不登校エッセイ#1 遠ざかるランドセルを見て涙が出そうだった話
涙が出そうだった
目の前に小学生の男の子がひとりトボトボ歩いている。
もしかして遅刻?
それなら親も一緒じゃないといけないはず。
どうしたんだろう。
声をかけようか迷っていたら
横道からもうひとり男の子が出てきた。
先を歩く子に駆け寄っていく。
良かった。
ひとりじゃないんだ。
そうこうしているうちにもうひとり男の子が合流した。
3人で楽しそうに何やら話している。
さっきまで心細そうだった背中が頼もしい。
息子が不登校になる前
あんな風に友達と一緒に歩いていた。
何が違ったんだろう。
鼻の奥がツンとする。
桜吹雪の中、黒いランドセルが小さくなっていく。
「いつまでも仲良くね」
心の中でつぶやいた。
#創作大賞2024 #エッセイ部門 #不登校エッセイ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?