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安全作業について思うこと...

フリーランスの庭師です。

早12月。今年も終わりに近づいてますね。

外仕事をしていて思うのは、今年は事故が多かったということ。私の周りで大きな事故はありませんでしたが、聞こえてくるニュースの数が例年に比べてとても多かった気がします。

造園業は個人邸を含む民間の仕事ばかりをしている訳ではありません。多くの植木屋が公共の仕事やゼネコンの仕事などに携わっています。(民間の仕事のみの植木屋もあります。)

役所やゼネコンの現場は安全に関するルールはとても厳しいです。職人が怪我をしないよう配慮しているのは勿論ですが、現場で事故が起こると安全基準監督署から厳しいオトガメが来るので仕方ないかもしれません。状況によっては現場が全面ストップし、工期に大きな影響を及ぼすこともあります。

従って如何なる作業に於いてもヘルメット装着は必須、真夏の酷暑の日でも長袖長ズボンは必須。作業内容によっては防護服やゴーグルやマスクも必須です。

安全対策は必要ですし、しておくに越したことはありません。ですが、何でもかんでも義務付けるのはどうかと思います。

気温36℃を越える夏日に、公園の花壇に花を植える作業にヘルメットは必要でしょうか?

空からの落下物なんて鳥の糞くらいな物です。熱中症対策として日除けのためなら麦わら帽子の方がよほど効果が高いです。

役所やゼネコンは細かなルールを策定するのが大変だから、『如何なる現場でも如何なる作業でも全て装着』という義務を負わせるのでしょうか。

もちろん業者側に問題があるのも事実です。安全面に限らず法律やルールを守らない業者もいます。素行の悪い頭の悪い職人 (そういう輩は真の職人とは思わない) もいます。そういった業者や職人が事故を起こすことで、新たなルールが増えていってしまうのです。

なので、安全のルールが厳しいのも仕方のないことだと言えますが、もう少し柔軟な対応をして欲しいと思ってしまいます。


個人の事故 (怪我) の場合は少し話が異なります。

長袖長ズボン、ヘルメットを被っていたのに怪我をすることもあります。ヘルメットを被っていても、足元のロープに気づかず躓いて転んで骨折なんてこともあるわけです。これはもう個人の問題です。

物理的に安全対策を取ることは大切ですが、もっと大切なことは個々人の安全に対する心構えだと思います。

〖1.怪我をしないように作業に集中すること〗

私が怪我をする率が高い時間帯が14時30分頃です。朝からの作業で疲労も蓄積してきた頃で、3時休憩まであと少しという時間帯です。一番集中力が落ちる時間帯だと思います。なので、この時間帯は特に注意を払っています。

〖2.自分の力量を把握しておくこと〗

仕事柄、無理をしなければならない場合も多々あります。登った木の枝の先の方で伐らなければならない場合などです。

自分の力量が分かっていれば、枝先のどこまで行けるかは分かります。新人~三年目位の職人が怪我をするのは、この見極めが出来ていないことが多いからだと思います。これは経験が物を言うので日々鍛錬しかありませんが、自分の力量を客観的に把握しておくことが事故防止に繋がると思います。

〖3.仕事に於ける知識を蓄えること〗

樹木によって折れやすい木、折れにくい木があります。また、季節によっても折れやすさが変わります。(水分を蓄えているのか?休眠期なのか?)その性質を知っていれば、作業でどこまで無理ができるのかを知ることができます。これも事故防止に繋がります。

〖4.無理をしない〗

最終的にはこれに尽きます。命あっての物種ですから。


誰も怪我をしたいと思わないでしょう。ですが、注意を怠ると怪我をします。私のようにフリーランスだと怪我をして仕事を休むとお金が入ってきません。また会社員も会社や仲間に迷惑を掛けます。

難しいところですが、作業効率、納期、そして安全のバランスを見極めるのが卓越したプロなのでしょう。


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