宇井彩野

ADHD・セクシャルマイノリティ当事者/労働問題に草の根的にかかわる活動をしています。…

宇井彩野

ADHD・セクシャルマイノリティ当事者/労働問題に草の根的にかかわる活動をしています。いつもごちゃごちゃしている頭の中を少しずつ表せたら。

マガジン

  • 33歳日記

  • 「見られる用文化」のはざまで

    連載「見られる用文化」のはざまで 女性として生まれたその時から「女の子は見られる用」とされる社会通念・現象・習慣について考察し語った全10回のコラムです。

  • プリキュアの「お!」って思う話

  • 32歳日記

最近の記事

「差別ってなんだろう?」(2019.6.8 JOC連続講座)

これは、JOCカトリック青年労働者連盟の連続講座として行ったワークショップの内容を記事にしたものです。 講座用に作成したものですが、こうして記事にしてより多くの人にシェアしようと思った理由は、昨今のさまざまなニュースや論争の中で、差別に関して気になる話題がつきないことにあります。 「差別だと騒ぐより自己解決したらいいのに」と運動を揶揄する言葉、「差別者よばわりされた」と怒りを抱く人たち、「差別の意図はありませんでした」という謝罪の文句。 これらに違和感を持つ人も、そうでな

    • 「見られる用文化」のはざまで⑩ーどの人も美しい顔を持っている

      世の中には、女性を蔑めようとするときに「ブス」と言えばいいと思っている人が存在します。 男性だけじゃなく、女性にもいるし、子どもでさえその感覚を身につけていたりします。 最近、そういう人の言動を目撃した時に、ふと私の心に浮かんだ言葉がありました。 「人の顔をそんなふうに見るのは不幸なことだな。私は私の友達みんなの顔をそれぞれに美しいと思う」 私自身もその思いがふいに浮かんできて、その時初めて、人の顔を世間的な美醜のジャッジに関係なく「みんなそれぞれに美しい」と感じること

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      • 教会嫌いの戸惑い

        宇井さんは実は、こんなんでもカトリックのクリスチャンだったりします。 といっても赤ちゃんの頃に親の意志で洗礼を受けた、いわゆるボンクリ=ボーンクリスチャンというやつなんですが。 子どもの頃は、日曜日は教会に行き、でも教会の同年代の子が意地悪であまり親しめず、中高生になって部活が忙しくなってからは全然教会に行かなくなった、わりとありがちなボンクリパターン。 聖書に書いてあることは、わけのわからないところも多かったけれど、わりといいなと思う部分もあって、特に「カネや権力を持っ

        • 「見られる用文化」のはざまで⑨ーまーちゃん

          まーちゃんがすごいです。 …っていきなり言われても、「まーちゃんって誰ですか?」って感じですよね。モーニング娘。'19のメンバー佐藤優樹(さとうまさき)ちゃんのことです。 と言われて、「最近話題のあの子か!」とピンと来た人もいるかもしれません。話題というのはこちらの一件です。 この佐藤優樹さんの発言について、ざっと見たところモーニング娘。ファンの方々にもおおむね好意的に受け止められているようですが、世間には「水着グラビアをやっている他のアイドルを馬鹿にするのか」とか「プ

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        「差別ってなんだろう?」(2019.6.8 JOC連続講座)

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        • 「見られる用文化」のはざまで
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        • プリキュアの「お!」って思う話
          2本
        • 32歳日記
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        記事

          「見られる用文化」のはざまで⑧ーなぜ女同士はいがみ合っているとされるのか

          「女同士はドロドロしている」 本当に生きていてめちゃくちゃ言われます、この言葉。私自身はそういう経験がほとんどないので、一体なんのことを言われているのかわからなくて、苦笑いするしかできない言葉です。 ロフトのバレンタイン広告が悪い意味で話題になっていますね。 「女の子って楽しい!」というコピーを銘打ちながら、足を引っ張り合い、マウントを取り合う女性同士を描写する広告。 批判的な声が多く、2月4日にはロフトが謝罪して広告を取り下げる事態となりました。 また「ご

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          【マシュマロの質問】ハラスメントにならない告白の方法

          長めの回答になったので、マシュマロの質問にこちらで答えます。 この質問に答えるのに、かなり悩みました。とても難しい状況の片想いで、質問者さんの悩みも深いことと思います。 私は兄弟・姉妹で恋愛関係になることが、必ずしも批判されるべきことではないと考えています。 しかし、一点気になったところがあります。 「妹が大人になったら、出来れば交際したいです。」 この一文です。 仮に近親者でなかったと想定して考えてみても、成人している年長者が、両想いかどうかを確認していない未成年

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          「見られる用文化」のはざまで⑦番外編ー女の子と友達になれるのは誰か

          今回は番外編として、「女の子と友達になれるのは誰か」というテーマで書きたいと思います。 これまでこの連載シリーズでは、「女性は見られる用の存在であるべき」とする「見られる用文化」がこの社会に存在している、という話をしてきました。 生まれて「女の子」と呼ばれた瞬間から、人としてではなく「女」として扱われる瞬間が、折にふれ訪れます。 物心つくかという頃から、「女の子は人目を気にするべき」と教えられると同時に、「人目を気にしている」ことを「やっぱり女だ」「女は面倒くさい」と

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          岡井千聖は現代の寅さんだった

          最近「見られる用文化」の記事を連投していましたが、今回はちょっと箸休め的な記事を。 この年始にフジテレビで放送された「BACK TO SCHOOL!」という番組の感想です。 私はもともとハロプロの中で最も好きなグループが°C-uteであり、°C-uteの中の一推しメンバーが岡井千聖さんだったので、°C-ute解散後も岡井ちゃんがテレビで活躍してくれているのをいつも嬉しく拝見しているのですが、その中でもこの番組の岡井ちゃんは、珠玉の素晴らしさでした。 これから

