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【DVは なおる 続 無料公開分】⑤日本家族再生センターへとつながる

こちらからの続きとなります。

「日本家族再生センター」へ繋がる

 DV加害者プログラムのファシリとの電話を終え、パニック状態になってしまった私は何をしていいかもわからず、途方に暮れました。そんなときにふと思い出したのが、以前ネットで見つけていつか連絡してみようかな、と思っていた「日本家族再生センター」のことでした。

 センターの代表の方が書いたブログを読んでいると「緊急電話」として、予約なしでも連絡が取れて、話を聞いてもらえるという体制もあるということでしたので、他のカウンセラーさんへの予約を取る時間も待てなかった自分は、とにかく家族再生センターへ電話をしてみました。

 日本家族再生センターの味沢さんへはすぐに電話がつながりましたが、自分はまだ過呼吸状態で上手く喋る事もできず、最初はただハァハァ言っているだけでした。傍から見たら、性的に興奮してその様子を電話で伝える、一種の変態に見えたかもしれません(笑)

 そんな様子でも、電話を受けてくださった味沢さんは、自分が落ち着くまでずっと待ってくださいました。一~二分ほど取り乱した後、落ち着いて今の状況を少しずつ話すことができました。

人生を変えた電話

 色々と話していく中で自分も落ち着きを取り戻していき、今の状況に対する自分の気持ちも話せたと思います。その時は何よりも、加害者プログラムであったこと、皆の前でパートナーの不倫を暴露されたこと、あまりに簡素なメールで参加停止を言い渡されたこと等を味沢さんが共感をもって聞いてくださったことで凄く落ち着けたし、気も楽になりました。

 その後、改めて電話カウンセリングの予約をし、緊急電話を終えました。今思うと、この時に味沢さんに電話したことがその後の人生を変えたのだなと、大げさではなく思います。

 何をしていいのかわからない状況から、少なくとも味沢さんに話を聞いてもらって、その後のことを落ち着いて考える、というとりあえずの目標が立てられたことは大きかったです。

DV加害者プログラムでの仲間たちと…

 味沢さんとのカウンセリングまでの間、DV加害者プログラム関係でも動きがあり、なんと、プログラムに通っていたメンバーの方から私に連絡が来て、ちょっとプログラムの外で皆と食事でもどうかというお誘いがありました。

 毎週、プログラムで顔を合わせていた皆と、外で会えるのも興味がありましたし、何より自分の今の状況を知ってもらいたいという思いから、二つ返事で行くことにしました。

 そして約束の日、加害者プログラム会場の近場で仲間たちと会ったとき、凄くホッとしたのを覚えています。仲間の一人からは「なんてことしちゃったんだ、あまりにまずいよ…」と言われ、自分としてはそこまでのことをしたのかな…と自分の浅はかさを嘆いたのですが、話していくうちにどうもおかしいぞ?ということになりました。

 詳しく話を聞いていくと、自分がプログラム参加停止になった日のグループワークでファシリテーターは「中村がSNSで私(ファシリテーター)に対する殺害予告をしたので、プログラム参加停止にした上で、警察に通報した」ということを他の参加者に伝えたということでした。

 私にとっては全く身に覚えのない内容で、即座にその旨を仲間に伝えたところ、皆呆然とした様子でした。あまりにあんまりな嘘だし、そんなことを伝えてどうしようというんだという怒りを感じました。

 それは他の参加者仲間も同様で、このことにより、皆ファシリテーターが信じられなくなったとのことでした。どうしてこんなことをするんだろうねえという疑問には「ファシリテーター自身、きっと男性から傷つけられたことがあったりして、男性全体に対する憎しみを持ってしまい、それを他の男性にぶつけているのではないか」という話になりました。

 そうなると彼女もある意味被害者ですし、その痛みを他人にぶつけるという、DVの連鎖と同じものを感じてしまいました。
 そんな話もありながらも、仲間での会食は穏やかで気楽に過ごせたと思いますし、あの場がまた、自分を冷静にさせてくれる一つの大きな出来事だったように思います。

