短歌おきば 2022-01/02

日影さす今朝のみ雪のむら消えに色ひてけりな丘の玉笹

いづこより匂ひそめけむ梅の花咲かぬ梢もおなじ春風

冬草のかれて幾よの山里のさびしさ氷る池の月かげ

風になく声はかれ野の昔にて空しづまれる深草の雪

おとづれぬ花はうつつに見えねども岩間うち出づる春の玉水

ことに見ゆこれやこのめもはるの夜の梢こぼるる空の月影

咲きそめし花より雲を吹き越してたよりなりけり梅の春風

染みぬるかこころは花を待つ空の夕雲そふる春のをちかた

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