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私の本棚

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歴史小説、特にドキュメンタリー風の小説や、ミステリー、ドキュメンタリー、雑誌、コミック、ゲームブックなど、私の蔵書に関する話題やレビュー記事を。
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記事一覧

【歴史の話】【#読書感想文】破軍の星(北方謙三著)

概要 北方謙三先生が歴史小説のジャンルに進出してハードボイルド小説の手法を持ち込んだ、その初期のころの作品です。 余談  筆者は12月中旬に、福島県を訪問する機会がありました。  それに先がけて、何か福島にちなんだ本がないかと本棚を探したところ、この作品「破軍の星」を見つけたという経緯です。  南北朝時代初期の人物北畠顕家が国司として陸奥国に下向した際に、陸奥国府を多賀城(現宮城県)から、防衛しやすい霊山(現福島県)に移しました。  ただし、実際に今回筆者が訪れた場

【#わたしの本棚】私が二冊づつ持っている文庫作品

 読書好きのあるあるで、「お気に入りを二冊(以上)持つ」という習慣がありますよね。  紛失や破損に備えて、スペアを持っておくということです。  筆者にもそのようにしている作品がいくつかあるので、紹介したいと思います。  筆者の場合、ハードカバーやムック本のサイズでは収納スペースに困るので、文庫本に限りますけれども。 『聖の青春』 大崎善生著  藤原竜也主演でドラマ化され、のちに松山ケンイチ主演で映画化もされた、ノンフィクション小説の名作です。  この作品は、知人にすすめ

【歴史の話】【#読書感想文】昔作った駄作ゲームの元ネタを、20数年ぶりに見つけた

はじめに 筆者が20代のころ、当時のコンピュータゲーム制作補助ツール(アスキーの「ツクール」シリーズ)でいくつかPCゲームを作っていました。  閑つぶし感覚の駄作ばかりで、もちろん公開したり売り物にしたりしたことはありません。 ADV  一つは、「アドベンチャーツクール」。コマンド選択形式のゲームが作れるものです。  それで作ったゲームは、当時の大学の研究室の内輪ネタをてんこ盛りにしたもの。  ある年の面白い出来事が順番にやって来るのに対して、うまくコマンドを選ぶとフラ

【歴史の話】【#読書感想文】ぼくたちは「農耕民族だから平和的だ」という先入観を見直すべきかもしれない

はじめに  「西洋人は狩猟民族だから好戦的で、日本人は農耕民族だから平和的」  というイメージを筆者は持っているし、同じようなイメージを持つ日本人はかなり多いのではないでしょうか。  そのイメージは、事実とは異なるらしい。  実は古代史の分野では、これから書くようなことがすでに分かっているようなのです。  さらにこの記事では、日本人の平和感に斬り込んで、今現在日本でDXが進まないことの考察まで、書いてみたいと思います。 農耕と戦争 本格的な農耕が始まった弥生時代に、本格的

【#私の本棚】わたしが全巻揃えたコミック3作品

 こどものころ、筆者はジャンプ、サンデー、マガジンという、いわゆる少年コミック誌を読んだ記憶がありません。  マンガが嫌いなわけではなく、単に時間というコストをかける優先度が低かったのだと思います。  その証拠に、ゲーム雑誌『ログイン』『ファミ通』に連載されていた「べーしっ君」は毎回楽しみにしていたし、床屋とかによく置いてあった「ドカベン」「こち亀」「ゴルゴ13」などは待ち時間に読んでいました。  その筆者が、全巻購入して繰り返し読んだコミックが3作品あります。  引っ

【ゲームの話】【#わたしの本棚】ゲームブック界の藤子不二雄?

 拙記事「noteでゲームを作るには?」を書いたときに、ゲームブックの蔵書を確認して、思ったことがあります。 「火吹山の魔法使い」の著者「S・ジャクソン I・リビングストン」は、藤子不二雄のようであると。 ジャクソンとリビングストン 「S・ジャクソン」ことスティーブ・ジャクソンと、「I・リビングストン」ことイアン・リビングストンは、名作「火吹山の魔法使い」を共著で出版したあと、それぞれ単独でも多くの作品を世に出しています。  筆者の本棚を確認すると、「火吹山の魔法使い」