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藤田美術館

昨年4月にリニューアルオープンした藤田美術館に行ってきました。
藤田美術館自体、行ったことがなかったので、友人の「お庭もきれいそうだし行ってみない?」というお誘いに、「行く!」と即答したのでした。

まずはランチで腹ごしらえ。
最寄り駅である大阪城北詰駅近くの「ガーブ ドレッシング」に行ったのですが、めちゃくちゃ美味しかったです。

クリームコロッケに目がないので迷わず選ぶ…
12時前に入ったのですんなり入れましたが、食べ終わった頃には混雑していました。

お腹が落ち着いたところで、いざ藤田美術館へ。

めちゃくちゃおしゃれ~~~
入ってすぐのところは広い広間のようになっていて、右手にはオープンキッチンのような「あみじま茶屋」。
こちらでお団子とお茶のセットが500円でいただけます。
広間のあちこちで座ってお茶を楽しんでいる方がちらほら。
我々は、お昼を食べたところだし…とまずは展示を観ることにしました。

改装前の藤田美術館は、藤田家邸宅の蔵を改造したものだったらしく、ところどころに蔵らしい痕跡が残っていました。
展示室に入る扉も蔵の扉のようでした。
入ると一気に暗くなるのも蔵の中に入った気分にさせます。

入ってすぐくらいに、藤田美術館の理念なのでしょうか。
言葉が浮かび上がってきて、その言葉が素敵だなと思いました。
(中は写真撮影OKです)

中に入ってすぐ、学芸員によるギャラリートークが始まったので参加させてもらいました。
結論から言うと、ギャラリートークに参加して良かった!と心から思いました。
正直なところ、青磁にはあまり興味がなかったので、もしギャラリートークがなければ「ふ~~~ん」で終わってしまっていたと思います。
が、ギャラリートークを通して、どこに注目したら良いのか、どんな想像力を働かせて見たら面白いのかといったヒントをもらえました。

例えばこちら。

《青磁一閑人平水指》中国・明時代 17世紀

こちらは「水指」として使われているけれども、それは中国から日本に渡ってきて、茶人が茶道具としてこれを使う時に「水指」として使うと決めたもの。
なので、中国で何に使われていたのか分からないし、もしくは日本人が注文して作られたのかもしれないそうです。
それを踏まえて見ると、もし水指として使われていなかったとしたら、何に使われていたんでしょうか?そんな想像をして見るのも楽しいですよ、と教えてもらいました。

私は『おやつとか…?』と想像していましたが、学芸員さんは「自分は金魚をここで飼っても素敵だなと思いました」と言われてて、そっちの方が断然風流!となりました。。。

最後の部屋には、藤田美術館と言えば…な曜変天目茶碗が飾られていました。

《国宝 曜変天目茶碗 中国・南宋時代 12~13世紀》

世界に3つしかない曜変天目茶碗の内の1つ。
元をたどると徳川家康が持っていた物だそうです。

この曜変天目茶碗、このようにきれいに見えるのには、ライトの調整が非常に重要で、なかなか難しいそうです。
今でこそ大人気の曜変天目茶碗ですが、30年前以前はそこまでもてはやされてはおらず、おそらく写真・ライト・印刷の技術が発展し、きれいに写して広めることができるようになったから、一気に人気になったのではないかとのこと。

こういった話は曜変天目茶碗に限ったことではないですが、物は変わらないのに、時代によって受け容れられ方が変わるのって本当に面白いなと思いました。

京都の老舗帯屋・誉田屋源兵衛が曜変天目茶碗を再現した帯を制作したらしく、それも展示されていました。

糸に工夫を入れ、微妙な光が当たった時だけ輝くという曜変天目茶碗の特徴までをも再現したそうです。
もはや帯として着れなさそうですが、職人魂の結晶みたいな作品でただただ感服です。

展示室を出ると、また蔵の面影が。

天気も良く、もう一つの芸術作品のようでした。

外に出てみると、大阪市の指定有形文化財の多宝塔が。

どこまでが藤田美術館の庭園なのかがよく分かりませんでしたが、広大な藤田邸跡公園へと続いていました。
今日は本当に良い天気で、青紅葉も爽やかで、気持ちの良い風が吹いていました。

因みに…楽しみにしていたお団子とお茶、長蛇の列になっていて今回は諦めました…
美術館に到着した時にはとても空いていたのに…残念…
次に来る時の楽しみに取っておきます!

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