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みんなで取り組む入試広報〜学校ブランディングに本気で挑戦 【週刊新陽 #103】

新陽高校も春休みに入りました。

生徒たちは、遊びに行ったりアルバイトしたり、あるいは部活動に励むなどして過ごしていることでしょう。2週間と短い時間ではありますが、1年を振り返って自分の変化や成長に気付く時間にしてもらいたい、そしてエネルギーをチャージして4月にまた元気に学校に来てください、と修了式で話しました。

一方、先生たちの春休みはゆっくりなんてしていられません(笑)。

年度内に処理しなればならない業務や次年度の準備、新しいチームでの会議など、毎日あっという間に過ぎていきます。でも4月に入学したり学年が変わったりする生徒たちを気持ちよく迎えるための忙しさなので、なんだかみんな楽しそうです。

生徒たちが大掃除して机や椅子を撤去した教室は、
ワックスがけして新年度を迎えます。

新陽独自の入試システム

この4月に迎える新入生、今年度は300名を超える予定。定員280名を満たすのは3年ぶりです。

生徒が集まらなければ学校はやっていけないので、生徒募集は経営上の重要課題です。そして、これまで学校がやってきたことへの評価、そして今後への期待の表れでもあると思っています。

新陽では入試においても、『Web出願』『パスポート制度』などの新しい取り組みを進めてきました。保護者の方々や中学校の先生などから「分かりづらい」とか「他と同じにしてほしい」という声もあったようですが、荒井前校長や当時の入試広報チームが、受験生そして未来の新陽生のために作った仕組みであることを信じて、昨年、今年と続けてきた結果、皆さまにご理解いただけるようになったのかな、と感じています。

とはいえ、ただ同じことを頑なにやり続けたのではなく、必要に応じて修正もしています。特に、受験生の保護者からの問い合わせや中学校の進路担当の先生からのフィードバックには、仕組みを改善するための重要なヒントがたくさんあり、どこが分かりにくいのか、何が使いづらいのか、新陽の入試システムの問題点が見えてきました。

2021年に今の入試広報の体制になった際、学校広報のプロからアドバイスをいただきながら、現状を分析し課題を整理して生徒募集戦略を立てなおしました。その方から「学校広報は、当たり前のことをちゃんとやっていれば3年目には必ず結果が出ますよ。」と言われたのですが、2年目に定員充足を達成。嬉しい反面、正直すこし戸惑っています。

だから次年度あらためて結果が出るように、更なる修正を加えつつ、着実に戦略を実行していきたいと思っています。

なお、今の入試広報チームをまとめてくれている入試部長の志賀美紗子先生が先日NewsPicks Educationのインタビューを受け詳しく話をしていますので、こちらもぜひご覧ください!

せめる広報、つなぐ広報

NewsPicksの記事で志賀先生も話してくれていますが、今年の新陽の入試広報を語る上で外せないのがSNS、特にTikTokです。

実はこれも、生徒募集戦略の中で立てた施策の一つ。2021年度の生徒募集を始めるにあたって入試広報チームにいろいろな情報を分析してもらった結果、動員に課題があることが分かりました。

中学生やその保護者に入試イベントに来てもらうには、まずは認知度を上げなければいけません。そのために情報発信に力を入れることにしました。

調べてみて分かったのが、中学生も保護者層もTwitterの利用者が比較的多いこと、そして中高生ではTikTokの利用者が急増しているということでした。その時点で新陽がアカウントを開設していたのはFacebookとInstagram。Youtubeもアカウントはありましたが実際にはほとんど動かしていませんでした。

2021年7月、TikTokとTwitterの学校公式アカウントの開設と、Youtubeの本格投稿を開始。同じタイミングで部活などでバラバラに開設し運用していたSNSのアカウントも、学校公式アカウントとリンクできるよう整理しました。

若手の先生を中心としたチームによって始まった積極的な情報発信により、TikTokのフォロワーは2021年12月初旬に1万人を突破(2023年3月末時点で7万5千人)。その影響は他のSNSにも波及し、さらにはメディアでも取り上げていただくようになりました。

こういった発信により新陽を知ってくださったり興味を持ってくださった方に、必要な情報を繋ぐのが学校Webサイトやパンフレット。単位制の生徒募集に合わせて一新した、ポスターも含めたクリエイティブは、北海道に拠点を置き世界で活躍するデザインチームにお願いしました。

でも、どんなにツールを揃えても、一番大事なのは中身です。志賀さんもNewsPicksのインタビューで「教育内容や学校のあり方を磨いていくことが欠かせない」と言っていますが、本当にその通りだと思います。

学校と受験生だけではなく、在校生や保護者、地域の方々、連携先の企業など様々な人たちとつながる広報を目指して、これからもみんなで取り組んでいきます。

新陽0(ゼロ)年生向けガイダンス

2月18日と3月18日の2回、入学予定者向けにガイダンスを行いました。入試までは入試広報チームが受験生とつながり、入学後はメンターを中心としたチームが在校生とつながるのですが、合格から入学までの期間は入試広報とメンターの先生たちが連携して、学校と中学生をつなぎます。(新陽の単位制ではクラスがないので、担当の先生をメンターと呼びます。)

合格してから入学までの間にさらに新陽への理解を深めること、少しでも不安を解消し高校生活に向けて気持ちを高めてもらうことを目的に、ガイダンスは企画されています。

アイスブレイクやグループワークをしたり、学校生活についての説明の中でも中学生が考える時間をとったり、新陽での授業と同様、先生が一方的に話し続けるスタイルではないのが特徴的。

こういった活動の中で、最初は緊張している様子の中学生たちも自然と距離が近づき発言が増えていきます。帰るときには「友達ができました!」と嬉しそうに教えてくれる子もいました。

新陽の生徒たちには、自分で考え自分で決めて自分で行動する主体性と、人と助け合ったり協創したりする力を伸ばしてほしいと思っているので、入学前の「0(ゼロ)年生」の時点でこういった雰囲気を経験することで、少しでも心の準備をしてもらえたら良いな、と思っています。

2月18日のガイダンス。
新陽でよく使う「それってホント?」は
これまでの当たり前を疑う合言葉です。
「類人猿診断」をもとにグループを作りました。
自己紹介からの他己紹介。
相手の話を聞こうと前傾になる姿を
たくさん見ることができました。
3月18日。教室で行ったグループワークでは
新陽について知っていること、知りたいことを
みんなでシェアしていました。

【編集後記】
今年度、生徒募集が成功した要因として一つだけ確実に言えるのは、教職員全員のチームワークの成果だということ。先生だけではなく事務方のメンバーも一緒になって支えてくれて、みんなが同じ思いを持って取り組んだことで期待以上の成果が出せたのだと思います。
入試イベントにしろ合格者ガイダンスにしろ、様々なアイデアが出て企画がまとまっていき、協力し合って準備が進んでいくのには、自分の学校のことながら毎回感心してしまいます。春休みは、新入生を迎えるという大きなイベントに向かって、一丸となってラストスパート中です。

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