フェミニストやめます

 ※この記事には過激な表現が含まれています※


 この度私はフェミニストをやめることにしました。

 私がフェミニズムに興味を持ったきっかけは、身近で女性が被害者の性犯罪事件があり、それに対して私の周囲の男性があまりにも冷たすぎたので、やはり女性の地位はまだまだ向上していないと思ったことです。
 上記体験から、私が当事者でないながらも、明らかな犯罪が身近で起こっているのにその事実すら周囲が認識しないという恐怖を身をもってしり、勝手にフェミニストを名乗るようになりました。
※追記:この部分で、「犯罪被害者を救済できなかったという無念」みたいなことを書いたことで誤解を生んでしまいました。性犯罪に対する社会の認識が甘い原因に女性の地位の低さがあるのではないかという疑念を裏付ける事件が起きた、ということが直接の原因ですので、無念云々はよく考えたら全く関係のないことでした。ちなみに、女は俺が護る、のような旧来的性役割に基づく正義感とは全く関係ないです。本論に関係ないところなので手を抜いていました。文章構成が下手でごめんなさい。お詫びいたします。
 といっても私は特にそれらしい行動や活動をするでもなく、ただ、反フェミニズム的意見に同調しないことにより、ゆるく周囲の変革を起こそうとしていただけです。その程度なので、私がフェミニストをやめたからといって何かが起こるわけではありません。
 お前なんかフェミニズムに不要だ、それはそうだと思います、なのでさっさと出ていきます。

 しかし、やめた理由については重大ですので了解していただきたい。
 それは、フェミニストが不自然に胸が強調された二次元キャラクターを弾圧したからではありません。フェミニストが弱者男性を馬鹿にし始めたからでもありません。

 最近のツイフェミ界隈の、「トランス女性を名乗るただの犯罪者を『トランス女性』呼ばわりする」風潮が嫌すぎるからです。

なにそれ?と思った方は以下リンクを見てみてください。

https://twitter.com/search?q=%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A5%B3%E6%80%A7&src=typed_query

 ここ一ヶ月くらいかなり酷いので、多分当分のあいだはこのリンク先は酷いことになっていると思います。トランス当事者の方は閲覧注意です。


実例


 最近は、「女性器もないのに生理用ナプキンの支給を緊急に求めるトランス女性」という、本当にいるのか、いてもごく少数(少数であるトランス女性の中でもさらに少数、という意味)ではないかと思われる人を叩くのが流行りらしいです。


※このツイート主の団体を巡っては様々な意見があることは承知していますので活動を全面肯定するものではありません

 他にも、「これまで女性しかいなかった場所にトランス女性が来ることを非難する」という流行りもあります。これはもう犯人ほぼ不在のままで過熱している議論がありまして、「トランス女性がやること」などという意味不明なリストが大量拡散されています。

 女湯に来るな、などと言われても、現状を理解すれば、そもそも男性器ありのトランス女性(※鉤括弧なしのトランス女性、つまり犯罪者ではない人達)は言われなくても行かないと思いますが…

 追記:この問題を語る上で重要な「女湯事件」についてちゃんと調べずに怒り任せに書いてしまったのは申し訳ないですが、日本は法治国家なので、違憲判断をもらうなり、少なくとも風呂場の管理人に入ってよいか聞かないで入るのは犯罪だと思います。普通はそうするはずで、一部勘違いする例外はいるかと思いますがそれは国が方針を具体的に例示しないことに問題があると思っています。これは以前トランス当事者の間で「女子トイレに入るべきか」が真剣に議論されていた(女子トイレに入らないと迷惑ではないか、という話で)ことから類推しています。

 女性用下着を買いに来るな、に至っては意味不明です。被介護者女性の下着を買いに来る男性はだめなんですか?そういった場所を不必要にうろつく性犯罪者はいますが、それトランス女性と一緒にします?

