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トピックモデル(LDA)について超分かりやすく解説します

今日、
私たちの周りには、
膨大な量のテキストデータが溢れています。
ニュース記事、
SNSの投稿、
書籍など、
日々大量のテキストデータが生み出されているのです。

この膨大なテキストデータの中から、
何か価値のある情報を引き出すことができれば、
ビジネスや研究に大いに役立つはずです。

こう考えると、大量のテキストデータは、
まさに、データ活用の"金脈"と呼べるでしょう。

そこで注目されているのが、
トピックモデルと呼ばれるです。

この記事では、
トピックモデルの概要と
その代表的な手法であるLDA(潜在ディリクレ配分法)について、
超分かりやすく解説していきます。

大量のデータから、
自動的に潜在トピックを引き出す方法を掴んでいきましょう。




トピックモデルとは?


トピックモデルとは、
テキストデータの中から、
潜在的な主題(トピック)を発見する手法です。

具体的には、
文書に含まれる単語の共起関係から、
文書の内容を特徴づける潜在トピックを見つけ出します。

例えば、ある文書に
「りんご」
「みかん」
「果物」
「甘い」
といった単語が多く登場していたとします。
そうした場合、
LDAはその文書の主なトピックが「果物」であると推定するのです。

そして、
各文書がどのトピックを何%含んでいるかを推定するのが
トピックモデルの大きな特徴です。

例えば、
トピックモデルを使うと、
あるニュース記事は
「果物」トピックを70%、
「料理」トピックを20%、
「旅行」トピックを10%、
含んでいると推定できるのです。

LDA(潜在ディリクレ配分法)の仕組み


では、具体的にどのような方法で潜在トピックを見つけだすのか?

代表的な手法である
LDA(潜在的ディリクレ配分法)の仕組みについて
見ていきましょう。

【少し詳しく….】
「潜在ディリクレ配分法」の「ディリクレ」とは、確率論の分野で使用される確率分布の一つを指しています。
ディリクレ分布とは、複数の確率変数の確率分布を表す一種の多変量分布です。具体的には、複数の確率変数の和が1となるような確率分布を表します。
LDAでは、各文書がどのトピックを含むかの確率分布をディリクレ分布でモデル化しています。つまり、各文書は複数のトピックを含んでおり、それらの組み合わせの確率がディリクレ分布に従うと仮定しているのです。


LDAでは以下のような流れで動作します。

1.文書集合に潜在的に存在すると考えられるトピックの数を設定する

  • LDAでは、文書集合の中に潜在的に存在すると考えられるトピックの数を、あらかじめ設定します。

  • 例えば、10個のトピックなどと設定するのです。


2. 文書集合から単語の出現頻度を数える

  • 分析対象となる文書集合からすべての単語を抽出し、各単語の出現頻度を数えます。

  • 例えば、「りんご」が100回、「みかん」が80回、「果物」が50回出現したといった具合です。


3.各文書がどのトピックを何%含んでいるかを推定する

  • 次に、各文書がどの程度各トピックを含んでいるかを、確率分布として推定します。

  • 先ほどの例では、ある文書は「果物」トピックを70%、「料理」トピックを20%、「旅行」トピックを10%含むと推定されるのです。


4.各トピックを特徴づける単語の集合も推定する

  • 同時に、各トピックを特徴づける単語の集合も推定します。

  • 例えば、「果物」トピックを特徴づける単語として「りんご」「みかん」「甘い」などが推定されます。


これらのプロセスを経ることで、
大量の文書データから、
自動的にトピックを発見し、
各文書がどのトピックに属するかを定量的に把握できるようになるのです。


LDAの特徴と活用事例


LDAの大きな特徴は、
機械学習によって
文書とトピックの関係性を自動的に発見できることです。

この特徴を活かして、以下のような分野で活用されています。

  • 文書分類: ニュース記事やWebページなどを自動的にトピック別に分類

  • 情報検索: ユーザーの検索クエリ(例えば「果物の健康効果」)に合った関連文書を効率的に見つける

  • 推薦システム: ユーザーの嗜好(例えば「果物」に興味がある)に合ったコンテンツを自動で提案する

このように、
LDAを使えば、大量のテキストデータの中から、
自動的にトピックを発見し、活用することができます。


Pythonを使ったLDAの実装


Pythonのgensimライブラリを使用して
LDAモデルを実行する基本的なコードの例をご紹介します。

この例では、文書集合(コーパス)を前処理して、
LDAモデルを訓練し、各トピックを表示します。

from gensim import corpora, models
from nltk.corpus import stopwords
from nltk.tokenize import word_tokenize
import nltk

# NLTKのストップワードをダウンロードします(初回のみ必要)。
nltk.download('stopwords')
nltk.download('punkt')

# サンプル文書
documents = [
    "Human machine interface for lab abc computer applications",
    "A survey of user opinion of computer system response time",
    "The EPS user interface management system",
    "System and human system engineering testing of EPS",
    "Relation of user perceived response time to error measurement",
    "The generation of random binary unordered trees",
    "The intersection graph of paths in trees",
    "Graph minors IV Widths of trees and well quasi ordering",
    "Graph minors A survey"
]

# ストップワードの除去とトークナイズ
stop_words = set(stopwords.words('english'))
texts = [[word for word in word_tokenize(document.lower()) if word not in stop_words]
         for document in documents]

# 単語の辞書を作成
dictionary = corpora.Dictionary(texts)

# コーパスを作成(文書ごとの単語の出現頻度を計算)
corpus = [dictionary.doc2bow(text) for text in texts]

# LDAモデルの訓練
lda_model = models.LdaModel(corpus, num_topics=3, id2word=dictionary, passes=15)

# トピックの表示
topics = lda_model.print_topics(num_words=4)
for topic in topics:
    print(topic)

【コードの説明】

❶まず、文書を小文字に変換し、
NLTKのword_tokenize関数でトークナイズ(単語に分割)しています。

❷英語のストップワード('the',など意味の薄い共通単語)を除去します。

❸文書から単語の辞書を作成し、各文書を単語の出現頻度のベクトルに変換しています。

❹これらのベクトルを用いてLDAモデルを訓練し、最終的に各トピックにおける代表的な単語を表示します。

gensimLdaModelでは、
num_topicsでトピックの数を指定します(ここでは3にしています)。passesは訓練の繰り返し回数で、
この値を大きくするとモデルの精度が向上する可能性がありますが、訓練に時間がかかります。

このコードは基本的な例であり、実際の文書集合や要件に応じて調整する必要があります。

まとめ


今回は、トピックモデルの代表手法であるLDA(潜在ディリクレ配分法)について解説しました。

LDAは、文書集合の中から潜在的なトピックを見つけ出し、各文書がどのトピックを含んでいるかを推定する手法です。

この特徴を活かして、文書分類、情報検索、推薦システムなど、様々な分野で活用されています。

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