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実写版アラジンの感想~2回観たくなる秘密~

話題の映画、アラジンを2回観た。
めったに映画を見ない私が、短期間で2回観てしまったほどのアラジンの魅力について、書いておく。

舞台は中東かアフリカのとある国だ。
まず思うことは、画面が美しい。
キャラクターが身につけているものや、路地の洗濯物なんかもカラフルで、賑やかな画面が楽しめる。

目の覚めるような黄色、宝石のようなターコイズ、艶やかなショッキングピンク。
日本ではあまり見ないような、原色に近い色使いだ。

そして、なにより海が美しい。
地中海なのか黒海なのかわからないが、日本の海とはまた違った、緑がかった水色だ。
海が画面に出ると、吸い込まれるように見入ってしまった。
いつか本物を間近で見たい。

また、キャラクターも魅力的だ。
みんな、アニメのキャラクターを人間が演じているだけでなく、人間くさい深みのあるキャラクターになっている。

アラジンの優しさや寂しさは彼のある種の平凡さを示し、私の共感を呼ぶ。
ジャファーの一音ずつはっきりと発音する独特な喋り方は邪悪さを際立たせているし、ジーニーのテンションの高さには思わず笑ってしまう。
ジャスミンとダリアの掛け合いは、女子同士の交友といった感じで、見ていると和む。

でも、なにより素敵なのは、ジャスミンのふるまいだろう。
ジャスミンは王女で、王になりたいと思っている。
しかし、周囲からは「女なんだからなれっこない」「女には美しさがあればいい」と言われている。

だけどジャスミンは諦めない。
敵に捕まっても、気丈に声を上げる。

もう黙らない
私の口をふさげるものなら、やってみろ

ジャスミンが歌うシーンで、”長い間せき止められてきた女達の声が集まって、大きな力になった”ように感じた。
ずっと昔から受け継がれてきたものが、とうとう私たちの世代で大きなうねりとして現れたのだと。

ジャスミンは自立した、1人の人間として描かれている。
これまでのプリンセスって、男性に守られる存在でしかなかった。
そして、ディズニーではないけれど、物語の中の「強い女性」は「男」を演じていたり、かわいさで強さを包んで見えないようにしていたりすることが多かった。

ジャスミンは、女が女のまま、自分の道を切り開けることを示してくれた。
男を演じて女らしさを消したり、かわいらしさで油断させたりしなくていい。
もちろん、女というだけで黙らなくていい。
私たちはただ1人の人間で、望めば地位や力を手に入れられるのだと。

私は普段から「自立した女性」と「男らしい女性」や「男性への過剰な嫌悪」が一括りにされがちなことに常々疑問を抱いているので、ジャスミンの姿はその疑問への1つの解答になった。
私たちは、ありのまま、自分がほしいものを手に入れることができる。

これがディズニーで描かれることに、きっと大きな価値がある。
こんな女性像を見て育つ子どもたちが作る世界がどんな風になるか、楽しみだ。
もちろん、私たちがどんな世界を作っていくのかも。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。