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この健康志向な世の中に

タバコはやめて、お酒もやめましょう。

よく聞く言葉だ。
だけど、僕の故郷は田舎であるが為かどうかわからないが、一切聞こえなかった。そこまでの健康志向の人が居なかったのだろう。それなりに生きて、好きに生きることができたら、それでいい。そんな考え。

都会に比べてゆっくりと時間が溶けていく。一日の時間がコーヒーに溶かした砂糖が少しカップのそこに残っているように、非飽和しているときだってある。何時までも時間が余っているような気がする。鳥のさえずり、寄せては返す波の音、ときどき通る車。そして、ゲートボールをするおじさん。子供達は圧倒的に少なく過疎化している。

そんな状態。人口が社会の劇場(ハブ)に飽和してくれたら、いいのにと思いを巡らす僕。

ね? 実にゆっくりなのだ。

煙草は体には良くない。それは、わかっている。僕は好まないが、嗜好品だし好きな方も多いだろう。でも、大半税金だというではないか。

Youtubeの動画で見たことがある。
「税金が6割じゃねーか!!??」と発狂している喫煙配信者。彼はヘビースモーカーでずっと吸っているから、本当にビビる。

5分に1回は吸っているのだから、肺が車のマフラーみたいになってないか、一ファンとして心配だ。


彼のようなヘビースモーカーは周りにいないと思っていたら、案外近縁にいた。
僕の伯父だ。彼はヘビースモーカーだ。物凄く吸う。一日2箱は普通らしい。それまで3箱以上吸っていたというのだから驚愕する。これでも減らしたようだ。

僕はおじさんの煙草の吸い方が好きだった。煙草の匂いは鼻に付くが、彼が吸う風景は好きだった。
小柄な体型、細めの眼鏡、大きなトラック。どれもアンバランスで、なんだかおかしい。

けれど、仕事の汗と煙草はかっこよかった。

8歳ぐらいのとき、だろうか。伯父さんの山に行くときのトラックはいつも煙草の匂いがした。それは余りに酷く、自分の孫にすら煙たがられるほどに。

僕は煙草は吸わないだろう。興味もないし、そんなにお金もない。多い人が1カ月、8万円とか掛かるらしいし、辞めとこうと思う。残念ながら、かっこつけようにも見せる人もいない。残念だが。

だが、僕はあの絵には憧れる。

あの絵には。

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