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英文法ポラリス0 感想


対象読者

英文法ポラリス0を使おうと思っている、英文法ポラリス0を使うか迷っている、ポラリス1との違いや使い分けが分からない、今回はそういった方々が対象です。

長所

いくつか長所があるので順にあげていきます。

*初学者に配慮した徹底的な作り
問題集なのにも関わらず英語の勉強法や、問題集の進め方についてコラムなどを使って徹底的に説明がされています。そのおかけで、この本を読むだけでもかなり英語の勉強法について学ぶことができ、成果を発揮しやすく取り組めるようになります。先生は授業中、勉強法について結構触れる(英語の先生は勉強法に触れる先生が多い気がします)ので、その色が出た形になります。問題集の使い方も最初に書いていてもどうせ読まないだろと考えてなのかページの途中にいきなり出てきたり、コラムの所で入れていたりとついつい読んでしまうような工夫が施されていて、普段なら読み飛ばしてしまうような所も、意識せずとも自然と目を通させる作りになっています。

*薄い
英文法ポラリス1も薄いですが、0はもっと薄いです。そのおかけでかなり繰り返しやすいですし、どんな使い方をしても量が少ないので上手く使えるようになっています。ネクステなどを一年以上取り組み、量の多さが原因でまともに身につかず結局挫折してしまう現象が起こりがちですが、ポラリス0では量が少なく解説もしっかりしている(詳しくは別のポイントで)ので正直どんな使い方をしても、多少効率の差は出るものの挫折せずに取り組め、学力として身につきやすい作りになっています。

*単元毎になっている
単元毎になっているので、日常学習と並行させやすく、補強したい所が明確になっている人には集中して弱点を補強しやすい作りになっています。他のポラリスシリーズと問題の被りはないので、助動詞を補強したいときに、ポラリス0,1,2を縦に解くという使い方もできます。

*解説が丁寧かつしっかりしている
東◯のレベル別とは違い覚えろ、覚えろといった解説スタイルではなく、理屈や着眼点に重きを置いたものなので丸暗記の負担が最小限ですみます。加えて、着眼点の説明がポラリス1と比べてかなり上手くなっています。解説については長所が沢山あるので、この後に一つずつ扱っていきます。
誤答選択肢について基本説明はないのですが、英文法の知識があまり身についていない時の知識の定着目的で用いるので、別にその点は問題はないと思っています。逆にこの段階でそこまで解説をつけてしまうと、解説が多すぎて消化不良になってしまう恐れがあります。
熟練者が見下ろす用ではないので、このレベルにとっては最適な解説量です。

*いきなり問題ではなく単元の説明から入る
問題集といってもいざ取り組む時は、文法知識はまだ身につききっていないので、知識も理解もあやふやです。本書ではその点に考慮して、いきなり問題演習に入らず最初にその単元で大事な事や勉強法についての説明から入ります。具体的には攻略のコツは?何が重要?どう考える?+αは?という形で説明されています。
攻略のコツでは、その単元の捉え方や勉強の仕方、全体像が書かれています。 
何が重要?では覚えないといけないことがリストで纏められていたり、理解しないといけないことが明示されていたりします。
どう考える?では何が重要?で挙げられていることについて具体的な説明があります。理屈や、問題の解き方など知っておいて欲しい事がばかりです。
+αは?は何が重要?と同じ形で関連する内容のは覚えないといけないことがリストで纏められていたり、どう考える?と同じ形で理解しないといけないことが書かれています。
ここまで英文法について勉強法含め説明してくれる問題集はなかなかないのではないでしょうか。徹底的に入り口を入りやすくしてくれています。
※ただあくまで確認程度のものなので、わからない所があったり、初学だったりする人は、これだけで理解しようとせず、先に参考書や授業を受けたり総合英語を読んだりするようにしてください。英文法の核心と併せて使うのがオススメです。

*着眼点が一言でまとめられている
問題集や参考書を見る時にかなり重要視しているポイントの内のひとつです。問題を解く上での着眼点が一言でまとめられているので、似たような問題で次どのように解くべきかを意識しやすく、学習効果が高い作りになっています。ここはなかなか自力では難しい所なのでしっかり読み込んで欲しいです。先生が解き方を覚えるだ!と強調なさっているので、もしかしたらそれを意識した作りになっているのかもしれません。

*ふせん部分が深掘りを促進してくれる
覚えておきたい表現、プラスアルファの内容を付箋部分で説明してくれています。先生が授業中に問題の解説が終わった後に追加で説明するような内容です。こういった内容は自分ではなかなかしにくい部分なので、学習者にとってはありがたいと思います。

