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恋愛人間

「すべての元彼に捧げます!聞いてください、SSW!」という口上から始まるコレサワのSSWという曲が大好きで、恋人と別れる度に聴いていた。

私のAppleMusicには「Midnight Maiden War」というプレイリストがある。誰にも見せたことがないけれど、ここには女である私が強く生きるための歌が詰め込まれている。恋が終わったときによく再生する。

変な恋愛をたくさんしてきた人生だと思う。高校から付き合って6年目です、みたいな安定型の恋愛なんて無縁の人生だった。

高校からずっと好きだった人に処女を差し出したのに拒否されたせいで拗れていった。大学生になってから、2年ほどマッチングアプリに明け暮れて、自分を粗末にしていた時期もあった。そこでたくさんの人に出会った。基本的には大切にされなかった。

4つ上のカネコアヤノ好きな社会人を好きになったのに、その人には美容師の彼女がいて、気づいたときには浮気相手になっていたし、いつの間にかブロックされていた。そのあと、やっと運命の人に出逢えたと思ったら、その人は新興宗教の幹部を目指していた。その人とも突如音信不通になった後、良い人すぎる人と付き合った。人生で一番長く付き合って別れた。そして今は、その良い人すぎる彼の親友と付き合っているし、カネコアヤノ好きな社会人が働いている会社から内定をもらっている。(とくに未練があるとかではなく、浮気するような奴にキャリアで負けたくなかったから。)

並の人間なら打ちひしがれて立ち直れなくなるくらいの恋愛を幾度となく超えてきた。たしかに、涙で湖ができるくらいに泣いた夜もあったし、もう恋なんてしないなんて槇原敬之みたいなことも思ったりもした。それでも、人を信じたかった。誰かを好きになって、一喜一憂したかった。学ばないよなあ、懲りないよなあと自分でも思うけれど、それが私にとって必要不可欠だったから。

すべてに意味があったと信じている。どれがひとつでも欠けていたら、今の私はここにいない。自分を粗末にして、体を許したことだけは少し後悔しているけれど、あれも全部経験だったと思うようにしている。

人を好きになることを諦めたくなかった。恋をしていたかった。なによりも、人を信じるのをやめたくなかった。振り返ったらもういないなんてこと、何度もあったけれど、私の手を離さずにいてくれる人を探し続けていたかった。馬鹿だなあと思うし、恥ずかしい恋愛だらけの人生だけど、すべてを愛したい。何が起きるか分からないからこそ、すべてを肯定していたいのだ。

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