星空と先生

先生の目には、星空が映りません
それはなぜか、わかりませんでした
先生は、犬を飼っていますが、愛玩の域を越えてないのです
先生は、歌を歌いますが、大事な何かが欠落しているのです
先生は、端正な顔をしていますが、「色気」というものがないのです
不思議に思っていると、先生が言いました
「僕は孤独と言うものが、わからないのです」
困ったような、悲しい表情でした
孤独というものがわからないなんて
深夜一人で森の中を、明かりもつけず歩いてごらんなさい
そう思いかけて、やっぱりやめました
私にも、本当の孤独というものが、わからないのかもしれないのです
私の目にも、やはり星空が映らないことでしょう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?