町田 憲昭(アナログゲーム作家/歴史研究家)

勝てば官軍?失敗は成功のもと?楽しめればそれでよし? 目的を持ってゲームを活用するため…

町田 憲昭(アナログゲーム作家/歴史研究家)

勝てば官軍?失敗は成功のもと?楽しめればそれでよし? 目的を持ってゲームを活用するためには準備が必要です。ぜひご相談下さい! アナログゲームを後世に残すことがライフワークの、歴史好きエンジニア

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【自己紹介】私の仕様書《Specification》

本業は 電機メーカーでハードウェア開発に携わるエンジニア。専門は論理回路検証、動画圧縮アルゴリズム、FPGA実装。 複業のきっかけ エンジニアも、アスリートや棋士などの職業と同じく、プロフェッショナルであるべき。  競争力が落ちたと自覚したら、いずれは自ら引退を選ぶのが望ましい。  そのときのために、第二のキャリアを準備することにしました。 副業のことゲーム活用アドバイザー  アナログゲームを作りたい・活用したいという方に、ルール設計のアドバイスをします。  詳細はこち

    • 【歴史の話】【お金の話】戦国時代の宅配便の料金はいくら?

       物流における「2024年問題」について、耳にしたことがありますか?  2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働は年間960時間が上限とされ、労働時間が短くなることで輸送能力が不足することを指します。  それだけでなく、ドライバーの収入が下がるという問題もあります。  それに対して物流業界は、ドライバーの離職を防ぐために運賃への転嫁を考えるわけですね。  トラックドライバーの労働環境が改善されるとともに、運送料金の値上げが予想されます。  ちなみに、「トラッ

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      • 【三国志の話】三国志沼にハマった二日間(後半)

         今月はじめにつぶやいた三国志イベント(3/16・3/17)に、幸運なことに二日連続で参加できました!  本記事はその後半、3/17(日)のレポートです。 早稲田大学総合人文科学研究センター・三国志学会共催シンポジウム「翻訳文学の多様性――三国志を中心に――」長谷川隆一(早稲田大学文学学術院講師) 「正史『三国志』翻訳の立場から」  長谷川先生は、渡邉義浩先生が編集されている「全譯三國志」(汲古書院)の執筆者の一人であり、その事例を紹介して下さいました。  まとめると

        • 【三国志の話】三国志沼にハマった二日間(前半)

           今月はじめにつぶやいた三国志イベント(3/16・3/17)に、幸運なことに二日連続で参加できました! 二松学舎大学文学部シンポジウム「三国志ワールドの展開:その時間と空間の広がり」 前半として、まず3/16(土)のほうです。筆者はオンラインで視聴しました。 はじめに  まず今回のテーマ「三国志ワールド」の代表として「パリピ孔明」が紹介されました。  「古代中国と現代日本」「覇権争いと音楽業界」という時間も空間も超えた広がりを持つ作品であるとともに、2019年のマンガ

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          今月東京で16(土)・17(日)と二日連続で、三国志関連のイベントがあります! 3/16は二松学舎大学。 https://www.nishogakusha-u.ac.jp/news/?contents_id=2532 オンラインでの視聴も可能です。 3/17は早稲田大学。https://sangokushi.gakkaisv.org/symposium/symposium.html こちらはリアルのみです。

          今月東京で16(土)・17(日)と二日連続で、三国志関連のイベントがあります! 3/16は二松学舎大学。 https://www.nishogakusha-u.ac.jp/news/?contents_id=2532 オンラインでの視聴も可能です。 3/17は早稲田大学。https://sangokushi.gakkaisv.org/symposium/symposium.html こちらはリアルのみです。

          【三国志の話】個人的な「三国志の登場人物リスト」を作る(その5 長命編)

           個人的にまとめつつある三国志の登場人物リスト。  その1では総人数の見積もりを出し、その2では同姓同名の人たち、その3では名前負けした人たちを、それぞれリストアップしました。  前回(その4)は、短命に終わった人たちの紹介でした。今回は逆に、長生きをした人たちです。 はじめに 長生きした三国志の登場人物といえば、一般的には孫権や司馬懿、黄忠のイメージかと思います。  しかし実際には、孫権は71歳、司馬懿は73歳で亡くなっています。(以降も含めて、年齢は全て数え年)  

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          【歴史の話】【#読書感想文】破軍の星(北方謙三著)

          概要 北方謙三先生が歴史小説のジャンルに進出してハードボイルド小説の手法を持ち込んだ、その初期のころの作品です。 余談  筆者は12月中旬に、福島県を訪問する機会がありました。  それに先がけて、何か福島にちなんだ本がないかと本棚を探したところ、この作品「破軍の星」を見つけたという経緯です。  南北朝時代初期の人物北畠顕家が国司として陸奥国に下向した際に、陸奥国府を多賀城(現宮城県)から、防衛しやすい霊山(現福島県)に移しました。  ただし、実際に今回筆者が訪れた場

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          【歴史の話】【お城めぐり】平成レトロのお城写真を発掘した (下)関東地方編

           今回も、ひと昔前に撮影したお城の写真の紹介です。今回は、関東地方の歴史の魅力に触れてみましょう  前回の記事はこちら。  まずは、関東地方には天守のある城が少ないという歴史をまず押さえておきたいところ。  江戸の周辺には将軍を守るための旗本の領地が多かったためです。  城を築くことが許されたのは、基本的には1万石以上の藩主と呼ばれる武士。1万石未満の武士が旗本で、城を持てなかった。  なので、関東地方では江戸時代初期までに廃棄された城跡が多く、今回は地味な記事になるこ