 もっと酷いのは、婦人科に診察に訪れる生物学的男性を晒し上げるツイートです。

 いやあの人は診察に来る他の女性を物色して盗撮してただろ!と、当該ツイートを見たことある人は思うかもしれませんが、その時点でその人は性にかかわる犯罪(女湯に入るような)を犯したわけではなく、また、クリニックにいるということは医学的な必要があると医者が認めているわけで、つまりそれは女性ホルモン投与を受けれるかどうかが生き死にに関わる重大な問題ということです。
 であるにもかかわらず、「婦人科に男がいるぞ!締め出せ!」ということの重大さに対する自覚がないのがあまりにも酷いです。盗撮(下着を写すとかではない)は犯罪ですが、それにより全人権を剥奪していいことにはなりません。女性の方は、「あなたは犯罪を犯したので子宮を摘出します」と言われて同意しますか?もうこれはBlackLivesMatterと等価な案件です。トランス当事者はもっと怒っていいと思います。
 待合室で盗撮を行う患者がいることが伝われば、どのような背景事情があろうとも病院を出禁になるでしょうし、既にそうなっているかもしれません。しかしそれはその患者が気持ち悪いからそうしているのではなく、あくまでも他の患者の医療へのアクセスを阻害しないためのやむを得ない措置です。
 「あなたは男に見えるので、他の方を不安にさせるかもしれないので出ていってくださいね」
 合理的理由なしにこのようなことが日本の至る所で行われたら…と考えると恐ろしいですね。
 そんなことないだろ、大げさだと、とお思いの方。女性への性犯罪についても同じようなことが言われ無視されていた過去をお忘れでしょうか。
 例えば、待合室で診療の効率化のために予め服をある程度脱いでおかないといけない、などの理由があるのであれば理解できますが、そうであればトランス女性であろうと上記のような発言で診察を拒否されているはずです。

 他にも、トランス女性?女装癖?の人を晒し上げる人もいるようです。さすがに個人攻撃を行うのは一部だとは思いますが、「女装したおっさんはこんなに気持ち悪い!」という内容を、「トランス女性」という言葉を用いて「告発」する必要がどこにあるんでしょうか。気持ち悪い(と大多数が思うだろうな、というだけで私はそうは思いませんが)女装癖のおっさんはいるにはいますが(残念ながら身近にいるので…)、それ本当にトランス女性でしょうか?単なる女装癖が含まれていませんか?女装癖だったとして、それは責められるような性癖なんですか?
 女装癖の中には、女性性の価値を毀損していると思われてしまうような過激な性表現をする人もいますがそれはほんの一部ですよね?ほぼすべての当事者はまともな一般市民として暮らしをしていますよね?

フェミニズムの構造的問題


 非常に残念なことに、「トランス女性を名乗る単なる犯罪者による性犯罪」が一部であるのは事実で、国の施策が曖昧なゆえにその全てを事前に食い止めることができていないところはあると思います。まあ全ての犯罪を事前に食い止めることなんか不可能なんですが。
 フェミニズム的活動をする方の中には、性犯罪の被害者になり重大なトラウマ、PTSDを抱えながら生活する人もいると思います。そのような方が「自称トランス女性」に過度に恐怖する気持ちは理解できないわけではないです。トラウマからの回復途上にある方に安易に自重しろとはいいにくいです。(そのような方は冒頭で警告したようにこの記事を読まないでください)
 ですから、これは、発言単体と言うよりは、安易なリツイートや影響力をもった人の拡散など、やむにやまれずではなく、なんとなく、承認欲求のため、などで風潮を煽っている人に問題があると思います。
 私は、フェミニズムの活動は立派な活動であると理解しています。一部の過激な人による行動があっても、その裏で性搾取に苦しむ人や性暴力からの回復を支援する人がいて、また、女性への差別(入学差別や職場での差別など)と闘っている人がいることは事実です。

 ですが、私が、フェミニズムのあまりの脆弱性に辟易してしまったことも事実です。そして私はこのような人達と一緒になりたくないと。
 ここまであからさまな差別が蔓延してしまう原因にはフェミニズムの抱える構造的問題があると考えざるをえません。
 そもそも、フェミニズムとは、元々は女性の人権が明らかに抑圧されていたことを発端とするものですが、今は、男女平等、性的少数者との平等も目指す運動に発展しているとする人も多いはずです。これは、「女性枠は男性差別!男の人権も守れ!」というような話ではなく、それなりに世界の差別を巡る歴史をふまえたうえでの話だと私は理解しています。ならなぜ「フェミニズム」と名乗るかといえばそれは女性差別は未だ根絶されていないからであって、つまり現実の差別と対応する概念なわけです。

