか。それとおんなじだよ。
というか、今の芸人はZ世代にウケようなんて、ハナっから思っていないんだろうね。

とにかく視聴者にとっては、芸人だから、ミュージシャンだから、俳優だから、ユーチューバーだから、インフルエンサーだから、みたいな区別はないんですよ。
それらにこだわっているのは当人たちだけ。

他人の共感できないこだわりほどどうでもいいことってないから、早くそういうのはやめた方がいいよなぁ。

おしまい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?