渾身の取材からの結論がイマイチな著作
現世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党との関係を追っている著者の一作。本書の価値は2013年あたりから現在までの旧統一教会をひたすら追っていることに尽きる。だって、この団体が注目されていたのって、せいぜい2000年くらいまでだったのでその後の活動がよく分からなかったから。
他方、著者は安倍元総理に極端に批判的な立場=アベガーにいるため、兎角論理性もなく、全てはアベ元総理が悪いとなりがち。また、政治団体と宗教団体が少しでも寄付を受けたり講演に呼ばれたりさらに講演においてその団体におべんチャラを使うのもダメという社会的には非常識な要求している。
これを読んでまず思ったのは、著者は自民党に対する知識が足りないということ。自民党の党是はかつては反共産主義、今は与党にいることでしかないのだから、どんな団体であって基本的には議員は顔を出す。さらに、たかだか10万票くらいの基礎票にしかならない団体とは無数の付き合いがある。そのうちの1つの団体が政権中枢に食い込むというのはなかなか無理があるのではないかということだ。だいたい、旧統一教会に反日思想以外の日本の政治で実現したい政策なんてあるのか?この著書以上により政権判断を狂わすような何かがあれば話は別だが。
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