前向きに終われた離婚調停

 自分がDV加害者プログラムの参加をやめ、半月ほど経った頃に、弁護士からの郵便と調停への呼び出し書類が、DV加害者プログラムのファシリテーターの予告通り届きました。

 既に味沢さんのカウンセリングを受けていた身としては、大きく取り乱すこともなく、落ち着いて受け取ることができたかと思います。

 二回目の調停で自分は元パートナーに(弁護士経由で)謝罪の手紙を渡し、そして離婚を受け入れました。驚くほどあっさりと手続きが終わりました。慰謝料等もゼロ、自分がお金で支払ったのは別居中の婚姻費用くらいのもので、合計しても月の給料にも満たない額でした。ああ、こんなものか…と思いました。

 最後に、元パートナーの顔を見る機会があったのですが、自分と暮らしていたときと比べ少し顔色も良く、健康的になっていた気がしたので少しほっとしたことを覚えています。傷を癒して、幸せになってくれたらな、と思いました。

 手続きがすべて終わり調停の帰り道、電話で味沢さんに離婚したことを報告すると
「おめでとう!これから新しい人生だね。」という言葉をかけてもらい「ああ、確かに考えようによってはそういうことになるよな。」と妙に納得し、前向きになれたような気がしました。

家族再生センターの「脱暴力ワーク」への参加

 離婚と前後して、家族再生センターで主催している「脱暴力ワーク」へ参加するようになりました。DV加害者プログラムの方は週に一回二時間のグループワークのみだったのですが、こちらは味沢さんが京都にお住まいのため、東京でのワークは月に一回。最小で二時間のグループワーク、最大で八時間くらいは他の参加者とのフリートークをしながら過ごせるという場となっていました。

 自分は初めて参加するにあたり、前に参加していたDV加害者プログラムのようなものなのかな?と考えていたので、以前のプログラムでの体験を思い出してしまい、凄く委縮していました。ですが、その実際のグループワークに参加してみると、委縮する必要は全くありませんでした。

 たとえばパートナーの呼び方も「奥さん」「嫁」「妻」「パートナー」等、人それぞれ自由で、それを悪いことのように指摘されることもありませんし、そもそもファシリテーターの味沢さん自体「男性・女性」のことを「男・女」なんて言っていました。これは以前のDV加害者プログラムだったら激しく訂正させられるところだよなあ…なんて最初は少し戸惑っていたものです。

 また、グループワークの最中に平気で下ネタまで飛び出してきます。流石にこれには驚きましたが(笑)、そういう話が嫌な人がいれば、勿論そんな話題にはならないのはお見事だなと思いました。

 そんな、一見おちゃらけたという見方もされそうな場ですが、グループワークの内容は凄く納得のできるものでした。

 参加者それぞれの思いが尊重された場で、DV加害者プログラムでは激しく糾弾されるような加害エピソード(「パートナーを殴ってしまった」等)を語ったとしても「そうしたかった気持ちはわかる、しんどかったね」という言葉でもってまずは共感を貰えました。

 勿論そのあとには「(加害行為)をせずに、他の行動をしても良かったよね。気持ちの伝え方は他にもたくさんあるので、それを学んでいってほしい」という話があり、実際のグループワークでも、そういった心地良いコミュニケーションを学べます。

安心して参加できるグループワーク

 こちらのグループワークでは、参加者それぞれの近況報告を交えた雑談から、資料やペーパー等を使ったワークまで様々あります。中でも印象に残ったのは「一つの写真を見て、それにまつわる物語をそれぞれ妄想し共有する」というものでした。

 当然、参加者ごとに様々な物語の妄想があることを目の当たりにし「一つの同じものを見ていても、それをどう捉えるかは人それぞれ違う」ということに自然に気付けました。

 しかもそれは、上から目線で教育するという姿勢ではなく、ファシリテーターも含めた皆が一参加者としてフラットな立場で参加する、一人一人の思いや考えからを尊重しあえるコミュニケーションが学べる場であったと思います。

【続く】


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中村カズノリ

エンジニアとカウンセラーの二足の草鞋で「カウンセリングエンジニア」と名乗っています。 家族問題(DVモラハラ毒親等)やブラック会社等によるしんどさに対する相談が中心。最近のエネルギーの使い道は主に育児

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