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たった一度の吸血鬼退治 [ドラキュラハンター]

 あの日は、親戚に連れられて旅行に行きました。
 旅行先の場所も忘れてしまいましたが、強烈に覚えているのが
 旅館の遊技コーナーにある見慣れないTVゲーム。

 『ドラキュラハンター』(※1)
 1プレイ100円。
 当時の私にとって100円は大金。
 でも旅先のテンションでは子供といえど金銭感覚が多少は麻痺します。
 いつもなら遊んでいる人のプレイを凝視してゲームのルールやコツを掴もうと努力はするのですが、誰もプレイしていません。
  
 なにも予習をしないで、1回だけ、100円だけど1回だけプレイ。

Dracula Hunter (TEKNON KOGYO)

 ブーメランのような軌道の弾(十字架)が敵にあたらない(※2)。
 敵も自分ものんびりした動きなのに、コウモリだけ図抜けた速さで突っ込んでくる。
 ──と、なんだかよくわからないままプレイは終了。

 「地元で見かけたら、もう一度遊んでみよう」と思いその場を後にしました。
 まさかそれ以降、今日にいたるまで一度も目にすることはないゲームになるとは……。

 ネットで検索して数少ない動画や画像を見ると、洋館の絵は細かいですし、画面下の美女(※3)は恐怖で荒い息なのか腹部がアニメーションしていたり、なかなか凝っていたんですね。
 なのに面が進むと攻略が「洋館の扉が開いたところに弾を撃ち込む」一点になってしまうようで。

 いくら進んでもステージは何もないフィールドに敵が増えるだけなので、いっそ敵の数を減らしてでもステージ上にランダムでお墓とか木などの障害物が設置されれば、攻略の幅が拡がったかもしれませんね。


※1 『ゲームセンターあらし』で有名なゲームですね。
※2 おそらく通行人とドラキュラの区別がつかず、通行人に撃っていたと思われます。
※3 ティアラをしているのでお姫様かと……。

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