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幼なじみ(連載小説)

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幼なじみ(白い車)

いつの頃か彼女の部屋の前に

白い車が止まるようになっていた。

深夜勤務明けの空がぼんやりと明るく照らされる頃

彼女の部屋の明かりが消える。

白い車が鈍いエンジン音を響かせ街に走りゆく。

すれ違う車の中で、僕は疲れた体と共に家へと向かう。

幼なじみ(夜更け)

3交代勤務で動かしている工場帰り

彼女(幼馴染)の工場に隣接する大きな日本家屋を

運転席から横目で見ながら

彼女の部屋の灯りが点いているを

なぜだか、確認している自分に

理由もなく少し笑っていた。

幼なじみ(工場)

織物工場へ行く道には

何軒もの織物工場が並んで建っていた。

その工場のひとつに幼稚園から高校卒業まで

一緒に通った幼馴染の女の子の工場もあった。

幼なじみ

幼なじみ

たぶん、僕は誰と結婚しても

それなりに上手く暮らしていけるんじゃないかと思っていた。

そう思いながらも

親を捨てることも出来ず、海に沈む夕日を時々車のフロントガラス越しに

見ながら高校卒業後、学校の推薦で入った織物工場で働いていた。