インハウスデザイナーがUKアプリを日本からリモートでデザインした1年を振り返る

note.muでは初めまして。
2015年にメルカリに入社して、2016年はUSアプリを、2017年はUKアプリを担当してきました、@nobuoszk ことnobuoです。

2017年1月ごろから始まり、3月にリリースするまでかなとおもいきや、気がつけば1年間、日本からイギリスの拠点とリモートでデザインしてきました。仕事の進め方を見直すような学びが多かったので、同じオフィスで働く人にも還元できればと思い、振り返ってみます。


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今までのやり方とはサヨナラし、新しいやり方を。

僕の場合、最初こそPMが日本にいたものの、夏以降は赴任などで日本からリモートしているのは僕とQAエンジニアの二人というちょっと特殊な環境なので、海外拠点とのリモートを経たことでデザイナーとして活かせるコミュニケーション方法をまとめてみようと思います。

まず、海外とのリモートをすることで見えてくる「同じロケーションで働くメリット」に目を向けてみます。
※この場合の「同じロケーション」とは、会おうと思えば週に1-2度顔を合わせることのできる環境とします。

同じロケーションで働くメリット
直接話そうと思えばすぐに話せる
チャットは、時差を気にせずリアルタイムにやりとりできる
身振り手振り、相手の表情、声のトーンを直接確認できる(電話しないでよい)
ミーティングしなくても一緒にランチにいったり、コーヒー飲むときに雑談できる

というような、こういった普通のことが海外拠点とのリモートではできません。逆に同じロケーションで働くならば、こういうメリットを最大限活用すべきだと今は以前に増して感じています。

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リモートワークはする側もされる側も理解が必要

「分からなければ分からない」「この情報が欲しい」とか、1年を通してかなり言うようになりました。
なぜならそれを言わないことでプロジェクトの進みが遅くなるのが一番のブロッカーですし、リモート環境では「推測」はできても、「知る」ことは不可能なので。

リモート環境についての話は、目新しくうつり、イケてる感じにも見えがちで、「リモートをする社員と、リモートを承認してくれる会社」のような構図のように思います。
が、実際は、「リモートする社員とリモートする他のメンバー」でしかなく、お互いにリモート慣れが求められます。特に、リモートをするということはメインの開発拠点に人数またはステークホルダーが集中していることがほとんどだと思うので、「メインの開発拠点の、リモート社員への理解がキモ」だと感じています。
なぜなら、相手は協力会社やフリーランサーへの依頼ではありません。社員としてのリモートワークは、アウトプットやコミットの線引きもあいまいになりがちです。いつの間にかお互い「◯◯してくれるだろう」と、期待を膨らませたイメージを持ってしまいがちですが、1つ見落としていることがあるんです。
それは、リモートしている同僚は、一日の中で耳にした同僚のやりとりや、口頭で進んだちょっとしたやりとりは、耳にしてないということです。
同じロケーションで働いていると、口頭で話が進んだり、コミュニケーションコストを最小限にして仕事を進められるのですが、それをすべてSlackにポストするわけではないので、当然リモート側は文脈や背景が理解できなくなります。
こういったことを解消するために、いくつかの方法を日々実践してきました。

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デザイン後の実装の確認をやめる

実際に辞めるわけではなく、やめてもクオリティを担保できるようにしました。なぜならば、そこで確認→修正のコミュニケーションをするだけで2,3日吹っ飛びかねないからです。それに必要だったことは、細かすぎないガイドラインを作ることと、QAエンジニアを早めに巻き込み、デザインのクオリティまで担保してもらうことで解決しました。

細かすぎないガイドライン
マージンのルールやカラースキーム、CTAボタンの大きさ程度で、後は立ち上げから随時変更していくでしょうし、デザイナーの人数も4月まで1人、5月から2名になった程度なので、十分でした。
ガイドラインを作ることは楽しいのですが、現地にいない自分がガチガチに作ることで彼ら自身のプロダクトを日本から縛るような見え方にしたくなかったので、やめました。

QAエンジニアを早めに巻き込み、デザインのクオリティまで担保してもらう
お願いして効率良くなることはすべてお願いし、自分しかできない役割に専念するようにしました。
そうしないと、スタートアップのスピードをリモートでやるには24時間でも足りませんし、なによりボトルネックになりたくなかったので。

