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お寿司と調香

皆さん、こんにちは。ページタイトルは「お寿司と調香」
なんじゃこりゃ>?ですよね(笑)

「お寿司と調香」にしたのは、香り創作に励んでいる最中、ふと、グルメ雑誌に掲載されてた、フランス人シェフへのインタビューを思い出したからです。シェフが日本のすし職人について語っていました。

今でこそ、海外でも有名で好まれている「お寿司」ですが、そのシェフは、口にしたときのおいしさや驚きより、 「すし職人の、修行がどうにも理解できなかった」という内容でした。

「なぜ、ライス(お米)にビネガー(お酢)をまぜ、香辛料(わさび)を入れ、魚を上にのせるだけの料理に数十年間も修行するのか?」ということが疑問であったらしいのです・・・・。

確かに、フランス料理でもお寿司のネタ”に相当する、「食材を見極める力」は必要だが、お寿司をにぎる技術の習得になぜ十年以上も要するのか?と奇異に感じたらしいのです。ただの自己満足なのか・・・。それとも、お客さんへのパフォーマンスを学ぶのか・・・と。にぎる技術が味に大きな影響を及ぼすとは、どうも信じがたいらしいのです。

調香の本場フランス

シェフいわく、料理は、原因→結果。
というプロセスを脳裏に描きながら作るもの。
その概念からは、「お米を手の中でにぎる」という単純作業に
数十年の修行を要することが、摩訶不思議に感じるらしいのです。

お寿司の場合は、原因→結果という直線的な経路だけでなく、お米の温度、にぎり加減、ネタとの相性、にぎる時間、などなど、どうも東洋的な「円の経路」「縁起の経路」が、含まれていることが、数ヶ月間の滞在で、【なんとなく”理解出来た】という記事でした。

私はここに、調香のヒントが隠されているように思っています。フランスといえば、名だたる調香の本場です。フランスで活躍する一流の調香師は、2000種以上の香りの違いを確実に記憶しており、そのための訓練を受けているといわれます。

さて、自分を振り返ってみると・・・・あれ??確かに、「記憶」という意味では、何種もの香りを嗅ぎ分けているのは事実なのですが、原因→結果という緻密で計画的な思考が働いているとは思えないのです。


私が記憶している香りといえば、せいぜい百に満たないかもしれません。

「縁起」を主眼に置いた香り に、「時間は最小限しかかけない。せっぱつまった状態=本能”で造る。」と書いたのは、実はこのことと関連しています。

つ・ま・り。科学的思考プロセスを取るのでなく、縁起的プロセスを取るために、時間を最小限に抑え、「一瞬の香りの縁」を紡ぎだすのです。

何をするにしても、お国の文化や遺伝子はあると思うので、私には東洋的手法が合っていますし、西洋的な調香を試みたこともありましたが、実際、納得のいく香りは作れず、ジレンマに陥るばかりでした。

💨🍣やっぱり、自分の遺伝子、文化の遺伝子を活かすほうがいいみたい!

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