見出し画像

唯我。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第240回】

今週は年始から早々に届いたニュー・リリースについて触れていければと思うのですが、まずは年末から話題になっていた大型コラボレーションであるリアム・ギャラガーとザ・ストーン・ローゼズのジョン・スクワイアによる新曲“Just Another Rainbow”の音源が公開されました。このコラボレーションは2022年6月のネブワース公演後にジョン・スクワイアが3曲のデモをリアム・ギャラガーに送ったことで始まったとされ、最終的にはプロデューサーのグレッグ・カースティンを迎えた3週間に及ぶロサンゼルスのセッションでまとまった数の曲が完成に至ったとのことです。

リモートで曲を作っている段階でジミ・ヘンドリックス、セックス・ピストルズ、ザ・フェイセズ、ボブ・マーリー、ビー・ジーズあたりの影響を受けたとプレス・リリースには書かれていますが、公開された“Just Another Rainbow”は確かに非常にサイケデリックなナンバーとなっていて、これだけ60年代のヴァイブを感じさせるオーセンティックなロック・サウンドを現行のアーティストから聴くのは個人的に久々な感じがしています。ただ、時代の趨勢を気にせずに自分の中に普遍的な世界があるというのはジョン・スクワイアにもリアム・ギャラガーにも共通することで、だからこそ2024年にこういうサウンドを鳴らせてしまうという時点で、このコラボレーションは成果を生んでいるとも言えるかもしれません。

次に触れておきたいのはブリング・ミー・ザ・ホライズンの新曲“Kool-Aid”です。先月の後半に差し掛かったところで、アジア・ツアーに参加していなかったキーボーディスト/パーカッショニストのジョーダン・フィッシュが脱退することを発表した彼らですが、今回の新曲“Kool-Aid”には『ザッツ・ザ・スピリット』や『アモ』のミキシングを手掛けたダン・ランカスターが参加したことが明らかになっています。そうした変化の影響が本人から語られるのはもう少し先になるでしょうが、“Kool-Aid”は『ザッツ・ザ・スピリット』あたりの雰囲気が再び感じられるような曲になっています。

最後に御紹介するのは本日1月5日にリリースされたスプリンツのデビュー・アルバム『レター・トゥ・セルフ』です。80年代のゴスやポスト・パンクの影響が感じられるアイルランドはダブリン出身の4人組なのですが、デビュー作はまだまだ粗削りの部分がありつつも、ずっと切れない緊張感の糸のようなものが通っていて、その上でこの人たちならではの爆発力が炸裂するという格好で、UKの『NME』もレヴューで五つ星を付けています。

Pic by Tom Oxley

『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
下記以外の26局 日曜日午前4時〜
Kiss FM KOBE 日曜日22時〜
FM山陰/FM宮崎 月曜日午前1時〜
FM山形 木曜日22時〜

#NMEJapan編集長がちょっと思っていること #NME #NMEJapan #エッセイ #音楽 #バンド #ロック #音楽レビュー #洋楽 #音楽コラム


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?