*Reviewで復習しやすい作りに
下に前で扱った英文法の知識についての問題がついているので、問題を解く時とは違った形・視点でアウトプットの練習ができるので、知識を定着させやすく理解を深めやすい作りになっています。この問題を解いた時に、なんのことだ?となったら該当箇所に戻ってみるのもいいでしょう。

*繰り返すことが前提の作り
取り組んだ日を書くスペースがあったり、チェック欄がついていたりとただでさえ薄くて反復しやすいのに、見える化して反復する動機を高めてくれる作りなっています。このより繰り返しやすく、繰り返したなくなる作りだからこそ学習初期段階の知識の定着を目的として作うには最適な一冊です。

*サプリ生の練習補強にうってつけ
同じポイントを別の問題で練習でき、さらなる習熟に繋がりますし、関先生のサプリの文法では扱わない否定や倒置についても扱われているので、既知の知識の使う練習をしながら、細かい部分の補強もすることができます。

正直短所はないです。
使用目的、作成意図とはずれた、網羅度が足りない、初学者向けではない、これでは受験には対応できない、長文が読めるようにならない、などいちゃもんレベルでなければ、短所を上げることができません。

ポラリス1との違い

よく似ていると言われますが個人的にいくつか違いを感じていますので、そこに触れていきます。
*項目が違う
最初のまとめページの何が出るかから何が重要かに変わっています。

*コラムの方向性が違う
コラムが文法知識のまとめから勉強アドバイスに変わっています。世界一わかりやすい英語の勉強法に載っているような内容です。この本をどう使えばいいか、どう勉強して行くべきかなどかなり詳しく扱われています。

*付箋コメントの方向性が違う
付箋の所のコメントがポラリス1は問題の解く上でのポイントや、問題での狙われ方について書かれていて入試よりなのに対して、ポラリス0はプラスアルファで押さえて起きたい内容、日常的な使われ方、問題中で出てくる押さえておきたい表現の解説など文法のさらなる解説になっていて文法自体の深掘りについて書かれています。

*扱っている内容や量が少ない
ところどころ最初の説明や問題部分のページが数ページ少なくなっています。だいたいは同じなのですが、内容面もそのレベルにしては発展的な内容の説明、問題が一部省かれていたりします。その分基礎的な内容が手厚く扱われています。
扱い方にも少し違いがあります。
1は割と満遍なく扱われているのですが、0は最初の説明では触れずに問題だけで軽く触れたり、逆に、最初の説明で触れているのに問題では触れなかったりと扱われ方に違いがあります。

*解説が上手くなっている
解説の一言で要点、着眼点が纏めららていてポイントがわかりやすくなっていて、解説自体も丁寧になっています。ポラリス1よりずっと解説が上手いです。ポラリス1は青チャートのようにまともな着眼点は書かれていない物(もちろん一部はまともなものもある)も多くほぼ結論めいたものしかないものが目立ちます。そのため、1を使う人は0も一緒に使って欲しいです。

*おまけ 問題数の違い
ポラリス0 258 
ポラリス1 375

ポラリス0と1の使い分け

ポラリス0は英文解釈に入る前の文法知識の定着用に、ポラリス1は日東駒専レベルの展開問題の習得というように使い分けてもらうのがオススメです。ポラリス0は、0をしていると1の量を多く感じてしまうほどに薄いので勉強に慣れていない人、英文法の知識が固まりきっていない人でも無理なく取り組むことができます。

注意点

*問題の知らないこともしっかり覚える
最初のまとめのページには出てこず、問題解説の中でしか出てこない重要事項もあるので、最初の説明部分は覚えて、問題の解説部分に出てきたことは覚えないなどといった使い方はしないでください。0に載ってる内容は知らないといけないことばかりなので、知らない事があれば問題の所であっても危機意識を持ってしっかりと覚えるようにしてください。覚えやすいよう工夫されていますし、また覚える場所もしっかりと明示されているのでしっかり覚えましょう。

*先に説明系の参考書や授業を受けておく
いくら解説が丁寧でもあくまで問題集なので初学者には厳しいです。何かしら説明を受けてから取り組みましょう。
0に取り組むつもりならこちらがオススメです。

もちろんスタサプのスタンダード英文法でも大丈夫です。

オススメの使い方 

英文解釈に入る前の知識の確認・定着に使うのがオススメです。
具体的な使い方についてはこちらを参照してください。

薄くて取り組みやすいので、終わっても知識の復習目的で解釈をしながら、長文をしながら定期的に取り組み直すことをオススメします。

与太話

同じ内容を説明する時でも他のポラリスと比べ説明の言い回しが結構異なっていたので、一から書き上げている感じが強く、シリーズものでありながらも作りの丁寧さが出ている一冊だと感じました。
関先生の簡単な参考書でありがちな舐めるなよっ!という意味合いで難関大学の問題も一部入っている作りは、先生らしいなと思いました。

受験生の参考になれば幸いです。


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