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君はゲームも、が? できる電卓

 初代ゲーム電卓は親戚のお兄さんが持っていて、見せてくれました。

 右から左へ数字が流れてきて、迫る数値に合う数をボタンを押して合わせて消して──なのですが、ビジュアル的には数字の羅列でしかないので、幼児の私が見てもいったい何をしているのかよくわかりません(※1)。

 そんな理由で初代ゲーム電卓はあまり興味を持てませんでした。

 友人のSさんが持っていたのはボクシングのゲーム電卓で、こちらは液晶画面に明確にボクサーが表示されているので、見た目も「ゲーム!」です。
 お、面白そう!

 しかし、実はそのゲーム電卓はSさんのお父さんの物で、私は触れさせてもらえず、ただSさんが遊んでいるゲーム画面を見せられているだけ。
 お、面白そう……。

 後に電気屋の試遊機としてビニール袋に入った状態のボクシングゲームがプレイできました。
 私の中で期待値を上げすぎたせいか実際に遊んでみると「あ、うん、ボクシングだね……」とそれほどテンションは上がりません。

 画面の三分の二をゲーム画面に使い、数字は小さく上部に表示されているのですが、「電卓なのに数字はこんなに小さくていいの?」と子供ながらに少し本末転倒感を覚えたものです。


※1 数十年後、復刻版が出ました。改めて遊んでみると結構面白いです。

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