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週末のBloombergより

◆FEDからのメッセージはややホーキッシュながらもマーケットの想定範囲内。7月+25bp追加利上げの後、もう一回あるかないか/ホールド長期化は市場織込み済。

◆最近のデータは、成長しっかり目/インフレはまあOKというバランスで株にはサポーティブ。

◆インバートがかなり続いた後の利上げ最終局面(金利はもう下がるしかない)ということで、デュレーション・ロングが長らく推奨されてきたが、相応にロングが溜まっている上、中長期債のバリューが乏しくなりつつある(という見方も出始めている)ので、金利上昇(ベアスティープニング)要警戒。

◆米投資会社OAKTREEの戦略:①米銀によるクレジットクランチで生まれる魅力的な融資機会を捉える。②ライフサイエンスセクターを狙う(コロナ終息でバリュエーション低下、GDPと低相関で分散に有効、投資にノウハウが必要で競合少ない)


◆今年ちょうど半分が過ぎたが、年前半最大のサプライズは、①中国がリオープン後、意外と早く勢いを失ったこと(米国にはインフレ抑制的、欧州やアジアのGDPには逆風)、②米テック企業が大復活を遂げたこと(AIとその周辺ビジネスへの期待大)。

◆市場はまだ来年FEDが結構利下げすることを織り込んでいるが、ハードランディング回避の可能性が高まる中、インフレが2%以下に落ちる前に利下げを始めるのはそう簡単ではない(次にマーケットが動くとすれば、来年の利下げ期待を剝がしに行く方向ではないか)。

◆米学資ローンの返済猶予が切れて380億ドルが返済に回り、今年Q4/来年Q1あたりの個人消費を大きく押し下げる可能性は要警戒。

◆コロナで2倍に膨らんだFEDバランスシートは、今後年1兆ドルペースで縮小に向かう。最近市場はQTの影響を軽視しているように見えるが、今後の金利上昇圧力は要警戒。

◆1年で5%もの金利急騰で、M&Aの売り手はバリュエーション低下をすぐには受け入れられず(経験上1-2年はかかる)売り渋っていた。しかし金利が安定した今後は、サイクル的にM&Aのディールが急増する。

◆商業用不動産で本当に苦しいのは(米ではシェア2割以下の)オフィス。好調なデータセンター、物流、ヘルスケアなどまで一緒くたにして悲観すべきでない。

◆先週末のロシアのクーデターが週明けの金融市場にほとんど影響を与えなかった最大の理由は、ロシア経済がエネルギー供給面も含めて西側経済から既にほとんど切り離されているということ。

◆人種差別と抑圧が厳然と残存する中で、アファーマディブアクション(白人というよりは優秀なアジア系を逆差別していた)を廃止すれば、被差別階級の才能開化のチャンスが削がれ、ゆくゆくは企業のダイバージェンス推進(とそれによるより高いパフォーマンス)を阻害する可能性がある。

◆米銀ストレステスト最大の問題は、①最も心配されている中小銀行をカバーしていないこと、②金利上昇のストレスをかけていないこと、③シャドーバンクのリスクをカバーしていないこと


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