【書評】システム開発・刷新のための データモデル大全

渡辺 幸三
日本実業出版
2020/04/20

 データモデルとは何か学びたく購入。なんか人によっていうことや解釈が異なり、システム検討に当たってデータモデル設計の重要性が高いことは直感的に理解しつつ、実務的にどういうことなのかの理解を深めたいと思いました。「データモデルとは何か」の解としては、ソフトウェア工学の抽象モデルの一つで、データのカラムやテーブルのリレーション、業務ドメインなどを記載する図表ですね。設計図です。

 この本ではデータモデルの記述方法に独自のコンパクトな行形式を使います。確かにお作法が定まりきっておらず、絵チックに表記される一般的なデータモデルはスペース面や可読性を考慮してもちょっと難ありな気はします。かっこいいけどね。中身はテーブルとビューから始まり、キーの種類や関数従属性、正規化と正規化崩しなどDBの基礎技術面の説明が前半。後半は業者選定、設計上の留意点、組織構造の設計、更に具体性を上げて勘定システム、生産管理システム、在庫、予実と流れていきます。正直欲しかったのは前半で、後半はいわゆる基幹システムを扱うSIerの一般化された領域で、私の業務とは関連性の薄いところでした。

 IPAのデータベーススペシャリストを取得しようとしてうすーくながーく勉強しているので、基本的なテーブルや正規化の概念などは問題なし。正規化崩しやサロゲートキーの導入など、試験範囲外の部分は参考になりました。データモデルの記載方法とかカーディナリティの部分は、なんかどうしても昔から全然頭に入らず、毎回頭に残らなくて覚えられない。。。エポック数が足りないな。タイトルに大全と入ってるので、もうちょっと一般化された設計パターンやユースケースなどあるのかなという点では、期待からは異なっていた部分でした。

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