見出し画像

従妹


 
叔母が入院して
小さな従妹を一か月預かった

夜時々母親を呼んで泣くが
水遊びが大好きで
水遊びができる季節だったのが幸い
私たち姉妹が小学校に行っている時も
機嫌よくしていたという

その内に

妹のランドセルを先に背負うということを覚え
朝はそれなりの阿鼻叫喚

だったとは思うがもう忘れてしまった

小さい頃は自分には姉がいると言い張っていた従妹は
大きくなって一人っ子だと知った
それから
自分にそっくりの一人娘を生んだ

従妹なんて、たぶん法事以外では会わないものなのだ
もう、法事もなくなった

庭に橙色の金糸梅が咲いていた
まだ
キンシバイと言う名でなく
美女桜という名だと思っていた。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?