なぜ科学者たちは、人間のうんちのための銀行を作るのか?

なぜ科学者たちは、人間のうんちのための銀行を作るのか?

https://www.positive.news/science/why-are-scientists-launching-a-bank-for-human-poo/


ノルウェーにある、作物の多様性を保存するための地下種子保管庫のことをご存知でしょうか。そして今、科学者たちはうんちのための金庫を立ち上げようとしています。その理由は以下の通りです。
言葉による
ロビン・イヴリー2023年4月10日
健康科学社会
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冷凍庫の奥に埋もれた霜に覆われた謎の箱の恐怖に、誰もが遭遇したことがあるでしょう。微生物学者エイドリアン・エグリに思いを馳せてみてください。
エグリの冷凍庫には、先週の残り物ではなく、うんちが入っているのです。大量のうんちが。
ペルー、エチオピア、エクアドルといった遠方から送られてきた便のサンプルを集めて冷凍保存し、ノアの箱舟のようなものを作っているのです。微生物、つまり私たちの腸内に生息する何兆ものバクテリアのための箱舟を作ることで、彼ら、そして人類を存亡の危機から救いたいと考えているのです。
スイスのチューリッヒにある医療微生物学研究所の所長であるエグリは、「微生物が私たちの健康や病気にとってどれほど重要であるかは、まだ理解され始めたばかりです」と述べています。
"私たちのライフスタイル、加工食品、抗生物質の摂取により、特に西洋社会では、微生物の多様性が急速に減少しています。手遅れになる前に、今すぐこの生物多様性を救う必要があるのです。"
エグリのアイデアは、北極の永久凍土の奥深くに埋められた100万以上の種子サンプルの安全なバックアップ保管庫であるスバールバル世界種子保管庫にヒントを得て、作物の多様性を保存することを目的としています。
欧米社会では、微生物の多様性が急速に低下している。画像はイメージです: ダン・フリーマン
EgliのMicrobiota Vaultでは、私たちの体内や周囲に生息する微生物(総称して「マイクロバイオーム」)を保存することを目的としています。
しかし、食生活の乱れや都市化、抗生物質への依存などにより、微生物相の多様性は脅かされています。そしてそれは、私たち自身の健康、あるいは私たちの生存さえも脅かす可能性があるのです。
サンプルを後世に残すということは、例えば、長い間行方不明になっていた細菌が、いつか復活して培養され、病気の治療に使われるかもしれないということです。
Microbiota Vaultは現在、スイスを中心にプエルトリコやエチオピアの遠隔地の牧畜民のコミュニティから採取した約3,000個の便を保管しています(メイン写真)。
西洋社会では、微生物の多様性が急速に低下しています。手遅れになる前に救わなければならない
来年までのパイロットプロジェクトでは、微生物培養の保存、解凍、蘇生に最適な方法を探っています。
エグリの最終目標は、地球上のあらゆる場所からうんちを集めることです。そのためには、もっと大きな冷凍庫が必要です。
「Microbiota Vaultは、世界中から集められた何十万ものマイクロバイオームサンプルを保管する、安全で信頼できるバイオバンクになります」とEgliは言います。
"今後何十年もサンプルを保存するための確立されたプロトコルを持ち、全世界のマイクロバイオーム教育、研究、開発のためのネットワークを提供することになります。"
メイン画像 ハディニャー/iStock
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