見出し画像

staedtler MARS PANTECHNICO 787

staedtlerの1970年代〜1990年半ばに発売されていたと思われるマルスパンテクニコシリーズの芯ホルダー。
ペンのスペックや発売された年代など

自分の持ってるモデルの紹介
の構成です。

前期6叉モデル
後期Germany有りモデル

正式名称:前期 787-MARS-PANTECHNICO
     後期 MARS PANTECHNICO・787
変遷
1970年初頭に前期モデル発売

1983年付近に後期モデルに移行

1990年半ばに廃番
定価 
900円
最大の特徴
2〜3.15mmまで対応という汎用性
→2mm芯、3.15mm芯、d1規格リフィル、4c規格リフィル、爪楊枝などさまざまな物を掴んで使用することが可能です。
基本性能(前期と後期でほとんど変わりません)
長さ:全長        15.3cm
         グリップ1.7cm
         樹脂の軸11.1cm
         太さ最大0.8cm
         太さ最小0.6cm
 太さグリップ0.7cm
重さ:芯無し 19g
         芯有り 20g
重心:ペン先から 7cm
ノック:1.8kgほど

種類
前期4叉 軸の色がステッドラーブルー、分解可能、クリップ無し、4叉
前期6叉 軸の色がステッドラーブルー、分解可能、クリップ無し、6叉 
中期(印字逆転)
軸の色がステッドラーブル、印字がペン先が左の時正しく読める向き
中期c(787C)
軸の色がステッドラーブルー、固定式クリップ有り、印字がペン先が左の時に正しく読める向き(分解可能かは不明)
後期Germany無し 軸の色が深い紺色、分解不可能、取り外し可能クリップ有り、4叉、Germanyの表記無し
後期Germany有り 軸の色が深い紺色、分解不可能、取り外し可能クリップ有り、4叉、Germanyの表記有り
が確認されています、しかし確認されているだけなのでさらに多くのマイナーチェンジが存在する可能性があります。
一番多く出品される物は後期Germany有りと前期4叉です。
注意点
1.軸は樹脂製ですがとても凹みやすいです。

どう言う事かと言うと例えばローレットなどがぶつかった時にその形に凹んでしまうようなことがとても起きやすいのですね。
しかし軸が曲がったり軸が大きく凹むようなことは無いのでそこの心配は要りません。
2.ノックがかなり重めです
1.8kgほどと記載しましたがよく言えばビンテージホルダーらしい、悪く言えば他の種類のペンにはほぼ見られないほどの重さです。
手全体で握って親指で押すようにしなければ簡単にノックすることはキツイですね。
慣れれば全然できます、ノックし続けてると親指が痛くなりますが
3.クラッチやキャップ、ペン先周りはメッキです
普通に使っていけばなかなか禿げることはありませんが注意はしておいた方が良いです。
4.軸がテカる、最初は艶消しですが使って行くとめちゃくちゃツヤ出ます、全然いいんですが買った状態を維持したいなら手袋必須

ここから自分が持っているモデルの紹介ですね、もう情報は書き切ってしまったので何を書けば良いのか分かりませんが…
まず前期6叉モデルです

   

自分は所持している黒鉛を使用するペンの中でこれが一番好きですね。
軸の形がとても良いです。先に行くほど丸くなる6角軸はついつい触ってしまいたくなります。

全体で見てみるとなんだか魚のように見えて可愛げもありますね。

6叉モデルの何が良いか?それはロマンとホールド力なのです。説明しますと
ロマン、これはもう言わずとも分かりますね。
クラッチがとにかくキモカッコいいのです、ちなみに画像では均等に広がっているように見えますが購入して届いた時は広がり方が歪で自分で調節したと言う過去があります。
ホールド力、これはちょっと分かりにくいかもですね。
これは787のバネの強さと6叉クラッチが強く関係しています、まずバネの強さ、これは分かりますよね、バネが強いからクラッチが強く内側に押される。
そして6叉クラッチ、これは叉数のお話になりますので解説しますね。
まずクラッチと言うのは様々な形がありますが叉数によって特性があります。
基本的に叉数が多ければ多いほどクラッチがより広がるようになり、クラッチを曲げるのに必要な力も減り、クラッチの食い込みも増します。そして折れやすくなるため耐久性も下がっていきます。

つまりクラッチを曲げるのに必要な力が減ること、クラッチの芯への食い込みが増すことにより前期6叉モデルは高いホールド力を誇るんです。
このホールド力が非常に良くて一度使うと他の普通の芯ホルダーとの相違を感じます。

