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私大現代文 参考書ルート

対象読者

私立大学志望で現代文を受験科目として使用するという方

注意点

このルートはメインは早稲田志望を想定しています。MARCHや関関同立志望の方には、変更点も明記しているので、そちらを参照してください。

このルートは、学習量が多い早慶志望の方をメインにしていることもあり、内容量を極限まで削りつつ他教科と並行させやすい構成にしています。削っている分少し粗が出てくることはご了承ください。目次からわかるように粗が出ている部分は、可能な限り質問解答コーナーで対応していく予定です。

社会の過去問演習や英語の学習で恐ろしい時間が取られてしまい、そちらに十分な時間を割いてもらうために、本当に必要最低限の内容になっています。

参考書ルート

1.現代文テーマとキーワード※1+読解トレーニング+〈ビブリアor高校生の漢字語彙が一冊でわかる本〉
     ↓


2.はじめての入試現代文+キーワード読解※2


     ↓
3.はじめての次の入試現代文


     ↓
4.基礎問題精講+高校生のための評論文キーワード※3


     ↓
5.早稲田の国語※2+便覧※2

※1早稲田志望以外の方は言葉はちからだに変更
※2早稲田志望の方のみ
※3早稲田志望の方のみ

ルート解説

1.まずは読み方を学んでいただきます。現代文トレーニングは、基礎的な参考書なのですが、読み方に特化してくれているおかげで、このレベルでは非常に珍しく頭の動かし方、言葉への反応の仕方、予測の仕方、文章の整理の仕方などについて学べる貴重な一冊になっています。これに取り組むことで、字面読みから脱却できますし、文章の内容が覚えられないという悩みもなくなります。しかも、文章の構造図が丁寧についており、それを使ってこの段階から構造的に読む練習をしていけば、後々キーワード読解や基礎問題精講を取り組む際、同じ事をし練習になるのでかなり楽になります。実際に取り組むと簡単だなと感じるかもしれませんが、みくびらないようにしてください。簡単なことこそ正しく行い、難しい事にも応用できる形で学んでおかなげればいけません。英語、数学、スポーツなどで想像してもらえれば、わかりすいと思いますが、簡単な問題や、レベルが低い時はなんとなく単語をつないで読めたり、手を動かしていたら解けたり、我流でいけたりします。しかし、難しい問題やレベルが上がってくるとそのなんとなくという「感」や自己流は通用しなくなります。それと同じです。簡単な事こそ、応用できるように意識的に学習しておかなければいけません。
具体的な使い方は、一周目に、上記で話したことをまずしってほしいので、ザット通読してください。読みのポイントを抜き出す意識で1周目取り組むと2周目が楽になると思います。2周目以降は、文章の整理の仕方と言葉への反応の仕方、予測の仕方も含めた頭の動かし方を再現できるようにしてください。論理の整理の欄も自力で書けるようにしてください。お気持ち程度に問題もついていますので、これも解けるようにしておいてください。これらができるようになったら次に進んでください。
並行して、キーワードの参考書の現代文読解テーマとキーワードど、漢字語彙の参考書のビブリアに取り組んでください。前者は、類書にはあまり載っていないテーマや人物まで扱われており、早稲田志望の方には最適な参考書になっています。早稲田以外の方は、この参考書ほどの知識は必要ないので、言葉はチカラだの方を使ってください。最初は読書感覚でよんでもらい、そのあと少しずつ覚えていってください。
語彙は単語帳のように毎日一定時間学習するようにしてください。最初は語彙→意味→例文でどんどん音読していってもらうといいと思います。それで、意味が覚えられたら類義語、反義語も覚えていくようにしてください。もしビブリアを使いたくないということであれば、意味が載っているものであれば他のものを使っていただいても構いません。可能であれば、類義語、反義語が載っているものがいいです。
高校の漢字語彙が一冊でしっかりわかる本もオススメです。しかし、こちらは小説語句の扱いがかなり軽いので、志望校で小説が出る場合そこだけ別途補強しておかなければいけません。

2.次は解き方です。はじめての入試現代文に取り組んでください。この本は問題の解き方に特化した参考書で、どの設問にも共通する解き方や私立の多種多様な設問への対策についてまなべます。しかも、重すぎない記述対策までついているので、私立大学を志望している方にはぴったりの参考書になっています。取り組み方は、1周目は解説を納得することに重点をおいてください。2周目からは、学んだアプローチ方法や手がかりを意識的に使って問題を解き、解説を再現できるようにしてください。5講より前は、解き方の紹介的な側面が強くアプローチ方法も直接使うものしか書かれていないので、2周目から意識的に他のポイントも使うようにしてください。アプローチ方法を守りつつ、白紙の状態に解説を再現できるようになったら次に進んでください。この本は2冊セットで一冊目だけだと、内容的に十分ではなく疑問に思う所もあるかもしれませんが、次に取り組むはじめての次の入試現代文で解消されるので心配しないでください。
並行して、実際の入試の文章でキーワードの使われ方を学びながら、文章を構造的に読むトレーニングをキーワード読解を使って取り組んでください。全く同じものでなくてもいいのですが、今まで学んだ読み方を使って、下の読解ポイントの構造図や要約を再現できるようにしてほしいです。

