のばら

「世界を変える保健室」を夢見てNsから養護教諭になりました。

のばら

「世界を変える保健室」を夢見てNsから養護教諭になりました。

最近の記事

2023上半期 覚書10

これを書き始めたきっかけは、通院しているカウンセラーの先生に、「今は辛い、暗い気持ちが多いかもしれないけど、良かったことや嬉しかったこともあったよね?それを丁寧に思い出してみたら」と言われたからだ。 私にとって2023上半期に起こったことを、しんどいだけの、辛いだけの思い出だけにしたくなかった。 そんなことなかったから。 総じて思い出すと、たくさんの人に出会った。 一期一会の人も多かったけれど、一人の人に向き合おうとする姿勢を常に持つ努力はしていたと思う。 その人のことを知

    • 2023上半期覚書 9

      いつも、作業所の仕事の帰りに寄ってくれる地域の人達がいた。 バスで通勤していて、その帰りのバスを待つために、本を読んだりiPadを借りて調べ物をしたりして過ごしている。 Cさんは、定位置の窓際のすみに座って、iPadを使ってアイドルや女優の画像を調べて見るのが好きな人だった。 「今日は誰を調べているの?」と聞くと、「今日はアイドル!AAAの子!」とどんな顔なのか教えてもらったりした。 持ち歩いている紙のメモにはたくさん名前が書かれていて、調べたい人のことをテレビを見るたびに

      • 2023上半期覚書 8

        8個目。何を書こうかなと迷った末に、ふとあの夜のことが思い浮かんできた。 私にとって重要な人の誕生日パーティだ。 1番最初に丹後に行った時紹介された人で、つながりの交差点になっているその場所で、「まちづくりって言葉嫌いなんだよね」と語った。それから“まちづくり、つながり”をキーワードにしていた私たちにとってずっと印象的になっている。 私が単身赴任してきてからもとても良くしてくださって、何かと気にかけてもらっていた。 そんな誕生日パーティ。 なんと24時間開催するという。

        • 2023上半期 覚書7

          好きなことを「好き」と人にいうことが苦手だった。 自分は好きだけど、それを人に言うことに自信が無かった。 相談員や高校生たちが堂々と「私はこれが好き!」と言っているのを見て、すごいなぁと思った。 すごい、というか、羨ましいというか。 その姿はとてもキラキラしていたから。 ある日、探究の授業のため高校生がやってきた。 丹後の伝説について探究しているという。 まさに私が好きな分野のひとつであった。 しかもこれから、専門知識を持つ人達が彼女のために集まるという。私も一緒になって

        2023上半期 覚書10

          2023上半期 覚書6

          気がついたら年も明け、2024年が始まっている。 情けない事だが、11月後半から年明けまでの記憶が曖昧だ。 独りで何かと戦ううちにどうやらうつになっていたらしい。指定難病というオマケ付きだ。 とりあえず10まで、と思っていたこの覚書も、やっと続編が書けそうになったので筆を進めることにした。 前回の彼(Aくんと呼ぼうかな)とはじめて企画したのが映画を見る会だった。 私にとってなにか企画するということは生まれて初めてで、これを企画とするのも、あの時はそうとも思っていなかった。

          2023上半期 覚書6

          2023上半期 覚書5

          「ただいま」と言わんばかりの勢いでガラスのドアを開けた彼は、いつも通りといった風に鞄を置いて椅子に座った。 そして、今日のできごとを相談員に話していて、私をちらと見て、またいつもの相談員と話し出した。 まあ、私は新入りだし、仕方ないかな、と少し心の奥で笑う。 その後、軽く自己紹介をしたりして、なんとなく三人で話すうちに、彼がよくここに来る高校生だということが分かった。 ちょっとシャイな感じの彼は、相談員とはなんでも話せる間柄の用で、ふたりの信頼関係を感じた。 いずれ私に

          2023上半期 覚書5

          2023上半期 覚書4

          おいしいご飯の思い出。 「お米がおいしい」とは来る前後からいろんな人に聞いていた。 どんなにおいしいかとワクワクしながら、スーパーにしがきで丹後のコメを買い、さっそく炊いた。 炊飯器を開けたときの湧き上がる甘いお米のにおい、きらきら輝くお米の粒。 きれい。 まずはそのまま口にしてみた。 おいしい。 お米のおいしさって「甘い」とか「粒立ちが」どうのとか「うまみが」とか言うけど、そんな形容詞どうでもいいくらいおいしかった。 以前いた、鶴岡のお米もおいしかったけど、ここもおいしく

          2023上半期 覚書4

          2023上半期 覚書3

          「私、インスタとかで見てて、のばらさんの服装とかすごく好きなんです。」 唐突にそう言われたことがあって、びっくりして、会話が終わった後からじんわり嬉しさがやってきたのを覚えている。 別に服装にこだわりがあったりセンスがあるわけじゃない。 kPOPアイドルが好きで、そんな感覚で服を選んでいただけなのである。 だから、この言葉に「私の好き」ごと肯定された気がした。 今まで、「高校生」としてかかわってきたし、高校生もそんなに相談員にそこまで興味があるとはあまり考えてなかったから

