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第3回 「リアル派」から「オンライン派」へ⁉ 意識が変わった本づくり


「メタバース」の本を「メタバース」空間で作る
 
こんにちは。前回の投稿からお久しぶりとなりました。

その間に数冊の書籍編集を担当し、本づくりを行なっていましたが、今回はそんな、「本づくり」のお話です。
『メタバースで僕たちのコミュニケーションはこんなふうに変わる』(https://amzn.asia/d/8iMOREq
)の「本づくり」は、他の本とはひと味違う、まさにメタバース空間を体感する面白い時間でした。
 
ここから3回ほどは、そんな面白い体験が盛りだくさんだった、本づくりの裏側をお伝えできればと思っています。

あなたは「リアル派」? 「オンライン派」?
 
コロナ禍で、打ち合わせを実施する手段にZoomやTeams、Skypeなどのオンラインツールが加わりました。
人と会うことが少しずつOKになりつつあるいま、「リアル」と「オンライン」どちらを選ぶことが多いですか?
 
「オンラインに慣れてしまって、リアルの打ち合わせはほとんど実施していない……」「オンラインのほうが、場所も選ばないし、時間もかからないし好き!」といったオンライン派の人も増えているなか、
 
「はぁ~~! やっとリアルで人に会えるようになった! リアルで会った方が話しやすいから嬉しい!」という意見も耳にします。
 
私はというと、もともとかなりの「リアル派」の人間でした。
リアルで話した方が、雑談もしやすいし、表情や空気感がわかりやすいし、資料も同じものを一緒に見ながら確認できるし……。
オンラインだと相手にしっかり伝わったかわかりにくいし、ちょっとした話がしにくいと感じていたのです。


絵:るるん

「リアル派」から「オンライン派」へ!?
 
そんな、オンラインツールに苦手意識を抱きながら、Zoomでお話ししながらの本づくりがスタート!
すると不思議なことに、回数を重ねるたび、オンライン派へ意識が変わっていきました。


「資料の共有ってこんなに簡単にできるんだ、複数の人と画面を確認できて便利かも……」
        ↓
「あれ? オンラインなのに今日はめちゃくちゃ書籍制作以外の話(雑談)もできたな……」
        ↓
「著者さんのお知り合いにもお打ち合わせに同席してもらえて、オンライン最高……」


もはやドラえもん道具、どこでもドアと同じ役割をオンラインツールって果たしてくれるのでは? とまで考えるように(笑)
リアルで人とお話しするのが好きだったにもかかわらず、便利さに驚きの連続でした。

ここまで私の意識を変えてくれた理由は、著者さんがオンラインツールを自由に使っていらっしゃったからではないかと分析しています。

「自由」に使うオンラインツール
 
『メタバースで僕たちのコミュニケーションはこんなふうに変わる』のコンセプトの1つは、メタバースがもたらす自由さを伝えること。

メタバースは、極端に言ってしまうと、「なんでもあり」な空間だと感じています。

これは今回の書籍制作中にもたびたび感じたことです。
打ち合わせの前に、著者の佐藤さんと次回の打ち合わせでお話しする内容を事前にやり取りしていたのですが、ご提案いただく内容にはいつもオンラインツールならではの「自由さ」を感じていました。
※(カッコ)内は私の心の声です


・本で紹介する方に少しだけ時間をもらえたから繋ぎます(ほんの少し時間をもらう相談がしやすいんだ!)
・じつはいま、出張中です(背景もふだんと同じで、違和感ない!)
・夏休み期間中のお子さんにもせっかくなのでお話聞いてみます(小学生との打合せなんて初めて!)
・長野県の白馬から打ち合わせに参加してくださいます(県外なのにまったく関係ないんだ!)


このように、移動距離、年齢など、ふだんなら大きな障害になりそうなものはすべて取り払ったうえで、「より良い本をつくるために」という条件だけで、打ち合わせの内容を検討することが出来ました。
これは、到底リアルでは実現できなかったと思います。
 
お忙しいなか、この本は本当に多くの方にご協力をいただき、毎度おもしろい発見ばかりの貴重な時間をいただいたこと、大変ありがたく感じております。この場を借りて、改めて御礼申し上げます。

トライ&エラーを繰り返してたどり着いた「ルールは決めない!」自由さ 
 
自由な使い方を実践されていた裏には、これまで佐藤さんがトライ&エラーを繰り返しながらオンラインツールを導入されてきたご経験がありました。
書籍のCHAPTER_4で取り上げた「Slackの導入」のお話に、そのヒントを見つけました。書籍のなかで佐藤さんは、次のようにおっしゃっています。

Slackをカジュアルに使えるように、ある方針を決めました。メールのように「〇〇〇様」「〇〇〇さん」とわざわざ書くのはやめて、メンション機能(メッセージを送ると特定の相手に通知される機能)を使えばOKにしようと。(中略)また、Slackはさまざまな絵文字が使えます。相手が上司だからといって「承知しました」とかしこまって返事をしなくてもよく、笑顔の絵文字を使ったり、意味が伝わるような絵文字で気軽にコンタクトがとれるような雰囲気づくりをしていきました。

CHAPTER4-3 リモートワークを円滑に進める
コミュニケーション(P97-98)

Slackの導入に当たってはオープン性を最大限に生かすため、なるべくルールのような縛りは決めたくありませんでした。
誰もがフラッとのぞきに来て、好きなことを話していろいろな人とコミュニケーションをとり、課題を解決できる、そんな空間になってほしい。どのチャネルを見てもクローズド(権限のある人しか見られない)になっていたら、つまらなくなってしまいます。

CHAPTER4-3 リモートワークを円滑に進める
コミュニケーション(P99)

気軽に使える方針だけ決めて、細かなルールは設けない。素敵だと感じました。
実際に私も、本づくりの最中はSlackでコミュニケーションをとらせてもらいましたが、ちょっとした相談がハードル低くできたように感じています。


Zoom&Slackというメタバース空間だからこそ出会うことができた、素敵な方々とのエピソードは次回ご紹介します!

日本実業出版社のnoteです。まだ世に出ていない本の試し読みから日夜闘う編集者の「告白」まで、熱のこもったコンテンツをお届けします。