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『君の名は。』をミニッツライナーで解体してみたら新発見したこと。~その2~

こんにちは。アーティストのノブです。

今回は前回のブログの『君の名は。』をミニッツライナーして気づいたことの引き続きを書こうと思います。

まずはじめにミニッツライナーとは、
映像の一分間を一行ずつに文章化し、まとめていく作業です。2時間の映画なら120行を要することになるのです。
このミニッツライナーとは岡田斗司夫さんが名付けたものです。
※発案したわけではありません。元々海外ではやっているトレーニングだそうです。

これをやっているといろいろ気づくことができました。

1.赤いリボンと糸守湖が冒頭から頻繁に出てきている。
これは映画を見ている人なら知っていると思いますが、ストーリーの流れの中でカギを握っているものです。それがミニッツライナーをやるために集中しているとこれでもかっていうくらい冒頭から頻繁に出てきます。
何度も何度もこれらはキーマンですからね。何度も言いますがキーマンですからねって言われているように感じました。しかし普通に見ていると気づかないので、これくらいしないと観客って頭の中に刷り込めないのかもしれません。逆にいうと、これだけ何度も出てきたおかげで私たちはストーリーにスッと入り込め、たくさんの人に受け入れられたのかもしれません。

2.瀧と三葉は同じ仕草(シンクロ)している部分がある。
例えば、三葉はテッシーにノートを落書きしたことを追求しようとして、途中でそれをやめています。
瀧もスマホにイタズラしたことを司に追及しようとして、途中でやめています。
他にも、瀧が三葉に初めて電話をした時も歩道橋の上で電話をしてつながりませんでした。
三葉もまたおなじ歩道橋の上で初めて瀧に電話をしようとしてつながりませんでした。
このようにあえてシンクロしている部分を作っていたんだなとわかります。

3.ローアングルが多い。
見ているとやけにローアングルが多いことがわかります。
例えば三葉の部屋の引き戸を引く時や電車の扉が開く時もローアングルのシーンが幾度も流れ、他にも足元だけを映す場面や、ローアングルから三葉ごしの流星を映すシーンもありました。
ここまでやっていると何か意味があるのかな?などと思ってしまいます。
他のブログでは「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」に登場する飼い猫「ダル」の視点ではないかと推察がありました。
確かに、新海監督は過去作をよく引用しています。
この作品でも「言の葉の庭」の雪野先生がでていますし、それはあり得ます。ただ個人的にはあまり納得はできません…。
ただ新海監督が好きなアングルというのもあり得ますし…。
とりあえず解明はできていません。
もし、個人的に何か推察出来たらそれは発表しようと思います。

4.料理が前半でよく出てくる。
よく見ていると三葉、瀧それぞれの食卓やカフェに行ったときのパンケーキや瀧がバイトしているレストランなどたくさんの料理が出てきています。
これらは何気ないシーンではありますが、あまりに多いんじゃないかと思いました。だけどやはり人間は、特に日本人はおいしそうな料理に興味が引きますよね?テレビでグルメ番組がいまだに多いのもやっぱりそういう習性があるように感じます。
ではなぜそんな場面を入れるのか?
それは映画を飽きさせないための視覚的効果を狙ったのではないでしょうか?
軽いコメディを入れるのもまた映画のストーリーの熱を冷まさせないように、飽きさせないように入れるのと同じで料理もそういった効果を狙っていたのではないかと推測できます。ですからパンケーキもレストランの料理もかなり美味しそうに描いています。

以上が僕がミニッツライナーをして気づいたこと第2弾です。

僕は映画学校など通ったこともなく、映画製作に関する知識はほぼゼロに近いので、映画関係者には当たり前なことかもしれません。
しかし、ド素人がこういう所に気づけるのはすごいことではないでしょうか?
ぜひ余裕があったら、皆さんもミニッツライナーをやってみてください。

今日は最後までご拝読ありがとうございました。




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