シュレディンガーの人々

映画に出た。エキストラで。

「パラレルワールド・シアター」という映画。

劇団の主催が3年振りに本公演を行うコトになり、昔の仲間を集める話。それぞれの思惑が舞台と交錯して虚実混じった話になっている。

とある飲み会で監督さんとご一緒させてもらったコトがきっかけ。エキストラを探していると言われ、日時的にOKだったので連絡先を交換した。それから数日後、それらしい格好で銀座へ。芸能関係やクリエイターが集まるパーティーのモブをやった。

ジャケットにジーンズという、カジュアルとフォーマルの中間を気取ったような格好だった。髪も青かったので丁度良かったのかも知れない。もちろんちょい役なのでほぼ映らない。

(うっすら予告に映ってた)

1月の終わりから上映が開始されるとのコトで連絡をもらった。そして初出演映画(?)なので記念に見に行ったのが昨日の話。

単館というか、東京の大塚でしかやっていない映画なのだけど、劇場は満席だった。リピーターも居たのだろうか。上映時間は2時間ほど。やや長い印象だったけど、その分見応えもあった。集団で何かを作ったコトのある人や、夢の区切りをつけられなかった人にはグサグサささる内容だった。

冒頭、量子力学の話が出てくる。「あの扉が開くまでは、僕らはまだ誰にも観測されない」といった風なセリフが出てきて、一気にこの映画が好きになった。そこで暗に提示された「シュレディンガーの猫」がモチーフとなり、物語のラストシーンで主人公達はありえた未来へ一瞬だけ手を伸ばす(と僕は解釈した)。それが救いのように見えた。

この間も書いたけど、作品は完成したら終わりではない。

世の中に送り出して、そして誰かに届いた瞬間からその作品はこの世界に「存在」し始める。それまでの観測者は、作った当人しか居ない。

誰かに観測されるまで、未来は確定しない。クラウドファンディングから始まったこの映画が色んな人に観測されて、存在し続ける作品であってほしいと、心から思った。

2019/2/9で終わりなので、ご興味あればぜひぜひ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?