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タバコの必要性とは?後編

タバコが現在、喫煙者本人だけではなく、社会的にも大変肩身が狭い事を説明してきました。しかしタバコが庶民に広がったのは江戸時代からと約400年もの歴史があります。

タバコへの風当たりが強くなったのは、健康増進法が施行されたここ最近の事。何故ここまで私たちはタバコを吸い続けているのでしょうか。

①嗜好品としてのタバコ

タバコが江戸時代に伝わった時、最初は薬として栽培は奨励されたものの、のちに幾度かの栽培禁止令を出す事になります。
これにはタバコ栽培による年貢米栽培の減少を防ぐこと、傾奇者と呼ばれた反幕府集団が、南蛮由来のタバコを吸う事を象徴とした為の2つの理由がありました。

しかし、タバコを嗜む人口は増え続け、三代将軍家光の代にはタバコに課税をし、収入を得るようになっていきました。こうして、タバコは嗜好品として庶民の間に広がっていく事になります。

タバコが庶民の生活に定着した理由として2つ挙げられます。

1つ目は、タバコ道具の嗜好品化です。「士農工商」の身分秩序の維持により、質素倹約が叫ばれる中、タバコ用品は数少ない身近な嗜好品になりました。

煙管(キセル)、タバコ入れ、タバコ盆などに装飾、趣向を凝らす事で生活の中に憩い、潤いを与える物として重宝されました。
また、日本の喫煙習慣の特徴として、人より凝ったものや良いものを持つ、「粋」の精神が発揮された事でした。

2つ目は、当時酒とタバコを嗜む事は「一人前」の証であり、酒やタバコ、はたまた博打や女をほどほどに嗜んでいないと人との付き合いが上手くいかなくなるという考えもありました。

②税収としてのタバコ

江戸時代にも税収としてタバコを栽培する藩もありましたが、国が税収として正式にタバコ税を導入したのは明治8年の「煙草税測」です。
各自で独自に徴収されたタバコ税を全国統一とする事が目的でした。その後日清戦争後明治29年に、葉煙草専売法、日露戦争前の明治37年には、タバコは完全に国家専売制度となり、重要な国の税収源となったのです。

③タバコの功

人の生活にタバコがどう定着をしてきたかを振り返って来ました。それでは改めてなぜ人は400年の間、タバコを吸い続けてきたのでしょう。
僕はストレスを感じた時にタバコを吸う事が多いのですが、そこに一つ理由があるのではないでしょうか。

タバコを吸うと、脳内でニコチン受容体というものが形成され、このニコチン受容体をニコチンが受け取るとドーパミンという物質が形成されます。
ドーパミンは幸せホルモンとも呼ばれ、成功や報酬に関する快楽物質と言われています。ドーパミンが形成されることにより、疲れやストレスが軽減されます。

しかし、ドーパミンは一度放出されて快楽を得ると、脳が学習をしてその行為を再びしようとします。何か目標達成や報酬でもらった事による行為ではなく、
喫煙によるドーパミンは中毒や依存症になってしまう事が多いのです。人は快楽主義に則って生きていきます。これがタバコがやめられない理由です。

色々調べましたが、タバコが体にいい影響を及ぼすものは、他にはありませんでした。

④タバコが無くならない理由

健康増進法、生活習慣病、世界的な禁煙の流れの中、日本の禁煙率は平成元年に比べ約半減まで落ち込みました。
しかし、ここまで体に悪影響を及ぼすものならば麻薬のように法で規制してしまえばいいのでは、とも思います。

それが出来ないのは、タバコを販売するJTの存在があるでしょう。
タバコ税の税収は国税の2.3%と、明治時代の20%と比べ大きなものではなりません。

JTは元は日本専売公社という国営企業でした。現在は形は民営企業ですが、JT株の半数以上を財務大臣が持つという法律があり、半国営企業という事が出来ます。
また、タバコ販売促進法ともいえる「タバコ事業法」がある事も理由として挙げられるでしょう。タバコ事業法の主な内容は、「タバコ産業と国民経済の健全な発展を目的とする」とあり、タバコ産業を現在の与党が擁護しています。

そうでもないと、あれだけ値上げを繰り返す企業が潰れない理由が説明できないですね。

タバコが持つ中毒性は大麻、覚せい剤を超え、盛んに禁煙活動が叫ばれています。禁煙外来や専門のタブレットも存在します。それだけ受動喫煙や健康被害が問題化されています。
JTやタバコ事業法にすべての責任を押し付けていいものか。快楽だけ享受して、代償を他に求める。それは違うような気がします。

タバコを止められないおじさんの独り言でした。

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