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Tele-elmarit 90mm/f2.8 1st(FAT)

「百聞は一見にしかず」
「体験することでしかわからない事がある」
いくらググってみても、本を読んで得た知識でも、経験することにはかなわない。
僕がマニュアルレンズを使用してみた感想は、概ね上記のようなことです。
でも、レンズを購入検討するなら、少しでも情報があった方が良いですよね。
僕は、そんな購入検討されてる方のお役に立ちたい。
なぜなら自分が購入する際に、参考に出来る情報が余りに少なく、ほぼ清水の舞台から飛び降りるに等しい状況だったので…。

そもそもレンズ云々を語るには素人過ぎる僕ではありますが、実際に自分が人柱として購入・使用してみたレンズの感想を、長期的に報告していきたいと思います。

Tele-elmarit90mm/f2.8 1st


通称FATと呼ばれる中望遠レンズです。
FATの名の通り、ずんぐりむっくり、可愛らしさのある外観です。

ポートレイト用途で、妻やむすめをより可愛く美しく撮りたい…、そう思ってました。
そのために中望遠レンズがいいと聞きました。
なぜなら、中望遠は歪みが少なく、肉眼で見た時に近い表情が撮れるらしいのです。

また、望遠ならではの圧縮効果というものも、被写体を際立たせる要素になるとのことでした。


前回記事にしたc_sonnar 50mm f1.5でマニュアルレンズに慣れた僕は、次はleicaと心に決めて、本レンズの購入に至りました。

タイトルのアイキャッチ画像は、むすめの七五三の写真ですが、これぞ中望遠!圧縮効果で、背景がすぐ後ろに迫って、まるで絵画の様に見えます。
この一枚が撮れた時、「元は取ったな」と確信、これは手放せないレンズになると感じました。

とってもリーズナブル

ところで、leicaといえば35mm・50mmに人気が集中しており、90mmはレンズが大きくなることもあり、あまり人気は高くないようです。
そのお陰で、素晴らしいレンズが比較的安価に手に入ります。
僕が入手したtele-elmarit90mmf2.8も10万円とレンズのコンディションからして大変リーズナブルでした。

10万円のどこがリーズナブルか?とは思いますが、35mmや50mm、また現代leicaレンズと比較すれば、これでもとってもお買い得なのです。
特に私が手にした個体は、レンズに拭き傷もなく、鏡筒に汚れやダメージもない、製造後半世紀を経たとは思えないレベルでしたので、実に良い買い物が出来たと思っています。

コンパクト

尚、leicaで90mmといえば、他にsummicron90mmかelmar90mm、elmarit90mm辺りが候補にあがると思います。
これらの中で、レンズのコンパクトさ(主に長さ)において、最もアドバンテージがあるのが、tele-elmaritかと思います。
僕の中では、カメラもレンズも持ち出してナンボ!気軽に持ち出せないカメラもレンズも、無用の長物なのです。
ですから、コンパクトというキーワードは絶対に外せない要素!レンズ選びは最も頭を使うところです。
ちなみにelmar90mmの沈胴ギミックは所有のsigmafpにて使用可否が不明だったため、私は選外とさせて頂きました。

遠景もいける!絞っても素晴らしい!

夏の暑さが残る9月のある日。
僕たち家族は和歌山マリーナシティに出掛けました。
連休ということもあり、人もそこそこ多く、それほど近づけないため、f値を5.6に固定し、離れたところから置きピンで構図だけを考えて連写。
2〜3枚当たれば良いや、くらいのつもりで撮ったのがこちら。

画像1
画像2

正直、現像して驚きました。
繊細な輪郭、錆びや金属の質感など、こんなにもリアルに映るものか、と思いました。
それって肉眼で見た以上のリアリティとでも言いますか、肉眼では見ることのできない世界なんですよね。動いているものを静止状態で見れる、その瞬間を切り取っている。
とても興奮したことを覚えています。

繊細さ

本レンズの特徴を、僕は「線の細さ」だと思っています。線…輪郭の細さ、細かさ、繊細さとも言えるでしょうか。この部分が、上で説明した、「細部までのリアリティ」に通ずるように思います。線が太いと潰れてしまうようなものも、細いから描くことが出来るのだと思います。

このレンズが入り口となり、僕はleica沼にその身を沈めることとなります。この次に購入するのはDR summicron50mm f2.0なのですが、こちらは変わって力強い描写が特徴です。

悪いところは特にない

ほんとに悪いところは見当たりません。とにかく僕はこのレンズが大好きです。
ただひとつ、思い当たる弱点としては、ハイライトが白飛びしがちということくらいですかね。

ポイントは距離感

90mmは画角が狭いため、少し長めの距離感が必要になります。また最短撮影距離近辺ですと、かなりピントも薄くなります。子供と2人の時は、子供が不安がって近付いてきてしまうなど、適切な距離感が保てずにピンボケ写真を量産してしまうかも知れません。

まとめ:ひとことで言えば優しい描写

主観でしかありませんが、私の印象はこちらです。とにかく優しい。

ね?
優しいでしょう?
優しいは愛、愛が溢れるレンズなのです。
ご清聴ありがとうございました♪

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