私のプッシーハット

3/8の国際女性デーに開催されるウィメンズマーチに参加しようとしていた数日前から、プッシーハットのことを考えていた。

実は、去年トランプ氏の発言をきっかけにプッシーハットの輪が広がる(詳しくは→「プッシー」を公用語にした反トランプデモ(現地ルポ))さらに前、私はそれによく似た形の帽子を編んでいたのだ。しかし、水色で。

編んだ時は運動的な意味合いは全くなく、以前、猫耳のようなとんがりのある可愛い帽子をかぶっていた人が「四角く袋状に編めばこういう帽子ができるよ」と教えてくれたのがきっかけだった。

ところが、出来上がったその水色の毛糸帽をかぶって道を歩いていた時、居酒屋から出てきた酔っ払いの男性2人組に絡まれた。

絡まれたと言っても、囃し立てられただけで近づいてきたり触ってくるようなそぶりはなかったけれど、

「なんだそんな帽子かぶって」「ブス」「なんで雨でもないのに傘持ってんだ(その日雪の予報だったからだけど…)」

無視して通り過ぎた背中をせせら笑うおじさんたちに、数メートル先まで行った、たぶん追いかけては来れないかなという距離のところで振り向いて「うるせー!」と叫んだら、ちょっと動揺していた。(危ないので真似しないでください笑)

でもその後、なんとなくこの帽子をかぶることはなくなってしまった。まあ、作ってみたら耳の部分が大きくなりすぎて、自分の想定してた以上に個性的な帽子になってしまったのもあるんだけど…

で、去年の国際女性デーでプッシーハットのことを知り、「あーあの時の猫耳帽子、形はそっくりなんだけど、色は違う…」と時々思い返して、今年はどうしようかなあと思案していて。

とまあ、そんなわけで……塗りました!


ポスカで!笑
ピンクの布をかぶせるとか、色々考えたんだけど、時間がなかったので塗りで。

ポスカは洗ったらたぶんほぼ色落ちてしまうと思うので、後日また布用の絵の具かペンで塗ろうかなと。
しかも、裏返せば元の水色帽子としても使えるし!と思って裏返してかぶってみたら、編んでた当初想定していたちょうど良い猫耳具合になっていて、なんだこの手があったかと今更気付いた。

ちょうど女性デーの前日、男性も含めたメンバーで国際女性デーやジェンダー平等について話し合う機会があった。
そこで「女性が夜道を歩くのが怖いと言ったら、お化け信じてるの?と返す男性がいるんだって」(あのとき女性に失礼した話 と話したら、一人の男性が「確かに自分は夜道を歩いている時、人に襲われることよりお化けが怖いな、と感じる」と。他の女性メンバーは、「なんで〜!?」とびっくり。

男性だって刃物を持って襲われたら危険なのに、なんで男性はこんなにも危機感を持たずにいられるのか?と考えていくうちに、それは、女性の方がターゲットにされやすいからじゃないかな?という見解になっていった。
確かに一般的には、男性より力の弱い女性は多いだろうけれど、男性だっていきなり襲われたら危険なのは同じ。
女性は、「か弱くて男性に守ってもらわなきゃいけない存在だから」じゃなく、単に「ターゲットにされやすいから」という理由で夜道を恐れなきゃならない。

帽子をかぶってておじさんたちに絡まれたことも、ほとんど忘れていたんだけど、帽子をピンクに塗っているうちに、なぜかふと、思い出した。

私がどんな格好をしていようと、どんな容姿をしていようと、からかわれたり嫌がらせにあったりしない権利があることを象徴するものとして、まさにこれは、私のプッシーハットじゃないか、と感じる。

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