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MARS PANTECHNICOシリーズとは?〜staedtlerの芯ホルダーについて〜

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↓STAEDTLER MARS PANTECHNICO 787

↓STAEDTLER 48019 MARS PAN-TECHNICO 

私の主観や考察が含まれています、全てを鵜呑みには決してしないでください、後から一部情報が間違えていた、等のこともあります

この記事ではマルスパンテクニコというシリーズについて書きます。
そのためにまずstaedtlerの芯ホルダーの歴史を軽くお話しさせてもらいますね。
長いので資料的にどうぞ、

主な分類
主にstaedtlerの芯ホルダーは3種の分類があります。
・4桁、10xx 
例 :Mars 1002、Mars Lumograph 1001等
時期:〜1950年代
特徴:はっきりしている6角軸、ローレットのものや歯車グリップの物など種類が豊富
・5桁、48xxx
例 :Mars Technico 48000、Mars Technico 48013等
時期:1960〜1970年代
特徴:端に行くほど丸みを帯びる6角軸、歯車グリップ、ステッドラーブルー
・3桁、主に78x
例 :Mars-Technico 780、Mars Technico 782等
時期:1970〜年代
特徴:端に行くほど丸みを帯びる6角軸、ローレットor溝入りプラグリップ

ちなみにC付きと言うものがありそれがついている場合は固定式のクリップがつけられいるようです。
他にもAなどありますが意味が把握できていません、申し訳ないです。
(Cなどは軸に印字はされない)

POINT
・4桁は1924には回転繰り出し式のものが存在し、非常に古いシリーズ
・4桁は鉛筆のような形、色味のものがとても多い、マルスルモグラフ鉛筆のカラーが一番多い
・4桁の1950〜の製品は歯車グリップ、ローレットグリップ、上ローレット下歯車グリップなど多様性がある
・4桁は日本で出回る事が無いに等しい

・5桁には3桁にも受け継がれているペン、シリーズが多い
・5桁は基本歯車グリップのみ存在
・ステッドラーブルーの軸色、端に行くほど丸くなる軸、歯車グリップの3つの条件が揃っていればかなりの高確率で5桁
・5桁はごく稀に日本でも出回る
・5桁はキャップに溝が基本ない

・3桁には一部1960年代の製品も存在、大抵4桁と同じような形状をしている
・3桁は5桁のグリップがローレットになっていて他の点も少し変わっている、と言うペンが多い
・3桁はキャップに溝がある物も多い
・3桁が最も製品に多様性がある

この様になっています。
MARS PAN TECHNICOシリーズは5桁の世代から存在。正式な名前的には48019と787の二つで5桁の世代に48019として生まれて3桁に移行する際そのまま787になったと考えられます。

確認済みのMARS PANTECHNICOシリーズ
(
情報は確認されているものを載せています、分解可とは書いてなくても分解できる可能性あり)

48019
・1面印字モデル

1面のみに
48019(推定前期)
GERMANY STAEDTLER MARS PAN-TECHNICO
の印字。(グリップ右に置いた時に文字が正しい向きになる)
分解可、6叉クラッチ、歯車グリップ、公称値2〜2.5mmが使用可能、実際は1.7〜3.2ほど、クリップ無し

・2面印字モデル(推定後期)
片面に
48019 MARS PAN TECHNICO
その裏の面に
(1963〜73のマルスヘッド)STAEDTLER GERMANY
の印字(グリップ右に置いた時に文字が正しい向きになる)
6叉クラッチ、歯車グリップ、公称値2〜2.5mmが使用可能、クリップ無し

787
・前期6叉

片面に
787 MARS-PAN-TECHNICO
その裏の面に
(1973〜01のマルスヘッド)STAEDTLER GERMANY
の印字(グリップ右に置いた時に文字が正しい向きになる)
6叉クラッチ、分解可、ローレットグリップ、公称値2〜2.5mm使用可能、クリップ無し

・前期4叉
片面に
787 MARS-PAN-TECHNICO
その裏の面に
(1973〜01のマルスヘッド)STAEDTLER GERMANY
の印字(グリップ右に置いた時に文字が正しい向きになる)
4叉クラッチ、分解可、ローレットグリップ、公称値2〜3.2mm使用可能、クリップ無し

・中期印字逆転
片面に
787 MARS-PAN-TECHNICO
その裏の面に
(1973〜01のマルスヘッド)STAEDTLER GERMANY
の印字(グリップ左に置いた時に文字が正しい向きになる)
4叉クラッチ、ローレットグリップ、公称値2〜3.2mm使用可、クリップ無し

・中期C(固定式クリップモデル)
片面に
787 MARS-PAN-TECHNICO
その裏の面に
(1973〜01のマルスヘッド)STAEDTLER GERMANY
の印字(グリップ左に置いた時に文字が正しい向きになる)
4叉クラッチ、ローレットグリップ、公称値2〜3.2mm使用可、固定式クリップ有り

・後期Germany有り
片面に
(1973〜01のマルスヘッド)STAEDTLER  MARS PANTECHNICO・787
その裏の面に
GERMANY
の印字
4叉クラッチ、ローレットグリップ、公称値2〜3.2mm使用可、分解不可、取り外し可能クリップ有り 

・後期Germany無し
片面に
(1973〜01のマルスヘッド)STAEDTLER  MARS PANTECHNICO・787
の印字
4叉クラッチ、ローレットグリップ、公称値2〜3.2mm使用可、分解不可、取り外し可能クリップ有り 

以上で"私が確認しているもの"は全てとなります。

MARS PANTECHNICOシリーズの変遷(現在確認されている物での予測)
48019(1面印字)←シリーズの始まり?