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          岡井千聖は現代の寅さんだった

          「見られる用文化」のはざまで⑥ーアイドルは「見られる用」にならなくていい

          ショッキングなニュースがありました。アイドルグループNGT48のメンバー、山口真帆さんが暴行被害にあった事件のことです。 アイドル活動をしているために被害に遭った女性がいるということ自体、近年繰り返し起こっていることですが、痛ましくショッキングです。 しかし今回はそれだけでなく、運営が事実を隠蔽し然るべき対処をしなかったために、被害者である山口さん本人がリークせざるを得なかったという事態が、より衝撃を与えています。 その上、1月10日の公演では、被害に遭った本人がステージ

          「見られる用文化」のはざまで⑥ーアイドルは「見られる用」にならなくていい

          見られる用文化のはざまで⑤-Aマッソ(後編)

          あまりに長くなってしまったので、前後編に分けました(笑) 前編はこちら。 Aマッソの摩擦とジレンマ Aマッソの笑いは、ほとんど「女の領域」とされる容姿やエイジズム、ファッション、恋愛などとまったく関係なく展開されている…ということを前編までで語ったわけですが。 しかしおそらく、彼女たち自身は、狙ってそれをしているわけではなく、好きなお笑いを追求してきた結果現在のスタイルになった部分が大きいのではないかと思います。 ある時加納さんがネットラジオで、お笑い界全体の女性芸人

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          見られる用文化のはざまで⑤-Aマッソ(後編)

          見られる用文化のはざまで④ーAマッソ(前編)

          はい。今回のテーマ、Aマッソです。前回までの連載からいきなり話がぶっ飛びますが、私が今大好きな女性お笑いコンビです。 単純に大好きというのもあるのですが、すごくこの人たちについて、ジェンダーの観点から語りたいことがふつふつと湧き上がっています。 そもそもお笑いの世界とは、「女性は見られる用であるべき」とする「見られる用文化」と、とても複雑な関係にある世界だと思います。 さておき、まずはAマッソのお2人を紹介します。 加納愛子さん(主にツッコミ担当) 同志社大中退の

          見られる用文化のはざまで④ーAマッソ(前編)

          「見られる用文化」のはざまで③―本当に「わたしは、私」か?

          書きかけの記事があったのですが、女性の「見られる用文化」に関わることで、正月早々気になるトピックスが浮上したので、そちらを先に書きます。 最近話題の西武・そごうの広告です。 すでに出ているいくつかのわかりやすい批判を紹介します。 このことに関して、「見られる用文化」の観点から考えるとどういうことになるだろう?と考えていました。 すると、こんな言葉が頭に浮かんできました。 「その私、本当に私か?」 顔にパイを投げつけられても微笑んで、毅然と「わたしは、私」

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          「見られる用文化」のはざまで③―本当に「わたしは、私」…

          「見られる用文化」のはざまで②ー「男まさり」な少女時代

          連続コラム『「見られる用文化」のはざまで』の第2回です。(→前回記事はこちら) 前回「見られる用文化」という言葉を提唱したい!と息巻いてましたが、よく考えたら同じ意味の用語が社会学とかフェミニズムの分野にはすでにあるかもしれません。 まあでももっと勉強していく先に「私はこのことが言いたかったんだあ!」というアハ体験があっても、それはそれで良いんでないかと思って恥を覚悟で書いてまいります。 今回は、さまざまな様相で世の中に現れる「見られる用文化」について語るにおいて

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          「見られる用文化」のはざまで②ー「男まさり」な少女時代

          「見られる用文化」のはざまで

          「見られる用文化」 という言葉を提唱したいと思いまして。 こういうことを考え始めたきっかけは、以前の記事に一度書きました。 「見られる用じゃない」、ただの自分になる しかしその後も、考えれば考えるほどに、世の女性が直面させられているジェンダー問題の根っこには、ほぼこの「見られる用文化」の問題がある気がしてきたのです。 「見られる用文化」とはなんぞや?ということを説明するにあたり、まずはこの画像を見ていただきたいと思います。 これは、以前ジェンダーに関する勉強会をし

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          「見られる用文化」のはざまで

          『おっさんずラブ』のテーマは「おっさん恋愛問題」だったかもしれない

          遅ればせながら、『おっさんずラブ』全7話をAmazonプライムでとうとう観てしまいました。 同性愛を描きつつ、それが上司の「おっさん」から部下に強引に迫るという形で描かれるという前情報で、警戒した当事者も多かった本作。 フタを開けてみれば若いイケメン同士のボーイズラブをメインに視聴者が大いにハラハラし盛り上がった作品でした。 このドラマのタイトルがなぜ『おっさんずラブ』なのか、たしかに武蔵は重要なキャラクターではあるけれど、なんだかしっくり来ないように私には感じられまし

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          『おっさんずラブ』のテーマは「おっさん恋愛問題」だった…

          Dearウエンツ瑛士さん

          まずはウエンツ瑛士さん、10月8日、33歳のお誕生日おめでとうございます! …と、わたくしが以前からめちゃめちゃにWaTファンでウエンツさんファンなのは、Twitterとかいろんなところでウエンツさんの話ばかりしているので多くの人は「ハイハイ知ってる」という感じでしょう(笑) 10月初旬にイギリス留学に旅立ったウエンツさん。 ここで「ウエンツさん愛」について語ることがあろうとは思っていませんでしたが、その決断のあまりの清廉さに感銘を受けてしまい、今年のウエンツさんの誕生日

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