デザインチェックのコストを最小限にすることで、施策や仕様の詰めや、オンライン・オフラインのユーザーテストに専念することができました。


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メンバーへの伝え方・共有の仕方の変化

「こいつ何考えてるのか分からない...」

国を越えて仕事をしているので、それぞれの文化も違います。唐突に依頼をしても相手は何の話が始まったのか、どこからきたアイデアなのか、まったくわかりません。
これをさけるには、日常的に自分がどういうモノに興味があって、さらに「どうして・どこに」興味をもったのかということをメンバーに伝える必要があります。

同じオフィスで仕事をしていれば、こういうことはちょっとした会話や雑談で話している時にお互いに感じ取れる機会はありますよね。チームビルディングにはとても重要な要素にもかかわらず、リモート環境ではミーティングを設定する必要がありますし、雑談のためにミーティングを設定するハードルはとても高いですよね。

なので、普段からおたがいの興味・関心、そしてプロジェクトの進み具合を知っていると、「彼は早めに巻き込んでおこう」とか、「この仕事の相談は彼にしよう」とか、「彼に仕事を依頼するときにはこういう風に伝えよう」とか、伝え方やタイミングの選択肢がぐっと増えるんです。
少なくとも自分はイギリスにはいないので、どういう人間かできる限り伝えるようにしましたし、こういう風に伝えたら彼らは仕事しやすいんじゃないかということを思いやりながら、仕事していました。

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情報共有は、自分の考えを添える

例えば、興味のある記事を見つけてリンクをシェアだけだと、ほぼほぼスルーされてしまいます。それは、そもそも興味がないところからスタートするので、2-3行のサマリーか自分の意見がないと読むハードルがとても高いですよね。

アウトプットは画像やgifを一緒にアップして読んでもらえるようにする
時差もあるので、起きたときにお互いSlackのメッセージは山盛りです。そんな状態でテキストとURLだけでメンションが飛ばされていても、後回しにされてしまうかもしれません。そのまま忘れられたら1日を棒に振ることになります。
それだけは避けたいので、画面遷移のスクリーンショットやGifアニメーションをはってまずざっくりとした情報を入れて、詳しい話はURL先のドキュメントでどうぞ、という流れでアウトプットをするようにしました。

メンションしたり、ポストしたらみてくれるだろうということ自体に期待しすぎないようにして、リアクションがなかったのなら、こちらからもプッシュして確認するようにして、自分がボールを持っているタスクに関して、翌日必要な情報を確実に手に入れるようにしました。
伝わって初めてコミュニケーションで成立すると思うので。

アウトプットと次のアクションは「毎日共有する」ことを優先する
僕の場合のアウトプットは、
- 今着手しているユーザー体験設計, UI, グラフィックなどのアウトプット
- 次に着手する予定のデザイン(リサーチなどの準備も含む)
- ブロッカー(進める上で障害になっているもの)

を共有します。

ブロッカーは、「●●さんからのフィードバック待ち」というのもブロッカーになるので、たとえば上司がフィードバックすると言ってくれていない場合もそれにあたります。責任の所在がはっきりするので、リモートでもお互いのタスク優先度を決定する上でとてもありがたい仕組みです。

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最後に

リモートワーク環境下で、「同じロケーションで仕事をする」というレベルまでクオリティを持っていくには、こんなにもプラスアルファでコミュニケーションが必要になるんだということを強く学んだ1年でした。
なんというか、まるで重力100倍で悟空が修行してるみたいな感じ。。

途中で同じやり方をするのは時間がいくらあってもたりないと感じ、リモートはリモートで合う進め方を試していこうと思えてから、かなり楽になりました。

最終的にGoogle PlayでBest App2017にも選んでもらえて、チームとして結果が残せて本当に良かったなと思っています。

Google Play Has Revealed the Top Android Apps of 2017
http://www.gizmodo.co.uk/2017/12/google-play-has-revealed-the-top-android-apps-of-2017
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ロンドンは色んな国からきて、英語も母国語でない人のほうが多いので、そういった環境も外国人として働きやすかったのかもしれません。
UKチームはリモートに慣れているメンバーも多かったですし、彼らでなかったならば1年も続けられなかったと思います。感謝しかありません。


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