そしてこのクラッチはペン先での芯の収まりが非常に良いです!!
芯ホルダーって構造上ペン先に少し隙間があることが多いんですね。しかし787前期6叉は違います。隙間が本当に少ないんです、何がそんな言うかと言うと芯を長く出しても精度が高いことです。
別に普通に書く分には変わりませんし正直どうでもいいんです。
しかしリフィルを挟んでBPとして使う時は違います!!
かなりリフィルを出して書いても全くブレません。普通のノック式ではありえない自由さと精度です。
後どうでもいいんですがクラッチの全体的な収まりがめちゃくちゃいいです。

右からユニホルダー旧型、前期6叉、後期Germany有り

あと6叉は本当に3.15mm対応してるのか微妙です。おそらく対応してるのかな?



分解時の写真です。分解の時に役に立ててください
※後期は分解不可能です!!
ノックしながらクラッチを回して外す→軸を回して外す→芯タンクからバネとキャップを外す

ローレットの荒さ、わかりにくいです


お次は後期Germany有りモデル。

※光沢に差がありますがどちらも同じペン

いやぁこのモデルは本当に格好いいです。
芯ホルダー屈指のデザインだと思います。
正直書くこともう少ないですが、使い方の例の写真をいくつか載せておきますね。

3.15mm芯
d1規格リフィル
爪楊枝
2mm芯

使い方はかなり多いですね、絵を描く人や物作りはは助かるんじゃないでしょうか?生憎絵を描くセンスも実力もないのでその面での実用性はお話しかねますが。

と…ここで重要な実用性について話します。実用性についてですが…正直微妙です。
なんでなの?って話を今からさせていただきます
別に書きにくくはないです。全然
悪い点をまとまると
・ノックが重すぎる
・長すぎる
・ローレットが短い
・ノックしにくい(後期)
この4つです。
ノックはちゃんと重すぎです。
そして長すぎるですが全長15.3cmってなかなかの長さで、ペンケースによっては入らない、収まりがとても悪い場合があります。
ローレットが短い、これはそんなに支障はありませんが1.6cmは流石に短いです。掴みにくい
そしてノックしにくいについてです、これはまあ後期に限った話なのですがノックする時印字の心配をしなきゃいけないのとグリップが邪魔なことですね。
実用性で見るならもっと使いやすい芯ホルダーはあると思います。それこそ同じく2〜3.15mmが使えるコヒノール5617など

コヒノール 5617(写真提供:蟹さん)
マルスパンテクニコ 787

このようにペン先の収まりもかなり違いますね。787は少し無理があるように感じます

まあこのペンの魅力は圧倒的デザインにあると思うので実用性で比較するのは愚行かもしれません。

さて話を後期Germany有りに戻します。
このペン、デザインがいいと言いました。
しかし印字の耐久性に少し難があるんですよね、具体的に言うと薄くなったり禿げてきてしまうのです。せっかくの相場もお高いペンなのに印字の耐久性に何があるのは残念です。

そして分解できないから内部を清掃するなどして静音化が不可能。

じゃあ結局何がおすすめなんだよ、って話ですが自分は前期4叉モデルがおすすめですね。文章ばっかでも見にくいと思うので箇条書きにします
・相場が安い、6000円程度
・分解可能!!
・クラッチ周りの性能は後期とも変わらない
・最初から印字が禿げてる個体が多く禿げが気にならない
主にこの4点。説明していきますね
・相場が安い、6000円程度
→説明不要
・分解可能
→分解できれば内部の清掃が可能で改造等もしやすく、壊れたとて直せる場合がある
・クラッチ周りの性能は後期と変わらない
→2〜3.15mm使える4叉クラッチ、形のおかげでd1などは掴んでもクラッチがそんなに出てこない
・最初から印字が禿げてる個体が多く印字禿げが気にならない
→印字が禿げてる個体が多いです、なので研磨して剥がしたりすること全然あり。
自分は前期6叉は細かい傷も多かったですし磨いて印字剥がしてピッカピカにしました。
後一部サビが付いてる個体もありますが磨けばどうにでもなるので気にしなくて大丈夫です。

と、これでstaedtler Mars pantechnco787の解説は終わりになります。
質問や画像を使いたいと言った場合にはコメントしていただければ回答したりしなかったりします。
最後に適当にホルダーホルダーの画像でも載っけておきます。

筆記具情報局、色々まとめてます。

48019もぜひ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?