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持ち家か賃貸か

自分は現在は賃貸住まいである。一応二世帯住宅を建てたことはあるのだが(二世帯同居の親が費用の大部分を負担)、住んで13年で引越し必須の転勤になり、それからずっと賃貸暮らし。
転勤が絶対に無いのなら人生の早い段階で家を持つのも良いだろう。しかし雇われているとそうもいかない。

よくある「持ち家か賃貸か」という議論は正直どっちも一長一短で、ジャッジするなら「お好みの方で」という結論になる。
明らかにどちらかが得ならそちらに人気が集中するはずだが、そうはならないのが証左である。
強いて金銭負担にフォーカスするなら、賃貸でも持ち家でも、家族や通勤先の状況を加味して、その時々で耐えうる狭さと古さと不便さの限界にできるだけ近い物件に住み替えていくのがベストである。夢も希望も無いが「持ち家はお金のかかる道楽」なのだ(「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」より)。
また、主に親が建てたとはいえ、注文住宅の持ち家に住んでみて感じたのは「住んでみないと気づかない不満や不便」が結構あること。図面で想像する限界や、断熱効果が期待ほどでは無いとか、家族やペットが増えるのに伴ういろんな事情の変化や、細かい話をし始めると果てしない。住宅設備やデザインのトレンドが年々進歩するのも小さな不満の種になる。高額な買い物でそうそう更新も利かないことが拍車をかける。逆に、今住んでいる築古物件は雨漏りするようなところだが、蔵書が多い我が家には広さがありがたい。

結論は「住宅に何を求めるか」次第なのである。
駅近で閑静で広くてキレイで眺望が良くて冷暖房効率が良くて家事動線がスムーズであらゆる買い物が徒歩で済み学校も勤務先も至近で近隣はとても良い人と行儀の良い子どもしか住んでいなくてオバケが出なくて資産価値は減らず安く買える家、というのは存在しない。どの条件を優先したいかもライフステージや状況次第で刻々と変わる。
そう考えると、いろいろな賃貸に住みながら理想の家を考えていく、というのが正解に近いようにも思える。