3.ここから、さらに解き方に応用力を持たせるために、より実践に近いレベルの文章で学習していきます。使うのは、同じシリーズのはじめての次の入試現代文です。ここで、小説、随想と評論以外のジャンルの読解法も固めながら、整序や脱文挿入などの設問の対策をしていきます。この参考書をするときは、前作を必ず復習しながら取り組みフォームを崩さないようにしてください。加えて、前作で学んだアプローチ方法を必ず実践し解き方を自分のものにしていってください。この2冊に取り組んでいただけたら、押さえておかなければならない設問解法や記述のポイントは押さえられます。前作と同じように、白紙の状態何も見ずに説明できるようになったら次に進んでください。前作も含めてですが、このジャンルや設問形式は志望校に出ないからしなくてもいいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私大は傾向が変動しやすいので、飛ばさず取り組むようにしてください。

4.次に問題演習です。基礎問題精講を使って、いままで学んできた読解法をより実践的に使えるように補強しながら、学んできた読解法を使いこなしていく練習をしていきます。さらにここで本番レベルの長さの文章の構造を掴む練習をしていきます。この構造を掴む練習が厳しい場合は、読解トレーニングやキーワード読解にもどり、構造が掴めないものが確認して、あれば掴めるように練習しておいてください。この基礎問題精講は類書と比べて、本文に論理関係が書き込まれていたり、頭の動かし方や読解ポイント、答えまでの過程、その問題で持ち帰って欲しいポイントが明確になっていて非常に学習がしやすいです。これのおかげで非常に独学しやすく、内容を消化しやすい参考書になっています。他の参考書と同様に、白紙の状態に何も見ないで解説を再現できるように復習してほしいです。そして、はじめての入試現代文のシリーズで学んだ読みつなぎの技術を鍛えるためにも、本文の対比やイコールの書き込みも自力でできるようにしておいてください。
同時並行で、高地トレーニング用とより深い背景知識の理解のために、高校生のための評論文キーワードにも取り組んでください。この本は受験勉強としてそれない範囲で、今まで学んできたキーワードの背景や使われる文脈などについてより踏み込んだ説明がされており、キーワードへの理解を深めながら高地トレーニングをすることができます。コラムで哲学者についての説明もあり早稲田志望の方にとってはぴったりの内容になっています。読者感覚で通読してください。次の早稲田の国語に入るのが厳しい方は、この高校生のための評論文キーワードをより丁寧に読み込んで理解できるレベルを上げてから取り組んでいただけると、スムーズに取り組めます。

5.最終調整の過去問演習です。今まで身につけ力を総動員して取り組んでください。まちがえた問題はどこで、どのように間違えたのか。どうすれば正解できたのかを徹底的に分析してください。この時は、最初答えだけ確認して解説は見ずに、今まで学んできた読解法を使って分析するようにしてください。それが一通り終わったら解説を見てください。これをするしないで一問からの吸収量がかなり変わります。解説を読んで知らない視点があったら吸収するようにしてください。
最近の早稲田は法学者、哲学者の主義や思想に関する文章が出ており、それらのことを知っている前提の文章が出てくることが多いです。したがって、過去問をしているなかでそういった人が出てきた時は、主義、主張、思想を便覧などで調べておいてください。現代文テーマとキーワードや高校生のための評論文キーワードで最低限の人物は押さえているので、量もそこまで多くならないので便覧などで調べてまとめておくといいと思います。過去問演習をしていく中で、現代文読解テーマとキーワードや高校生のための評論文キーワードで人物や主義思想、テーマなどを、出てきたものと絡めながら押さえていくと、より実践的な生きた知識になります。

質問解答コーナー(随時募集)

ルート内の参考書で、この問題理解できないイマイチ腑に落ちないというものがあれば質問箱に投げてください。可能な限り対応していきます。

P.90の①の選択肢解説の補足
この問題の「他の個体」は限定条件の「その場合」からもわかるように(一文チェック+文法チェック 指示語)、同種他個体と異種個体の両方のことを指しているので、一方だけ(同種他個体)のことを説明している①の配偶者のめぐって競い合うの部分は間違いです。参考書の関係がないからという記述は誤解を招くかもしれません。
そして次です。傍線部の 他の個体「も」環境を構成する要件となるより、共通要素を持つ並立構造を作る「も」がある(傍線チェック)ので、何と何が並立されているのかの把握すると、ここでは環境と他の個体が並べられています。わかりやすいように環境をA、他の個体をBとします。
傍線部と選択肢のSVの文構造(文法チェック 文構造)と選択肢の共通構造からわかるように、選択肢の ある個体にとって、〜に加え、・・・もまた環境の一部となること。の〜部分がA・・・部分がBにそれぞれ対応しています。したがって、Aには(一般的な意味での)環境についての説明が入っていなければいけません。しかし、選択肢の①では種の存続を担う子孫のような存在と他の個体であるB側の説明が入っているので、間違いになります。

受験生の参考になれば幸いです。

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