48019(2面印字)

787(前期6叉)←ここで3桁へ

787(前期4叉)

787(中期逆印字)←ここから印字が逆に
787c(青軸C、固定クリップ式)←この二つは共存、特に呼ばれてるものがないので中期と名付けます。

787(Germany有り)←ここで後期に

787(Germany無し)

考察の理由を書いていきます。

48019が2面印字が後な理由
→2面印字は後継の787と同じフォント、印字がされている

787前期4叉が6叉より後な理由
→48019は1面印字も2面印字も6叉なので3桁に移行した時に48019から787になったならば6叉の方が先なはず

印字逆転が後な理由
→固定クリップ(c)も存在していてそちらも印字が逆転している、後期も逆転しているのでそちらの方が流れ的に自然

Germany有りが先な理由
ここのモデルは全てGermanyが付いていたのでGermanyを付けられていて後になって無くなったと考える、正直微妙

以前書いた自分の記事から使い回します、書き直すのめんどくさいじゃん!

各モデルの簡単な見分け方です。
48019一面印字(推定前期)
・1面に全ての文字が印字されている。
・パーティングラインが印字から左右90°の位置にある
・歯車の形が段によって不揃い、最後の歯車からペン先までが緩やかに結合するような形になっている

48019二面印字(推定後期)
・2面に分けて印字されている。
・パーティングラインが各文字の読める方向から1つ上
・歯車の形が揃っている、最後の歯車からペン先までも緩やかに結合するような形にはなっていない

787前期6叉
・ペン先が右に来た時に正しく読める二面の印字
・クラッチが6叉に分かれている。

787前期4叉
・ペン先が右に来た時に正しく読める二面の印字
・クラッチが4叉に分かれている

787中期(印字逆転)
・ペン先が左に来た時に正しく読める二面の印字
・クリップは無い

787中期C
・ペン先が左に来た時に正しく読める二面の印字
・固定式のクリップがついている

787後期Germany有り
・軸がステッドラーブルーとは離れた紺色
・小さめの印字
・Germany (全部大文字)の印字がある

787後期Germany無し
・軸がステッドラーブルーとは離れた紺色
・小さめの印字
・Germany (全部大文字)の印字が無い

MARS PANTECHNICOの名前の由来
pan、この言葉には汎、全てなどの意味があります。

panはフライパンなどの鍋のことですが、接頭辞で用いるとall、universalの意のギリシア語に由来し、「全て、総、汎」といった意味を付け加えます。
英進館 天神本館中高一貫部英語コラムより引用

と言う事でMARS PAN TECHNICOと言う名前には
汎マルステクニコ、汎用マルステクニコと言う意味が込められている。
マルステクニコはstaedtlerが使用している最もスタンダードな芯ホルダーのシリーズなので

汎用性の高いstaedtlerの芯ホルダー
のような意味になります。
だからPANTECHNICOで、パンテクなんて略されることもあります。

MARS PANTECHNICOシリーズの特徴
・グリップが非常に短い
・軸がとても長い
・汎用性が高い
・端に行くほど丸くなる6角軸
この4つが主に挙げられます。

短いグリップ
長い軸

上記の写真は左から順に
後期Germany有り、前期6叉、1面印字48019です

・グリップが短い
見てわかる通りにグリップがとても短く、
ローレット部分:1.7cm
歯車グリップ:1.6cm
で全体の長さのわずか9分の1程度です。

この短さはデザイン的な面及びに汎用性の高さを上げる面を持ち合わせていると考えています。

解説しますと
・デザイン的な面
解説は不要ですね、デザインを良くするためと言う事です
・汎用性の高さを上げる
MARS PANTECHNICOは汎用が名前にも入っています、様々な使い方に対応している。
なのでローレットを掴んでも多面体の軸を掴んでも使えるように、ギリギリ使える長さのローレットにされていると考えます。

・軸が長い
48019は15cm、787は15.3cmありかなり長めです。
わかりやすく言うと
p205は14.4cm、細字4色は14cmです。
ペンケースによっては綺麗に入りきらない可能性が出てきます。
・汎用性が高い
どのモデルも2〜3.15mmの芯やリフィルを掴む事が可能です。

こちらは後期Germany有り

・端に行くほど丸くなる6角軸
こちらの写真を見ればわかりやすいです。
非常に美しい形状でついつい触ってしまいたくなります。


ちなみに48019と787の軸には互換性があります。

これでシリーズについて、書けることは終わりですかね、48019や787の詳しい解説が見たい方は冒頭に載せてあるnoteをご覧ください。

MARS PANTECHNICO自体、あまり良い評価がされているシリーズではありません。
しかし私はこのシリーズが好きです、なのでこのnoteを書きました。
皆さんもぜひ自分にとってこの製品はこの値段を出す価値があるのか?
と言うことを忘れずにマルスパンテクニコシリーズについて欲しいものがあるか調べてみてくださいね、ではまた


1973〜01年のマルスヘッド、年代表せるものがあると良いですよね。
えげつないゴツさ、良いです 

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