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          【歴史の話】【お城めぐり】平成レトロのお城写真を発掘した (中)四国編

           前回に引き続き、ひと昔前に撮影したお城の写真の紹介です。  今回は、四国地方の歴史の魅力に触れてみましょう。  前回の記事はこちら。   現存天守十二城のうち四つが四国に集中しているということで、一回の旅行でそれらを全て回ろうと考える城好きは多いと思います。  筆者も一度それを実行していて、そのときの写真たちになります。 丸亀城(香川県) 前回の記事で、アナログ写真時代は撮影枚数がとても少ないと書きました。このときもそうですね。  同じ日に行った金毘羅さん(金刀比

          【歴史の話】【お城めぐり】平成レトロのお城写真を発掘した (中)四国編

          【歴史の話】【お城めぐり】平成レトロのお城写真を発掘した (上)中部地方編

           タイトルの通り、USBメモリのデータを整理したら、ひと昔前に撮影したお城の写真がいろいろ出てきました。  大きく分けて「中部地方の城」「四国地方の城」「関東地方の城」の三つに分類して、三回に分けて投稿していきます。  まず初回は、中部地方の歴史の魅力に触れてみましょう。 浜松城(静岡県) これらの画像はアナログ写真をスキャンしたものですが、日付を入れていないのでいつごろの写真かは分かりません。  筆者は2000年代ではデジカメに置き換えたので、1990年代だろうと考

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          【三国志の話】とても易しくて実は難しい?「都はどこか」問題

          はじめに いきなりですが、「魏・呉・蜀それぞれの都はどこか?」という出題があったら、あなたならどう答えますか?  これは、三国志に関するクイズとしては、とても易しいものだと思います。  思うだけでなくて実際にも易しいのですが、しかし知識があればあるほど即答できないように思うので、考察してみました。 蜀 蜀については十中八九、いや、100人中97、8人は「成都」と答えるのではないでしょうか。  もちろん、正解です。  蜀の先主劉備は、221年に成都を都として皇帝となっ

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          【将棋の話】藤井竜王(当時)揮毫の扇子

           この記事のタイトル「藤井竜王(当時)」の表記には、二通りの可能性があることをまず説明します。 選択肢1 藤井聡太名人・竜王(2023年9月現在)が竜王を獲得したのが第34期(2021年11月)で、名人を獲得したのが第81期(2023年6月)。  タイトルを複数持っている棋士を「何冠」と呼ばずに、格式が最も高い名人および竜王の称号だけで呼ぶことを好む人もいて、筆者もその一人です。  そうすると、藤井聡太名人・竜王が「藤井竜王」と呼ばれたのは、ざっくり言って「2021年1

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          【三国志の話】三国志学会 第十八回大会

           今年はリアル会場で聴講しました。簡単にですが、内容をご紹介します。  自分が理解した範囲で内容を整理しましたが、記憶違いや誤認識があれば指摘いただけるとうれしいです。 毛宗崗本『三国志演義』における「忠」の方向性鵜浦恵(慶應義塾大学専任講師)  毛宗崗本は現在最も読まれている版本で、同じ江南系に属する李卓吾本がベースとなっているとのこと。  毛宗崗本は一貫して劉備を仁の人とするが、周辺人物の忠義の表現には蜀漢一辺倒ではない工夫が見られるそうです。 発表者のこれまで

          【三国志の話】三国志学会 第十八回大会

          【三国志の話】三国志大文化祭2023

           当日(9/3)にnoteでつぶやいたように、今年はライブ配信がなく、リアル開催のみでした。  オンラインで視聴する手段があると、(特に地方在住の人は)助かると思いますね。 魏書、華佗伝より、五禽戯について成澤正治(中国武術研究院 横浜武術院 代表)  成澤氏は1980年代より中国武術を始めて、2017年に日本で同団体を設立。  中国武術とも関わる健康法五禽戯の創始者が華佗であるとのことで登壇頂いたようだが、中国文化全般についてもかなり研究した人らしい。 毫州市につい

          【三国志の話】三国志大文化祭2023

          本日、三国志学会が開催されます。https://sangokushi.gakkaisv.org/taikai.html 学会からこの案内メールが来たのが8/31。つまり三日前。予定がある人は仕方なく、外出先からリモートで・・・と思うでしょうが、今年はオンライン配信ナシ。・・・え!?

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          【歴史の話】【#歴史小説が好き】司馬遼太郎の目を通して見る「勝海舟」

           みなさんは、勝海舟と言えば、どのような印象をお持ちでしょうか? 咸臨丸の艦長として太平洋を渡った優秀な蘭学者 坂本竜馬に国際的な物の見方を教えた開明的な思想家 西郷隆盛と会談して江戸の町を救った庶民の味方 ざっと、こんなところではないでしょうか?  勝は維新後は赤坂氷川に隠棲して、「氷川清話」という回顧録が残っています。  勝についての逸話は、つまり、勝自らが語った一方的な視点によるものが多いということも言えます。  筆者はそこに、歴史小説として書かれたときの視

          【歴史の話】【#歴史小説が好き】司馬遼太郎の目を通して見る「勝海舟」