 では、トランス女性はいつ女性を差別したのでしょうか。
 女湯に入ったこと?それは「女性にモテナイから女性を殺しました」のようなヘイトクライムでしょうか?単なる男性犯罪者による言い訳だとすることはできないのでしょうか?それを可能にしてしまう社会に問題があるとして、それはトランス女性の存在を問題にすることで解決するのですか?
 婦人科の件はそれに比べたらヘイトクライムに近いですが、それを理由に全トランス女性から医療へのアクセスを奪おうとするのは、男性芸能人が性犯罪を犯したから全男性を去勢しろといっているようなものです。そもそも男性の性犯罪の問題にしてみても、個人としての男性に問題があるのではなく、「男性を中心とした社会の構造」に問題があるんですよね?

 今の日本で、「女性はその存在そのものが問題である」「女性に人権などない」なんて言えないですよね。それがトランス女性に対しては言えてしまうというのは、それだけ今トランス女性が社会的に弱い立場に置かれているということです。そしてそのように弱者を陥れることを可能にしてしまう”フェミニズム”は、「理想的な人権思想」ではなく、時には他者を差別する側になってしまう脆弱点があることが想起できます。


 以上の事由により、私は「フェミニストやめます」

 フェミニストをやめても、女性への性犯罪に対する社会の軽視を問題視していきますが、それはフェミニズムとは違ったやり方になると思います。


アンチフェミへ


 以下はアンチフェミ向けの説明になりますが、ツイフェミの一連の行動は、決して、「女性なんてこの程度」という論調で使ってはいけません。「女性が信用を失った」という意見はトランス女性叩きとやっていることが同じです。私が「いけない」という定言命法的言い方をするときは、論点の一つとしてもあってはいけないという時だけです。それだけ重大です。
 私はインターネット言論もそれなりの力を持っていると思うので、以上のような状況が続けば日本のフェミニズムが根底から破壊されてもおかしくないと本気で思っています。それくらい今のトランス女性差別は酷いありさまです。それでもフェミニズムは大切な思想です。なぜなら女性差別は明らかに存在するのであり、そのことをしらしめるために有効だからです。
 私がフェミニズム脱却宣言などをするのはある意味フェミニズムへの貢献のためでもあります。資本主義がそうであるように、完璧な主義主張というのもそう簡単には存在できないと思います。ですから、資本主義で例えるなら、社会福祉を理由に私有財産を一部税金として取り上げてもいいというように、一旦それを棚上げすることも時にはそれの維持のためには必要です(良い例えかはわかりませんが…)。なので私は現状から一旦距離を置こうと思ったわけです。

 でも、「発展解消」であれば、フェミニズムがリベラリズムなど性別不問の平等思想へ統合され消失するのもなくはないかもしれないですね。割とセクハラが横行している社会でまだちょっと早いと思いますが…

あとがき

 「きっかけとなった事件」の中身(本論に関係ないですが)は完全にプライベートで完結することで、色々関係者に迷惑がかかると思うので明かせません。それにまつわる私の思考などは、書けますが、それで一つの記事になってしまうのでここには書けません。

 ちなみに、似たような事件はその後もいくつか身近で起こりました。何れの事件も特に私が思い入れのある人が被害者というわけではないので、ヒーローになりたいからフェミニスト名乗ってる、というような動機ではないと思います。そのような動機ならとっくに興味を失っていると思います。そもそも「私がフェミニストだ!」などと言いふらしたことはこれまで一度もないです。あえて今回このように自称したのは、今起きている事件が特定の利害に関係のないレベルで重大なことだと思ったからです。

 一つ確実に言えるのは、「差別される恐怖」への抵抗心が私をフェミニズムへの関心へと駆り立てたということです。差別の現場を見た時、自分は被害を受けないから関係ない、とは私は思えません。今回、私はインターネットで差別の現場を目撃してしまったので、無関心ではいられなかった、ということです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?