          2023上半期 覚書3

          覚書2

          初日のことを思い出した。 一番最初の日。私の角部屋は朝日がすごい差すから、日の光で目が覚めた。 この仕事を始めるために、新しく買い替えたリュックに水筒を入れてドキドキしながら出発した。 お店のシャッターなんて生まれて初めて開ける。 意外と重くて、両手で開けて、それでなんて思ったかな。 ガラスのドアを開けると、木のにおいがした。その空間に嬉しくなった。 まずは掃除をすることにして、部屋の中を掃き掃除した。そしてテーブルを拭いて、室内を動くときに当たるほどある椅子を少し片づけ

          2023上半期 覚書

          良かった思い出。 すごかったな、嬉しかったな、楽しかったな、きれいだったな、おいしかったな…などと思い出すことはたくさんある。 今、これを書いていて目に浮かぶのは、海。 まっしろな砂、それに映える碧くきれいで、波の穏やかな海のこと。 「あした、朝4時に起きようね」とシェアメイトと約束して、ワクワクしながら起きた当日。みんな現地の人じゃないからグーグルマップを見て、迷いながら着いた海岸。 誰の姿もない。 静か。 朝の光、キラキラした波の光が乱反射してまぶしかった。 目を細め

          2023上半期 覚書

          「チーム」「協力」「出来ること」

          「チームで企画」 最初に聞いた時正直、(えー!無理だよ!)と思ってしまった。 なんたってカタカナお仕事の方々ばかりなのである。何しているのか想像できない。すごい仕事をしている、というのは何となく分かる。私には出来ないことばかりだから。 最初のmtg、でもそこでそんな杞憂は打ち砕かれた。特にそこに特別な隔たりはなく、改めて「企画メシ」という同じ目的のために活動しているのだと感じて嬉しかった。 自分に特になにかできることがないのが一番不安だったので、なんでもやります!と伝えた。

          「チーム」「協力」「出来ること」

          自分の軸があると。

          第2回音楽の企画。岡嶋さんはとても笑顔が素敵な人で、「真顔でいられない」と言っているのを聞いて、本当に楽しいってこういうことなのかな、と思ったりした。 病院で出会った男の子が、自分の気持ちを安心して吐き出したり自分がやりたいこと選びたいことを素直に選べていなかった。彼の能力の問題ではなく、周りの大人の知識不足(障がいに対する知識)だったり受け入れる(いざというとき命を守る)体制がなかったから。 確かに、「私がやりたい、楽しい」という発端ではない。大きなお世話かもしれない。で

          自分の軸があると。

          人に言えるほどのことが無い私へ。

          最初の課題が見たとき、うっと心が刺されるようだった。 自分の広告。 自分を他の人に向けて広報するなんて、苦手すぎる。 今の仕事に就いてから、いやでも自覚するようになったことがひとつある。 それは、肩書=自信=私になっていたこと。 肩書。今までは看護師や養護教諭が「私」だった。技術という目に見える成長があり、病気→回復という目に見える結果があった。非常にわかりやすい。技術は練習すれば上達する、目に見える結果は自分の技術的な関わり方で変えられることもあった。 別におごっていたわ

          人に言えるほどのことが無い私へ。

          「私はそうは思わない」と言ったとき。

          「子どもの権利を守る」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。 毎日遠くまで水をくみに行く子どもの姿か、兄弟の面倒を見るからと学校に通えない子ども、または大人と同じ危険な労働をする子どもたちか… 私がかつて総合の授業や道徳や社会科で学んだことは、どれも確かに現実にある。でもあの時は、なんだか遠い話のように感じていたのも事実だ。 今回、練馬区江古田にある「ぼっとう&よはく」https://bottou489.com/さんで開催された「子どもの権利条約ハンドブック ゆるゆる読書

          「私はそうは思わない」と言ったとき。

          十六夜文庫という場所

           私の祖父母の家には、生活としての家のほかにもう一つ平屋があった。その家にはそこら中所狭しとあらゆる本が置いてあった。夏休みなどは、そこで一日中本を読んで過ごした。小さいときの記憶は、読んだ本のことばかり。自分の知らない世界のことを知ることが楽しかった。 その平屋は『十六夜文庫(いざよいぶんこ)』という。 曾祖父が作った私設図書館だ。 ちなみに今は―——もう形を残していない。  プレイングワーカー、という素敵な言葉を教えてもらった。 プロサッカー選手という期間限定の仕事

          十六夜文庫という場所

          そして、6ヶ月(暴露と随筆)

          ずっとやりたいと思っていた仕事、養護教諭になって6ヶ月たった。短期で小学校を転々とし、現在は3校目が終わる。 「独りで壁を殴っていてもヒビは入らない」 最近そう言われて、今の私はとても現状に満足できていないんだな、思う。なにか違う、こうじゃない、と感じる気持ちに蓋をしてきていた。 しかしそうは言っても、これが性格なのだから質が悪い。これまで相方から、有名な人格テストや心理テストをやってみるよう言われてきたが、この「問題点をみつけ、改善しようと孤軍奮闘する。」点が回答にな

          そして、6ヶ月(暴露と随筆)