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山口貴由『衛府の七忍』全10巻

鬼となった者、鬼を狩る者と聞けばかの国民的ジャンプ作品が想起されるが、これを読んでいる間は全く頭に浮かんでこない。

全然違う。

カクゴやハララの名を出すまでもなく、ここは傾奇まくりの山口貴由ワールド。

ガッツの如き宮本武蔵にディオの時止めを思わせる上泉信綱も、まつろわぬ民の迫害の歴史を些かも薄めること能わず。

強いて類似作を挙げるなら桃太郎卿に天草四郎の俤を見出す魔界転生だが、真田十勇士の大忍法"淤能碁呂"は山風超えの貫禄すら帯びて只々凄まじい。

シグルイの気迫にハッタリもケレン味も混ぜ込んだオノゴロ的傑作。



そもそも衛府の七忍とは誰なのか?

どうやら最後まで生き残った六人の怨身忍者プラス途中でフェードアウトした霞鬼ハララを指すらしい。

つまり七忍が勢揃いするシーンは、少なくとも作中では描かれていないのだ。

ハララの性格ならさもありなんな気もするが。

他にも、こちらが一方的に期待していた七忍VS徳川勢の最終決戦を敢えて避ける展開や、伏線さえ回収すれば事足れりみたいな昨今の風潮をガン無視する姿勢は潔さすら感じさせる。

最後の最後に桃太郎卿プラス金の字を出してくるのもいい。

最終コマにラスボスコンビ……続編あるのか??

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